井上井月研究
映画『ほかいびと伊那の井月』(井月役:田中泯)撮影中!寂びと幽玄の詩境を得た作品群、俳諧史に欠落した巨人の全貌! 俳諧史に欠落した巨人の全貌!“漂白の俳人”の実像と“寂びと幽玄の詩境”の本質!近代俳句史上の巨匠・高浜虚子に、井月の発句の素材や趣向が真似られていた事実。俳諧・和歌研究者、俳人必読の書! 俳諧史に欠落した巨人の全貌を蘇らせる! “漂白の俳人”の実像と“寂びと幽玄の詩境”の本質! ●かつて芥川作家石川淳が貼った「井月は全国行脚もせず、俳諧漂泊者気取りだ」という言われなきレッテルの嘘を暴く。 ●芭蕉俳諧の本質、寂びの詩境を漂白に求め、芭蕉が唱えた「かるみ」の風体を掴んで、寂びと幽玄の詩境を得た作品群。 ●近代俳句史上の巨匠・高浜虚子に、時代の先を行く井月の発句と等類、同巣の俳句が多くあること。すなわち井月の発句の素材や趣向が、真似られていたという発見。【第1章 第2節 4井月再亡失】 ● 俳諧・和歌研究者、俳人必読の書! 井上井月研究/目次 第Ⅰ章 井月俳諧の本質と展開 9 第一節 井月の生涯 11 1 出生年 11 2 出身地 11 3 本名 14 4 出自・家柄 16 5 俳号 19 ア 少年時代と俳号井上井月 19 イ 柳の木と別号の数々 21 6 修行時代 23 ア 学殖 23 ⑴漢学 23 ⑵佐藤一斎の講義を聴講 24 ⑶京都の貞門俳諧に入門 26 ⑷貞門俳諧と新在家文字 30 ⑸貞門俳諧と古典文法 34 ⑹貞門俳諧から芭蕉俳諧へ 35 イ 墨書 37 ウ 与謝蕪村後の俳諧 40 7 長岡藩出奔 43 8 女性観と結婚 45 9 立机 47 10 戸隠神社祈願 51 11 南信濃の地に現れる 53 12 漂泊の姿 56 13 井月の嗜好と千両 64 14 信濃の風土 67 15 小学校の先生の先生となる 70 16 桃青社と日高村での蕉堂開基計画と戸籍問題 73 17 井月と京都俳壇で学んでいる伊那谷の俳人たち 75 18 第二回の東春近村での蕉堂開基計画 76 19 太政官の五榜の定の掲示 78 20 厄介附籍 79 21 塩原本家離れでの第三回目の蕉堂開基計画と開基披露句集編纂作業 85 22 聟養子口上書 89 23 井月の最期 90 24 門人によって『余波のみづくき』開板される 93 25 井月の墓 95 第二節 井月忘失と発掘 98 1 井月忘失 98 2 井月発掘 100 3 井月に私淑した山頭火 109 4 井月再忘失 111 5 井月再発掘 123 第三節 井月俳諧の骨格 128 1 行脚(漂泊)地と俳人の確認 128 ⑴ 信濃(長野県)外の俳諧行脚(漂泊)先の俳人数とその確認 128 ⑵ 信濃(長野県)内の俳諧行脚(漂泊)先の門人数とその確認 130 ⑶ 井月と交流のあった全俳人、全門人の分布表 132 ⑷ 井月と交流のあった全俳人、全門人、及びゆかりの場所等 132 2 井月の俳諧之連歌(連句)の姿 133 3 井月の発句の姿 138 ⑴ 漂泊の境涯の句 139 ⑵ 詠史の句 141 ⑶ 挨拶の句 143 ⑷ 主観の句 145 ⑸ 酒興の句 146 ⑹ 茶屋遊びの句 148 ⑺ 「てにをは」活用の句 149 ⑻ 井月が学びとった芭蕉俳諧の「かるみ」の風体 151 ア 門人に書き与えた芭蕉の発句、俳文 151 イ 門人に書き与えた早川漫々の俳文 154 ウ 「かるみ」への芭蕉の心残り 156 エ 井月が辿り着いた「かるみ」の寂びと幽玄 157 第Ⅱ章 井月作品鑑賞 165 春の部 166 夏の部 174 秋の部 183 冬の部 193 新年の部 200 第Ⅲ章 難解句解説 203 春の部 204 夏の部 211 秋の部 221 冬の部 227 新年の部 232 第Ⅳ章 井月の著作 237 1 句集 238 2 日記 238 3 小文章 239 4 起請文 240 5 書簡 240 6 墨書 243 第Ⅴ章 井月と交流のあった全俳人、全門人、及びゆかりの場所等 245 1 全国行脚で交流のあった俳人たち 246 2 門人――信濃(長野県)の俳人たち 261 3 人格的信頼関係の人々 335 4 漂泊の中で誼みを交わした人々 339 5 酒店や茶店や宿屋等 342 6 奉額の神社仏閣等 344 7 漂泊の中で休んだ小堂等 345 8 ゆかりのあった神社仏閣等 346 第Ⅵ章 四人の井月発掘者の肖像 349 年譜 353 主な参考文献 370 全国行脚略図 376 あとがき 377 井月発句・和歌索引 381