森田療法 (講談社現代新書)
不安や葛藤を「あるがまま」に受け入れ、すこやかな自己実現を目指す――誰もが実践できるメンタル・ヘルスのヒント! 他人の視線に怯える対人恐怖症。強迫観念や不安発作、不眠など、心身の不快や適応困難に悩む人は多い。こころに潜む不安や葛藤を“異物”として排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れ、「目的本位」の行動をとることによって、すこやかな自己実現をめざす森田療法は、神経症からの解放のみならず、日常人のメンタル・ヘルスの実践法として有益なヒントを提供する。(講談社現代新書) 「あるがまま」を受け入れる――。 がんに冒された筆者が死の直前まで語り綴ることで生まれた 不朽のロングセラー。 90年前に日本で創始された心理療法の論理と実践法を わかりやすく解説。 たとえば、苦手な上司と面接しなければならないとき、 自分の構想をよりよく披瀝しようと考える一方で、 あの上司は苦手だからなんとかその場を繕って 逃げていしまいたいという考えも浮かぶ。 誰にでもある「逃避欲求」を「あるがまま」にして、 「自己実現欲求」を止揚していこうとするところに、 西欧の精神療法とは異なった森田療法の特殊性がある。 --------------------------------------------- 学校での人間関係、会社での問題の対処の仕方、 家族・社会とのかかわり、不安と劣等感、ノイローゼ、対人恐怖……。 本書は、現実的な生活のなかで起こってくる さまざまな心理的事象に対処するために、 森田正馬が編みだした独自の理論と実践例をわかりやすく紹介し、 心の健康を保つためのヒントを提供、非常に役立つ内容となっている。 ------------------------------------------------- 【おもな内容】 はじめに――「森田療法」とは何か 1 森田療法の基礎理論 2 神経質(症)のメカニズム 3 神経質(症)の諸症状 4 神経質(症)の治し方 5 日常に生かす森田療法 おわりに――生と死を見つめて 「最後の自由」――追悼・岩井寛先生――松岡正剛 はじめに――「森田療法」とは何か 1 森田療法の基礎理論 「生の欲望」と人間/人間心理の発達過程/「生の欲望」の二面性 2 神経質(症)のメカニズム 神経質(症)者の性格/「ヒポコンドリー性基調」とは何か/「精神交互作用」について/「とらわれ」の心理/「はからい」の行動 3 神経質(症)の諸症状 神経質(症)とは何か/神経質(症)の類型/強迫観念(強迫神経症)/不安神経症(発作性神経症)/普通神経質 4 神経質(症)の治し方 入院療法と外来療法/「精神交互作用」を打破する/「とらわれ」と「はからい」からの脱却/「あるがまま」と「目的本位」/自己実現と自己陶冶 5 日常に生かす森田療法 成就した「あるがまま」体験/私にとっての森田療法/「あるがまま」の本質 おわりに――生と死を見つめて