現代存在論講義I—ファンダメンタルズ

倉田剛
新曜社
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◆哲学の究極の問いに挑む  世界にはいったい何が存在するのか。この哲学を代表する問いを扱う存在論は、いまや躍進を遂げています。古代・中世にあっては思弁と自然言葉を頼りに進められていた存在論ですが、現代では論理学を武器とすることで、高度に抽象的な概念を明晰に扱うことに成功し、工学などの分野にも影響を与えるような熱気のある学問へと新生しているのです。学生と教員との対話を織り交ぜ、存在論初心者から哲学愛好家まで、存在論の最先端へと招待する待望の本格教科書の登場です。著者は九州大学文学部准教授。 現代存在論講義 I 目次 序 文   本書の成立とスタイル   本書の主題   本書を世に問う理由─なぜ『現在論在論講義』なのか   著者の立場─暗黙の前提 第一講義 イントロダクション─存在論とは何か 1 何が存在するのか   1.1 「何が存在するのか」から「どのような種類のものが存在するのか」へ   1.2 性質と関係   1.3 物とプロセス   1.4 部分と集まり   1.5 種という普遍者   1.6 可能的対象および虚構的対象 2 存在論の諸区分   2.1 領域的存在論と形式的存在論   2.2 応用存在論と哲学的存在論   Box 1 表象的人工物としての存在論─存在論の可能な定義   2.3 形式的存在論と形式化された存在論   2.4 存在論の道具としての論理学   Box 2 同値、分析あるいは存在論的説明について   2.5 存在論とメタ存在論 まとめ 第二講義 方法論あるいはメタ存在論について 1 存在論的コミットメントとその周辺   1.1 世界についての語りと思考   1.2 存在論的コミットメントの基準   Box 3 すべてのものが存在する?!─存在の一義性について   1.3 パラフレーズ   Box 4 “No entity without identity”─クワイン的メタ存在論の否定的テーゼ 2 理論的美徳─「適切な存在論」の基準について   2.1 単純性   2.2 説明力   2.3 直観および他の諸理論との整合性 3 非クワイン的なメタ存在論   3.1 虚構主義   3.2 マイノング主義   3.3 新カルナップ主義   Box 5 カルナップと存在論 まとめ 第三講義 カテゴリーの体系─形式的因子と形式的関係 1 カテゴリーと形式的因子   1.1 カテゴリーの個別化─形式的因子   1.2 存在論的スクエア 2 形式的関係   2.1 4カテゴリー存在論における形式的関係   2.2 存在論的セクステットと形式的関係   Table 1 主要な形式的関係のまとめ まとめ 第四講義 性質に関する実在論 1 ものが性質をもつということ   1.1 何が問われているのか   1.2 存在論的説明あるいは分析について   1.3 実在論による説明 2 実在論の擁護   2.1 分類の基礎   2.2 日常的な言語使用   2.3 自然法則と性質 3 ミニマルな実在論   3.1 述語と性質   3.2 否定的性質   3.3 選言的性質   3.4 連言的性質と構造的性質   3.5 付録:高階の普遍者について   Box 6 アームストロングへの疑問 まとめ 第五講義 唯名論への応答 1 クラス唯名論   1.1 クラスによる説明   1.2 例化されていない性質および共外延的性質の問題   1.3 クラスの同一性基準と性質   1.4 すべてのクラスは性質に対応するのか 2 類似性唯名論   2.1 類似性の哲学   2.2 類似性唯名論への反論 3 述語唯名論   3.1 正統派の唯名論   3.2 述語唯名論への反論 4 トロープ唯名論   4.1 実在論の代替理論としてのトロープ理論   4.2 トロープの主要な特性とそれにもとづく「構築」   4.3 トロープ唯名論のテーゼとそれへの反論   Box 7 トロープへのコミットメントを動機づける理由   4.4 実在論との共存 まとめ 結語にかえて─存在の問いはトリヴァルに解決されるのか? 読書案内 あとがき 索引 装幀─荒川伸生

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