現代アフガニスタン史 -国家建設の矛盾と可能性- (世界歴史叢書)

嶋田 晴行
明石書店
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アフガニスタンは元々「国家」としてのまとまりがある領域ではない。ではなぜ欧米や日本は国家建設を支援してきたのか? にもかかわらず、なぜその試みは成功しないのか? 外部の理念と当地の現実の乖離を浮き彫りにし、外部の関わりを本質から問う画期的な著。 序章  はじめに  1 国家そして国家建設とは  2 開発援助――第二次世界大戦後の歴史と思想の変遷  3 アフガニスタンを支援する理由――それぞれの背景と事情  4 本書の構成および各章の概要 第1章 「国家」としてのアフガニスタンの形成――内発性と外部からの要求  はじめに  1 アフガニスタンという「国家」の形成過程とその前提  2 大国(英国とロシア)の影響下での「国家建設」  3 パシュトゥーン人のアフガニスタンと非パシュトゥーン人の視点  4 ソ連への警戒と他国への接近  5 冷戦期のアフガニスタンの価値――米国の無関心から冷戦下の援助競争へ  6 「ヘルマンド開発」に見る米国の支援と失敗  小括 第2章 国家建設に向けての合意と計画――その役割と限界  はじめに  1 ポスト・コンフリクトの国家建設――合意と計画の意義とその問題点  2 国家再建の契機――9・11後の米国による攻撃からタリバーンの撤退まで  3 ボン合意とその問題点――国連と米国の「軽い関与」  4 援助潮流の変遷と「計画」の位置づけ  5 アフガニスタンの国家建設と開発計画――外部からの要請と依存  小括 第3章 国家建設支援と援助の「非」効率性――2001年以降のアフガニスタン支援を例に  はじめに  1 援助としての国家建設――様々な論点  2 アフガニスタン政府の財政と治安維持の外部依存  3 多様な援助と限界――より多く、より広く  小括――効率性向上に起因する「非」効率性 第4章 「国際社会」におけるアフガニスタンと「アフガニスタン問題」――「ミドルパワー」の対アフガニスタン支援を通して  はじめに  1 「ミドルパワー」をめぐる議論  2 カナダに見る外交理念の追求とその代償  3 ドイツとトルコとの関係の歴史――ドイツの関与を中心に  4 トルコ――エスニックな紐帯と東西の「架け橋」としての役割  5 日本と対アフガニスタン支援――米国とアフガニスタンの間で  小括 終章 アフガニスタンへの悲観と希望――歴史の教訓から  注  参考文献  あとがき  索引

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