愛の心理学

ロバート・スタンバーグ
北大路書房
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愛の本質について第一級の研究者がまとめた最良のパースペクティブ。生物学的視点(進化論,愛着行動,選択の神経メカニズム),社会的視点(類型論,意味論,複式理論,協働関係),文化的視点(異文化比較,個人主義-集団主義,など)を網羅し,諸理論の特質と相互関係について整理する。「愛」の研究上の必読書。 訳者まえがき 原著者まえがき ●1章 序論  1 パートⅠ:生物学的理論  2 パートⅡ:愛の分類学  3 パートⅢ:愛の暗黙理論  4 パートⅣ:愛の文化的理論  5 結論 パートⅠ:生物学的理論 ●2章 愛についてのダイナミックな進化論的な見方  1 本能,心のモジュール,および領域特定性   1.モジュール方式という現在の見方   2.社会生活の領域  2 愛は社会領域のどこにはまるのか?     ひと揃いの意思決定バイアスとしての愛     愛と対人ダイナミックス     社会的ダイナミックスと文化的規範  3 結論 ●3章 ロマンティック関係への行動システム・アプローチ:愛着,世話,および性  1 愛着としての愛  2 愛着,世話,および性行動システムの動作パラメータ   1.愛着行動システム  3 世話行動システム  4 性行動システム  5 測定の問題  6 ロマンティック関係内の愛着,世話,および性  7 愛着,世話,および性システム間の相互影響     愛着と世話     愛着と性  8 相互依存関係についての行動システム的な見方  9 結論 ●4章 愛の進化論  1 愛の普遍性  2 愛という心理的デザインの性差     コミットメント装置としての愛     愛の園に潜む裏切り者  3 危険な情熱  4 愛が終止符を打つとき  5 結論 ●5章 愛する動因:連れ合い選択への神経メカニズム]  1 性欲,魅力,愛着:愛のための3つの脳システム  2 ロマンティックな愛のfMRI研究  3 愛する動因  4 ロマンティックな愛の進化:「配偶選択」のための脳ネットワーク  5 ロマンティックな愛拒絶についての生物学  6 抗議:ロマンティックな愛拒絶後の最初の段階  7 あきらめ/絶望:ロマンティックな愛拒絶後の第2段階  8 ロマンティックな愛:脳システムの組み合わせ  9 愛は続くのか?  10 ロマンティックな愛:中毒(耽溺)か?  11 個々人の多様なロマンティックな愛  12 情欲,ロマンス,および愛着:相互作用  13 連続単婚と不貞の生物学的土台  14 変わりやすいがいつまでも続く愛の性質 ●6章 愛着と絆形成の生物行動モデル  1 哺乳類の絆形成行動と絆維持行動     親としての世話     母親としての行動     哺乳類間の差異  2 哺乳類の絆形成についての生物学     脳回路とホルモンの影響     遺伝的決定因と初期環境の影響  3 人類における初期経験,リスク,および回復力  4 初期の介入が親としての敏感さと子どもの安定型愛着を高める  5 結論    パートⅡ:愛の分類学 ●7章 ラヴ・スタイル類型論  1 愛をラヴ・スタイルとして定義すること  2 愛の理論としてのラヴ・スタイル     ラヴ・スタイル理論の概念を作りあげる     ラヴ・スタイルを測定する     愛態度尺度が測定するもの  3 ラヴ・スタイルを用いた研究     ラヴ・スタイルと恋に落ちること     ラヴ・スタイルを用いた研究:個人内要因・対人要因・社会構造的要因     個人:ラヴ・スタイルとパーソナリティ     対人的要因:ラヴ・スタイルとセクシャリティ     社会構造的要因:ラヴ・スタイルとデモグラフィック特徴     愛と満足感     尊敬と愛と対人関係     愛着理論の観点に立つラヴ・スタイルの批評  4 ラヴ・スタイルと他の愛の理論それぞれとの関係     理論の比較     愛の測定尺度の比較  5 ラヴ・スタイルと現実の世界:理論から実践へ ●8章 「愛」の意味を求めて  1 愛の概念を作ることの問題  2 愛というものについてのさまざまな分類論  3 愛(単数形もしくは複数形)についての複数の理論  4 複数の愛についての1つの分類論     愛着の愛     慈愛     友愛/好意     ロマンティックな愛     ロマンティックな愛の研究における欲情の問題  5 まとめ ●9章 愛の複式理論  1 構造の下位理論:愛の三角理論     愛の3要素     愛の種類     愛の三角形の幾何学     愛の三角形のさまざま     データ  2 発達の下位理論:物語的観点による愛の理論     物語の種類     物語の側面     データ  3 結語 ●第10章 共同関係的な応答性のやりとりという愛  1 共同関係的な応答性とは何か  2 愛が共同関係的な応答性というかたちで対人関係を特徴づけているかどうか,どうすればわかるのか  3 質の高い愛の関係を特徴づけるのはどのよう対人関係過程なのか  4 応答性がそれほどまでに重要なのはなぜか  5 無条件の応答性の重要性     応答性を無条件に受容すること     同じコインの反対側:応答性を誘い出す  6 どれくらいの応答性が必須なのか:どれくらいの欲求が明らかにされるべきなのか  7 確実性の重要さ  8 自分の共同関係的な階層制に自己を位置づけること  9 さまざまなレヴェルの共同関係的な対人関係の数     何が理想で何が現実か  10 相手が共同関係的な応答性をもっているであろうと知覚する傾向に個人差があることの重要性  11 共同関係的な応答性を促進するものは何か     信頼こそが中心である  12 1人の人物がもつ共同関係的な対人関係のより広いネットワークの性質  13 対人関係や愛を高めるどのような過程が信頼によって生み出されるのか  14 信頼の欠如によって共同関係的な応答性はどれくらい悪くなるのか  15 要約と結語    パートⅢ:愛の暗黙理論 ●11章 愛の研究へのプロトタイプ・アプローチ  1 愛とは何か?     専門家の答     一般の人々の答  2 愛という概念の文化差および個人差     愛という概念の文化差/類似性     愛のプロトタイプの個人差  3 愛についての素人の概念の研究と関連する他のアプローチ  4 プロトタイプに基づいた愛の測定  5 愛のプロトタイプの関係意味  6 プロトタイプ・アプローチの長所と短所     プロトタイプ分析は我々に何をもたらしてくれるのか?     プロトタイプ・アプローチの限界    パートⅣ:愛の文化的理論   ●第12章 進化論的および異文化比較的観点からみた愛:ジェンダー,パーソナリティ,および地域環境がロマンティックな関係における情緒的投資に及ぼす影響  1 愛における個人差  2 愛における文化差  3 愛における性差  4 国際セクシャリティ記述研究プロジェクト     ISDP参加国を通じた愛におけるパーソナリティの差     ISDP参加国を通じた愛の文化差     ISDP参加国を通じた愛の性差  5 性,パーソナリティおよび文化と愛との関係に関する結論 ●第13章 熱愛:異文化比較および進化論的な見方  1 熱愛と性的欲望に影響する文化的要因     文化と愛の意味     人類学的観点     文化的観点     本節の終わりに  2 性嫌悪の発達:血縁感知と嫌悪の情動     淘汰圧と近親交配回避システムの進化     近親交配の低下の効果  3 近親相姦回避のメカニズムの構成要素     血縁感知のためのシステム     性嫌悪を導く認知的プログラム:嫌悪の情動     結語として ●第14章 個人主義,集団主義,および愛の心理学  1 個人主義と愛  2 集団主義と愛  3 文化的文脈と愛の心理学    ●15章 結び:愛の理論のそれぞれの特質と相互関係  1 さまざまな愛のスタイルの統合     生物学的理論に基づく観点     愛の分類学     プロトタイプ分析とさまざまな種類の愛     これらさまざまな種類の愛の分類は何の役に立つのか?  2 文脈,パーソナリティ,および時間の影響     愛に及ぼす文化の影響  3 目的を達成するためのメカニズム  4 今後の研究 引用文献 邦訳文献 人名索引 事項索引 あとがきに代えて

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