地形と日本人: 私たちはどこに暮らしてきたか
自然災害が頻発する地域は地形でわかる。堤防を築くと水害が起きる。河道や海岸線、山裾は動く――。大災害時代に学びたい必須知識。 歴史地理学が教える、大災害時代の必須教養 ・河川が平野の地形をつくった ・9世紀の平安京にあった堤防見廻り役 ・堤防をつくると災害が起きる ・古くからの集落が微高地にある理由 ・なぜ川沿いに住宅団地や工場が集まったのか ・山崩れや地滑りが起こりやすい地域とは ○本書は、私たちが暮らす場所の地形にはどのような特性があって、どう変化してきたのかについての見方を紹介する歴史地理学入門。近年各地で発生している水害や地形災害は、単に地球温暖化や異常気象だけで説明できない。どこで、どのように災害が発生しているのかについて理解を進めるために、地歴、地形環境やその歴史的改変の知識が欠かせない。 〇日本人の大半は平野に居住している。そもそも平野は川によってつくられた。平野は、扇状地・自然堤防・後背湿地・氾濫平野・三角州などに分類でき、後背湿地や氾濫平野は、主に水田に利用され、集落は自然堤防沿いにつくられてきた。 〇近年相次ぐ大型台風による洪水や山崩れは、地形的に災害の発生しやすい低地や地盤の弱いエリアに集中して発生している。本書は過去の日本人の土地との付き合い方、地形環境の改変の歴史を豊富な事例とともに紹介、大災害時代の必携教養として伝えたい。 第1章 歴史地理学は「空間と時間の学問」 第2章 河川がつくった平野の地形 第3章 堤防を築くと水害が起こる 第4章 海辺・湖辺・山裾は動く 第5章 崖の効用、縁辺の利点 第6章 人がつくった土地 第7章 地名は変わりゆく 第8章 なぜそれはそこにあるのか--立地と環境へのまなざし