社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門(叢書・ウニベルシタス) (叢書・ウニベルシタス 1090)
主体/客体の二分法を超え、脱中心的なネットワークとして社会を記述する画期的な方法論を、提唱者であるラトゥール自身が解説する。 主体/客体、人間/自然といった二分法を超え、脱中心的なネットワークとして社会を記述する画期的な方法論を、提唱者であるラトゥール自身が解説する入門書。 主体/客体あるいは人間/自然といった近代的世界認識を超え、脱中心的なネットワークとして社会を記述するアクターネットワーク理論。アーリ、ラッシュら多くの社会学者に影響を及ぼし、技術社会論、情報論、経営学、地理学、人類学、哲学、アートにもインパクトを与えた方法論を、提唱者であるラトゥール自身が解説する。現代の知見をふまえてアップデートされたラトゥール社会学の核心。 謝 辞 序章──連関をたどる務めに立ち帰るには 第Ⅰ部 社会的世界をめぐる論争を展開させるには はじめに──論争を糧にすることを学ぶ 第一の不確定性の発生源──グループではなく、グループ形成だけがある グループ形成が残す痕跡のリスト ノー・ワーク、ノー・グループ──働きかけがなければ、グループはない 媒介子 対 中間項 第二の不確定性の発生源──行為はアクターを超えてなされる 〈アクターが行為する〉ように他の多くのものがしている 実地に根ざした形而上学を探究する エージェンシーをめぐる論争を地図に示すためのリスト 誰かに何かをさせる方法 第三の不確定性の発生源──モノにもエージェンシーがある 働いているアクターの種類を増やさなくてはならない モノを行為の進行に与するものにする モノはところどころでしか痕跡を残さない モノの活動が簡単に可視化される状況のリスト 権力関係を忘却してきたのは誰なのか 第四の不確定性の発生源──〈厳然たる事実〉対〈議論を呼ぶ事実〉 構築主義 対 社会構築主義 科学社会学の幸いなる難破 社会的説明は必要ない 翻訳 対 移送 経験には目に映る以上のものがある 〈議論を呼ぶ事実〉を展開するのに資するリスト 第五の不確定性の発生源──失敗と隣り合わせの報告を書きとめる テクストを書くのであって、窓ガラスを通して見るのではない ついにネットワークが何であるのかを定義する 基本に帰る──ノートのリスト 批判ではなく、展開 アリ/ANTであることの難しさについて──対話形式の幕間劇 導入──消極的な理論と積極的な理論 ネットワークと、記述の重要性について 解釈的なパースペクティブと客観主義的なパースペクティブについて 相対主義、ANT、コンテクストについて 文字による記述、作り話、論文について 痕跡を残さないアクターと、研究から学ぶ必要のないアクターについて 反省性と説明について 構造主義とANTの果てしない隔たり 科学、権威、意義について 第Ⅱ部 連関をたどり直せるようにする はじめに──社会的なものをたどることは、なぜ難しいのか? 社会的なものをフラットな状態に保つ方法 第一の手立て──グローバルなものをローカル化する パノプティコンからオリゴプティコンへ パノラマ 第二の手立て──ローカルなものを分散させ直す 分節化、ローカル化の装置 対面的な相互作用という場の怪しさ プラグイン アクターから、分かちがたい結合へ 第三の手立て──複数の場を結びつける 規格から収集型の言表へ ついに媒介子 プラズマ──ミッシング・マス 結章 社会から集合体へ──社会的なものを組み直すことは可能か どのような政治認識論なのか? 数あるなかの一学問分野 政治の異なる定義 訳 註 訳者あとがき 文献一覧 事項索引 人名索引