よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)
先生や子どもたちがファシリテーターになると授業がとても楽しくなる。クラスが成長する「信頼ベース」の授業の進め方を紹介。 教師も子どももファシリテーターとなるクラスではお互いの信頼に支えられ授業をつくっていく。第1~第5までのステップに分け、小学校国語をはじめ、社会、理科、算数など著者のほか各地の授業事例を紹介しながら提案する。 先生や子どもたちがファシリテーターになると、教室に豊かな言語活動が育まれ、授業がとても楽しくなります。 子どもやクラスが成長する「信頼ベース」の授業の進め方を小学校国語、算数の授業事例などを用いて紹介します。 カラー口絵「信頼ベースの授業の進め方」 はじめに 取り扱い説明書 信頼ベースの授業 5つのステップ表 信頼ベースのクラスとは ●岩瀬直樹の授業 ①教科書に「拍手が起こる」国語 ②手を伸ばせば「物語」のある教室 ③学びの中核は対話 ④言語活動が加速するホワイトボード・ミーティング ⑤子どもたちがつくり始める学びのメインストリーム ⑥遊ぶように学び、学ぶように遊ぶ 基本的な準備物 ●信頼ベースの授業コンセプト ①信頼ベースの授業 5つのステップ 1.教室に豊かな言語活動の環境を育みます 2.信頼ベースの授業──3つの成長チャレンジと5つのステップ 3.子どもたちと先生は3つの成長にチャレンジします 4.6つの技術で学びの環境をつくります 5.特に会社活動で、子どもたちの表情が変わります ②プログラムデザイン「授業を進める6つのポイント」 1.一斉授業とファシリテーション型授業 2.学びのフレームと学びのサイクル 3.単元と授業のプログラムデザイン 4.ホワイトボード・ミーティングで「プログラムデザイン会議」 5.授業を進める6つのポイント ①学びのゴールと価値のインストラクションを共有 ②全体の流れ(見通し)と進め方、評価基準の共有 ③活動とドキドキワクワクのチャレンジ(学び合い) ④観察とカンファランス、レクチャーの繰り返し ACT1 観察とカンファランスを練習しよう! ⑤学びの成果共有と価値のフィードバック ⑥振り返り ③授業でついやってしまう、よくある失敗 ACT2 シートントンキャンペーン ACT3 ハイタッチバリエーション ④信頼ベース × ○○の提案 信頼ベース × 協同学習……阿部隆幸さん ●言葉や態度を翻訳する「子ども理解」の技術を磨く ①「子ども理解」の技術を磨こう 1.心の体力が冷えると強く、激しくなる問題行動 2.不安な気持ちを翻訳して、安定的に受け止めます 3.愛情確認行動の対象は、特別の契約を結んだ相手です 4.承認欲求行動はクラスなど不特定多数が対象になります 5.状況が厳しいときほど、価値のフィードバックが大事です ②学級崩壊前後の取り組み方 1.学級崩壊前後の提案 2.担任がメンタルダウンしたときの介入方法の例 ③自分も友達も、授業で成長するクラス 1.何気ない毎日に、物語や成長が積み重なります 2.満たされた公平性と対等性の上に成り立つ多様性 3.学びの多様性が子どもたちの個性を引き出します 4.一緒に練習をしていきましょう! ACT4 教職員のためのファシリテーター度 10のチェックシート ACT5 ファシリテーターのかかわりスキル10か条 ●信頼ベースの授業 第1ステップ ①振り返りジャーナル ②絵本の対話型読み聞かせ ③会社活動 ④教室リフォームプロジェクト ⑤ミニホワイトボード ACT6 ○×クイズ ACT7 教室のあちこちで、ミニホワイトボードで対話 ミニホワイトボードの実践……石川晋さん ⑥プロジェクト・アドベンチャー プロジェクト・アドベンチャーの実践……甲斐崎博史さん ⑦クラス目標決定 ●信頼ベースの授業 第2ステップ ①オープン・クエスチョンの練習 ②ペアで聴きながらホワイトボードに書く 1.教室に多様な「承認し合う関係」を育みます 2.最初はミニホワイトボードからスタートして進化しよう! 3.ペアで聴きながら書く効果はスゴイ! 4.大事な約束「言いたくないことは、言わなくていい」 5.「聴きながら書く」に慣れてきたら、授業に活用します ③意見発表にチャレンジ「『今の自分』を話します」(小学4年国語/東京書籍) 1.学びのゴールと価値のインストラクションを共有 2.全体の流れ(見通し)と進め方、評価基準の共有 3.活動とドキドキワクワクのチャレンジ(学び合い)──振り返りまでの様子 ④わたしの構成要素 ⑤好きなおかしベスト5 ●信頼ベースの授業 第3ステップ ホワイトボード・ミーティング活用例 ①「学級新聞を作ろう」(小学4年国語/教育出版) 1.学びのゴールと価値のインストラクションを共有 2.全体の流れ(見通し)と進め方、評価基準の共有 3.活動とドキドキワクワクのチャレンジ(学び合い) 4.観察とカンファランス、レクチャーの繰り返し 5.学びの成果共有と価値のフィードバック 6.振り返り ●信頼ベースの授業 第4ステップ~第5ステップ 1.「学びのサイクル」でいろんな教科が豊かになります 2.学びのフォーメーションと3つの成長チャレンジが連動します 3.カンファランスとレクチャーの充実が学び合いを促進します ①社会「江戸の文化と新しい学問」(小学6年/東京書籍) ②理科の進め方 ③算数の進め方 1.算数は積み重ねの教科です 2.チャレンジの環境設定をします 3.「構成的」から「非構成的」な学びのフォーメーションへ ④算数「小数のかけ算とわり算を考えよう」より(小学4年/東京書籍) ⑤算数「三角形のなかまを調べよう」(小学3年/東京書籍) 1.学びのゴールと価値のインストラクションを共有 子どもたちとつくる価値のインストラクション……加藤健さん 2.めざそう!三角形マスター「三角形のなかまを調べよう」 3.活動とドキドキワクワクのチャレンジ(学び合い) ⑥算数「図形の角を調べよう」(図形の角)(小学5年/東京書籍)授業案の一例 1.学びのゴールと価値のインストラクションを共有 2.単元の見通しと評価基準 3.活動とドキドキワクワクのチャレンジ(学び合い) 4.観察とカンファランス、レクチャーの繰り返し 5.学びの成果共有と価値のフィードバック 6.振り返り ⑦子どもたちが「自分の学び」をデザインする自主学習ノート 自主学習ノートの進め方……伊垣尚人さん ⑧第5ステップのクラスの様子 主な参考文献 おわりに