50歳の衝撃 はたらく僕らの生き方が問われるとき
50歳の選べる道は少ないが、希望はそれなりに多い。25の実話にもとづいた葛藤物語。 人生100年時代。その中で「50歳」はちょうど折り返し地点です。 まだ半分も「生きる」時間は残っています。 けれど、50歳を目の前に、若い頃にはたくさんあるように思えた選択肢が、 歳を重ねるにつれて、減っていくように感じている人も多いのではないでしょうか。 「50歳」。あなたはここでどんな決断をし、どんな行動を取るのでしょうか。 そして、そこに「正解」はあるのでしょうか。 本書では、様々なビジネスシーンで見聞する事実をベースに、25の葛藤物語を描いています。 どれも50歳前後のミドル世代が直面しやすい、人生を左右する「衝撃的な経験」ばかり。 他人から見たら、たわいもない出来事に感じる話もあるかもしれません。 けれど、どれも現実に自分が直面したら、そう簡単には解決できないのではないでしょうか。 50歳前後で多くの人が、「これからどう生きる?」という人生の課題を改めて突き付けられています。 会社の方針転換についていけずに右往左往し、本意とはいえない職場に異動する人もいるでしょう。 部下の育成に頭を悩ませる一方で、経営陣から強力な目標達成のプレッシャーをかけられる人、 自分の健康に不安を抱える中で、子育てや介護といった家族の問題に奮闘する人もいるはずです。 順風満帆な人は一握りに過ぎません。多くの人は、50歳を迎えて、「自らの未来」があまりにも茫漠と していることに気づき、そして立ちすくんでいます。 けれど、50歳前後で受ける様々な“衝撃”は、実は貴重な経験でもあるはずです。 そこで生まれた「葛藤」や考え抜いたうえでの「決断」は、必ず明日の糧になります。 50歳になった人にも、これからなる人にも、本書を読めば必ず、何かの力を得ることができるはずです。 はじめに 【第1章】 働き方を変える ・いまさら働き方を変えろと言われても 「会社基準」ではなく、「自分基準」で働く 「働き方改革」がしっくりこない/狙いはミドル層を活性化/“自分基準”で生きている? ・タモリっていいよな…… 思い込みで、早々に“枯れ”ない マイペースが羨ましい/「火消し役」を成功させたが…/「半分退く」タイミング ・俺だって一度は勝負したい 自分で勝手に限界を決めない やりたい仕事が舞い込んで/「慣れない頑張り」に体が悲鳴/「もったいない」と言われ続けて ・一線を退いた後はどう働く? 替えが利かない参謀役・相談役 勘所を見極める「仕事の仕分け人」/悩みを抱える人の「心のオアシス」/失敗をオープンに語れるか ・“余計な”休暇制度が始まったせいで 「休まない上司」はマイナス評価 「夏季休暇制度」が逆風に/休みの日にも部下に電話/「社内失業」をきっかけに ◆コラム 「引き際」を考える 【第2章】 キャリアを振り返る ・会社員の幸せって何だろう 「貧乏くじ」も見方によっては「当たりくじ」に “貧乏くじ”ばかりの先輩/後始末要員として工場に/最後の挨拶で語った本音 ・何がしたくて会社に入ったのか 「初志」を見直し、次につなげる 新人の「輝いた目」を見て……/東日本大震災をきっかけに/「初志」を思い返す ・ずっと「専門職」でいたい “職人”だからこそ、教えられることがある 専門職以外「やらない」/イチローを徹底研究/プロならではの「育成」視点 ・彼女たちにとって「私の生き方」は? 不安を断ち切り、自分がロールモデルになる 外資系転職組に勝ち、順当に出世/「もう十分」という後輩女性たち/1人で「誰もいない階段」を登る恐さ 【第3章】 ゼロからの再出発 ・出向で支社長になったが、ここは…… 「称賛」を求めず、「感謝」を積み上げる 出向先が平穏すぎる/物足りなさの理由が分かった/皆の要望を聞いて分かったこと ・50歳を過ぎて地方転勤、適応できるか 新天地では自分を“緩める”ことも大切 転勤で生活の再構築に成功/自分を「緩められない」50代/ミドル世代の「働きがい」とは ・「会社での自分」を再定義できるか 「時間」と「空間」に“緩み”を作る 様々な“緩め方”がある/「会社での自分」を外で出さない/大人の自己啓発「サバティカル休暇」 ・帰国したら“敗戦処理係”に 「会社を見捨てる」選択を真剣に考える 「グローバル人材」として海外へ/帰国して「敗戦処理係」に/「会社を見捨てる」決断 ・独立しても、やっていけるはず “今”を基準にして過信しない 独立後、出足は好調も……/「前の職場」からの発注が止まる/「3つの過信」が原因 【第4章】 出世は運か実力か ・「派閥」に入ったために…… 「同調圧力」にタフになる 「派閥のトップ」が失脚/同僚が派閥に入らなかった理由/「同調圧力」が目を曇らせていた ・出世は早かったが、先が見えない 早熟ゆえの“燃え尽き”に注意 一息ついた今、将来が不安に/若返って見えた老舗企業の同期/「ここからが勝負」と聞いて ・結局、「家康」が社長になったか 「変わらない姿勢」が評価される 信長の“らしさ”が奪われた/情報を握った「秀吉」への不信感/ゴール直前の「躊躇」や「勘違い」 ◆コラム 「ゴリ押し人事」の裏側 【第5章】 部下を育てる ・自分の指導スタイルでいけるはずだ 部下育成は「鬼」でも「仏」でもダメ 叱った部下が休み勝ちに/「褒め言葉」が強いプレッシャーに/「育成の原点」にあるもの ・育児中の部下に負荷はかけられない “変な遠慮”はむしろ相手に失礼 「産休明け」が増えてきて/「遠慮」が問題だった/集中力が上がって部署が変わった ・部下が目の前で涙を浮かべて 「育成」こそキャリアを切り開く好機 壁に突き当たった部下/「甘やかしている」と指摘/意外なところで「見られていた」 ・世代間ギャップは埋められる? 若手の「本音」を知り、マネジメントする もっと働きたいと嘆く部下/会社を去っていく若手/「昔の話」を語ることの弊害 【第6章】 仕事と家庭 ・若手にイラつく自分を止められない 「家庭の問題」は仕事に持ち込まない 突然、若手をいびるようになった課長/きっかけは息子の進学校中退/息子に投影した自らのコンプレックス ・休んでもろくなことがない 型にとらわれず、自分の時間を やってみたら楽しかった「夏休み」/「パジャマパーティー」がしたい/「休暇を楽しめない人」の共通項 ・再就職した妻を怒らせてしまった どんな仕事も「大切な仕事」 怒っている理由がわからない/ほとんどない「夫婦水入らず」の時間/「仕事ができる」は、ありがたい ◆コラム 「行きつけの店」を作る 【第7章】 “今”を生きる ・自分は“今”を生きているのか 何があっても最後まで諦めない がんが発覚、即入院/感涙した社長の一言/最後まで諦めるな おわりに