生活保護リアル
急増する生活保護者。生活保護制度を解説するとともに、取材を通して、受給者や生活保護に係わる人々の「ありのまま」の姿を描く。 はじめに<br><br>第1章 生活保護制度とはなんだろう?<br><br> 生活保護はどうなったら利用できるのか?<br> 生活保護を利用するにはどうすればよいのか?<br> どのような人が生活保護を利用しているのか?<br> 生活保護受給者は「働けるのに働かない?」<br> 生活保護費の内容と金額決定のメカニズムは?<br> 生活保護に関する最大の誤解と最大の問題<br><br>第2章 妻の浮気、服役、ホームレス、そして生活保護へ<br><br> 八二歳の穏やかな日常<br> 志願して少年兵に、そして遍歴の始まり<br> 生活保護をめぐる複雑な思い<br> ギリギリのやりくりのなかで<br><br>第3章 燃え尽きた公務員ワーキングプア<br><br> 北海道の小さな町での静かな毎日<br> 離婚、非正規雇用、職場イジメ、そして生活保護<br> 「公務員ワーキングプア」が見た子どもの貧困<br> 「今は、人生の休憩時間」<br> 日常生活の中で見出す小さな希望<br><br>第4章 希望は「もう1度納税者になること」<br><br> 治療の必要性と自立への焦りの間で<br> 「生活リズムを安定させる」という課題へのひたむきな取り組み<br> 常に経済的自立を意識していた少女時代<br> 真面目に熱心に働いた末の「過労うつ」<br> アルバイトや派遣を転々とする日々<br> 精神的DVからネットカフェ難民に、そして生活保護の申請に<br> 緩やかでも確実な回復を目指して <br> 自立に向けてのステップとジレンマ<br> 「弱者でなくなるために生活保護を利用している」が<br><br>第5章 ゆるやかに、しかし着実に自立へと歩みつつ<br><br> 「食事を作っているときが一番楽しい」<br> 「保険適用のカウンセリング」から生活保護へ<br> 医師によるハラスメント<br> 自分の足での歩みが始まる<br> 攻撃の的にされる生活保護当事者<br> 精神障害の「だるさ」と回復への道のり<br> 生活保護費で必要最小限の生活を支えてほしい<br><br>第6章 働けど生活保護から脱却できない「働き盛り」<br><br> 高校中退、そして不安定就労の繰り返し<br> 「生活保護があってよかった」<br> 再就職への厳しすぎる道のり<br> 生活保護から脱出できない「正社員」待遇<br> ふたたびの求職、そして焦り<br> 日々の喜びと将来への不安<br><br>第7章 「江戸川中3勉強会」二五年目の夏<br><br> 火曜日の夕方、公営施設の集会室にて<br> 「あたりまえ」を最初から奪われている子どもたち<br> 貧困地域の中学校教員の絶望<br> 子どもたちの「あたりまえ」を取り戻すために<br> 二五歳前後まで立ちはだかる「壁」<br><br>第8章 困っている人々を支えるということ<br><br> 障害者の貧困の実態と、その背景にあるもの<br> 「普通のおじさん」として支援する立場から<br> 専門家として支援する立場から<br> 法律家としての立場から<br> いちばん切り下げやすいところから叩く<br><br>第9章 生活保護制度を支える側の素顔<br><br> 「人と暮らすところ」を感じさせる葛西駅前<br> 福祉事務所とケースワーカーの多忙な日常<br> 福祉事務所に配属されるまでの多様な経緯<br> 限られた財政力のなかで福祉に注力する江戸川区<br> 高齢化を抑制したとしても、生活保護費は抑制できない<br> さまざまな「自立」の形を支える<br> まず人間関係の構築から<br> 当事者の努力だけでは実現できない「経済的自立」<br><br>第10章 「健康で文化的な最低限度の生活」とは?<br><br> 少女と「浮浪者」たちとの出会い<br> 拒絶された「福祉の善意」<br> 「誰でもない制度」と「隣のあなた」の間で<br> 「最低限の生活」を明らかにする研究<br> 人間の生活の「基本」とはなんだろう?<br> 「働けるはずなのに昼間からブラブラしている」<br> 時代に合わせて変わるべき「貧困」概念<br><br>第11章 生活保護制度を誰がどこへ向かわせているのか<br><br> 増え続ける生活保護受給者・世帯数<br> 生活保護基準引き下げへの道<br> 「豊かな国」のなかの餓死<br> 政治家、メディア一体となった動き<br> 矢継ぎ早の改悪<br> 波状攻撃にさらされながら<br><br>参考文献