看取りの技術 平方流 上手な最期の迎えさせ方
患者に納得いく最期を迎えてもらうための“平方流”看取り方を公開。終末期ケアに自信のない医療者必読の書。 患者に納得いく最期を迎えてもらうための"平方流"看取り方を公開 患者の死に関わるすべての医療従事者必読の書 国内に数少ない緩和ケア専門病院で副院長を務める平方眞氏。緩和医療に従事するようになってから20年の間に、1500人以上の患者を看取ってきた。 その多くは癌患者だが、基礎疾患を抱えていても「最期は老衰を目指す」というのが、平方氏の診療スタンス。癌であれば苦痛症状をできるだけ緩和させつつ、大往生を目指すというものだ。 それには、症状緩和のための知識・技術はもちろんのこと、患者・家族を安心・納得・満足させるためのコミュニケーション技術が欠かせない。 本書では、迫り来る「多死社会」を意味あるものにするため、患者を「より良く看取る」ための技と心得を、終末期医療に携わるすべての医療者に向けて伝授する。 第1章 なぜ今、看取りの技術が必要なのか 1. 多死社会がやって来る 2. 「理不尽な死」を減らすために [コラム] アドバンス・ケア・プランニングとは? 3. 看取りに関わる医療者の7つの心得 (1) 死から逃げない (2) コミュニケーション能力を養う. (3) 強力なお膳立てをさりげなく (4) 予後予測の方法を知っておく [コラム] 予測不能な人間の不思議な「力」 (5) 最初の面談こそ丁寧に (6) 良い説明は事前準備から (7) 患者の「最後の希望」を叶える配慮を [コラム] 面談票の書き方の工夫 第2章 がん患者の看取りは「老衰」を目指そう 1. 理想的な死に方「老衰」を考える 2. 老衰と異なる経過で死に至る4つのパターン (1) 肝不全が出現する場合 (2) 呼吸困難が出現する場合 (3) 出血を来す場合 (4) 頭蓋内病変を伴う場合 [コラム] 急変時の家族への対応は 3. 看取りの手順 ~私の工夫~ 第3章 こんなとき、私はこう対応している ~納得できる説明の工夫~ 1. 「悪い知らせ」の伝え方 [コラム] がんの病名告知には細心の配慮を 2. 「老衰」を阻むつらい訴えに対応する (1) 疼痛.115 (2) 全身倦怠感 (3) 呼吸困難 (4) 食欲不振 (5) 悪心・嘔吐 (6) 腹水 (7) 消化管閉塞 (8) せん妄 (9) 肝性脳症による意識障害. [コラム] インフォームドコンセントの落とし穴 3. 患者・家族の悩みや質問にどう答える? ● 患者の不安を和らげ望みに応える 「治療がうまくいかず、全て裏目に出てしまった」 「抗がん剤はやらない方がよいのか?」 「私はもう長くないのですね」 「これまでできたことができなくなってきて、悔しい」 「もう十分生きたから、そろそろ死なせてほしい」 「最期は自宅で過ごしたい」 ● 家族の不安や悲嘆に対応する 「こんなに痩せてしまって、かわいそうだ」 「私たちがいても、いるだけで何もできない」 「順番が違う。私が先に死ぬべきなのに」 「こんなみじめな状態で生きているのは 本人も望んでいなかった」 「どうしてこんな状態なのに入院させないのか」 「皆でついていたのに、なぜ最期を 看取れなかったのか」 「亡くなったのに何かホッとしている」 巻末付録 ~病状と今後の見通しを説明する~ 「面談票」の記載例