日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか
近年の知的財産・著作権問題の顛末を追い、その核心にせまる、熱き緊急レポート。 秘密交渉の内にすべてが変わってしまう前に!! 米国からの年次改革要望書、フェアユース、違法ダウンロード刑事罰化、ACTA、TPP、五輪エンブレム問題など、近年の知的財産・著作権問題の核心にせまる、熱き緊急レポート! 『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(2011年)に続き、すべての日本人必読。 「本書は、TPP大筋合意にともなう著作権法改正の急激な動きと、二〇一六年夏の参議院議員選挙に向けての「緊急出版」だと、わたしのなかでは位置付けている。…本書では、日本の著作権法をもっと厳しくしていった主なアクターとして、権利者団体に加えて米国政府(とりわけ通商代表部)と日本の国会議員・官僚にフィーチャーした。「日本版フェアユース」を葬り、違法ダウンロードを刑事罰化し、ACTAで著作権法を厳しくし、TPPでさらに厳しくしようとしている原動力が、彼らであったことを読者は知っただろう。」(あとがきより) 序章 第1章 米国からの注文書――「年次改革要望書」 「年次改革要望書」と著作権/保護期間の延長問題/映画盗撮防止法/ 違法ダウンロード違法化・刑事罰化/実現したこと・しなかったこと/ 非親告罪化と法定損害賠償 第2章 米国を夢みた残がい――「日本版フェアユース」 フェアユースとは/はじまりはどこに?/浮上した対立点/議論は文化審議会へ/ 反撃開始/限定されていった問題点/再度のヒアリングへ/そして骨抜きに 第3章 ロビイングのままに――違法ダウンロード刑事罰化 違法ダウンロード「違法化」のおさらい/俳優の義侠心/ロビイング/三党合意/ 巻き起こった反対/採決へのシナリオ/本当の被害額は?/「良識の府」とは/ 参考人の意見/パージと可決/「祭り」のあと 第4章 秘密交渉の惨敗――ACTA ACTAの淵源/秘密交渉にしたのは誰か/欧州の懸念/ リーク文書から読み取れること/大筋合意から法改正へ/欧州からのレッドカード/ 海賊党の存在/何が問題だったのか/国民の無関心/「祭り」から批准へ 第5章 秘密交渉リターンズ――TPP 何が問題なのか/いつ何を譲歩したのか/戦時加算の解消は/ 違法ダウンロード「違法化」の拡大?/韓国の経験/前のめり 附章 ネット権力の「法」――五輪エンブレム問題 西部の墓場で/栄光と暗雲/ネットの目、プロの目/埋められていった外堀/ 取り下げ/問題の深層/ネット権力とどう向き合うか あとがき 附録1 著作権法抜粋 附録2 「年次改革要望書」「日米経済調和対話」著作権関連主要部分抜粋 附録3 TPP著作権関連主要部分抜粋 主要人名索引