歴史は現代文学である―社会科学のためのマニフェスト―

イヴァン・ジャブロンカ
名古屋大学出版会
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文学的ゆえに科学的? 真実と物語のあいだで揺れ動き、その意義を問われてきた歴史。ポストモダニズムの懐疑を乗り越えた後で、いかにして「歴史の論理」を立て直すことができるのか。自らの実践に基づき、社会科学と文学の手法を和解させ、歴史記述を刷新するための挑戦の書。『メタヒストリー』以後の新たな歴史論であり、好評既刊『私にはいなかった祖父母の歴史』の姉妹編。 序 説      歴史を書く      現実についての文学      研究としてのテクスト   第Ⅰ部 大いなる離別 第1章 歴史家、弁論家、作家      悲劇としての歴史      雄弁としての歴史      賛辞としての歴史      宮廷史に抗して      作家と文学の誕生      歴史あるいは「第三の教養」 第2章 小説は歴史の父か      シャトーブリアンと歴史としての叙事詩      スコットと歴史小説      真理をめぐる戦い      創造者としての歴史家      バルザックと道徳科学 第3章 科学としての歴史と「文学という黴菌」      自然主義の方法      科学としての歴史の登場      客観的モード      見者と大学教授の対立      忘れられた二千年      テクストならざるものの誕生      社会科学と「生」 第4章 抑圧された文学の回帰      ナラティヴィスムの「スキャンダル」      「レトリックの転回」      文学の「誘惑」      離婚ののち   第Ⅱ部 歴史の論理 第5章 歴史とは何か      真理の効果      ミメーシスからグノーシスへ      人間が行うことを理解する      原因の説明と理解      世界の整理 第6章 科学としての歴史を書く作家たち      ヘロドトスの論理      アリストテレスとキケロのレトリック      16世紀における科学としての歴史      1690年の精神      真理についての怒り 第7章 真理陳述の作業      距 離      調 査      比 較      証 拠      反 駁      真理についての記述 第8章 方法としてのフィクション      フィクションの地位      啓示としてのフィクション      離 反      信憑性      概念と理論      叙述の手法      フィクションを活性化する   第Ⅲ部 文学と社会科学 第9章 ノンフィクションから真理としての文学へ      管轄外地域      ポスト=レアリスム      ノンフィクション文学      フィクション      事実に基づくもの      文学的なもの      文学と真実の探究 第10章 歴史は拘束された文学なのか      規則は解放する      文体の豊かさ      注の偉大さと悲惨さ      注なき証拠      社会科学の現代化 第11章 研究としてのテクスト      研究者の状況      方法としての「私」      調査を物語る      透明性と有限性      反省的モード 第12章 21世紀の文学について      調査あるいは脱専門化の時代      新たなキケロ主義のために      反=文学      機は熟した      抵抗の精神  謝 辞  訳者あとがき  注  作品名索引  人名索引

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