【2024年】「民俗学」のおすすめ 本 50選!人気ランキング
- はじめての民俗学: 怖さはどこからくるのか (ちくま学芸文庫 ミ 2-6)
- みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ? (平凡社新書)
- 民俗学の思考法:〈いま・ここ〉の日常と文化を捉える
- 滋賀の暮らしと食 昭和30年代の生活に関する調査より (おうみ学術出版会)
- 民俗学入門 (岩波新書 新赤版 1910)
- はじめて学ぶ民俗学
- 日本の呪術 (MdN新書)
- 民俗学がわかる事典 (角川ソフィア文庫)
- ドラゴンは爬虫類~骨格と進化から読みとく伝説動物の図鑑
- 民俗学への招待 (ちくま新書 64)
民俗学の基本的な考え方を初学者向けにわかりやすく解説する、決定版テキスト!概念や人名、理論、事例などキーワード集36を収録。 民俗学の基本的な考え方を初学者向けにわかりやすく解説する、決定版テキスト!民俗学の重要な概念や人名、理論、事例などを丁寧に解説するキーワード集36を収録。 ▼「生きる技法」を捉える いま・ここにある人びとの生を、その生活や日常、文化を、 ミクロな視点と同時代の世相や社会との絡みのなかで捉える民俗学。 だから、SNSも科学技術もグローバリゼーションだって扱う。 民俗学の基本的な考え方を初学者向けにわかりやすく解説する、決定版テキスト! 民俗学の重要な概念や人名、理論、事例などを丁寧に解説するキーワード集36を収録。 著者紹介・編者以外(執筆順) 島村恭則(しまむら・たかのり) 関西学院大学社会学部教授。主要業績に、『みんなの民俗学――ヴァナキュラーってなんだ?』(平凡社新書、2020年)。 周星(しゅう・せい) 神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科教授。主要業績に、『現代民俗学的視野与方向』(商務印書館、2018年)。 法橋量(ほっきょう・はかる) 慶應義塾大学非常勤講師。主要業績に『方法としての〈語り〉――民俗学をこえて』(共著、ミネルヴァ書房、2020年)。 フェルトカンプ, エルメル(Elmer VELDKAMP) ライデン大学人文学部地域研究所(Leiden Institute for Area Studies)韓国学科専任講師。主要業績に『Highlights from the Korea collection of Rijksmuseum Volkenkunde』(Arnhem: LM Publishers、2014年)。 山泰幸(やま・よしゆき) 関西学院大学人間福祉学部教授。主要業績に『だれが幸運をつかむのか――昔話に描かれた「贈与」の秘密』(筑摩書房、2015年)。 室井康成(むろい・こうせい) 会社役員。主要業績に『事大主義――日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」』(中央公論新社、2019年)。 重信幸彦(しげのぶ・ゆきひこ) 國學院大學兼任講師。主要業績に『みんなで戦争――銃後美談と動員のフォークロア』(青弓社、2019年)。 金子祥之(かねこ・ひろゆき) 東北学院大学文学部歴史学科講師。主要業績に「オビシャ行事をめぐる地域社会の縮小戦略――村規約にみる現代化への対応 」(『生活学論叢』33号、2018年)。 加賀谷真梨(かがや・まり) 新潟大学人文学部准教授。主要業績に『民衆史の遺産 第14巻沖縄』(谷川健一・大和岩雄編)(分担執筆、大和書房、2019年)。 施尭(し・ぎょう) 東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程。主要業績に「「民謡」への道――戦後沖縄の旧・コザ市を舞台にした4人の民謡歌手のライフストーリーから」(東京大学修士学位論文、2014年)。 飯倉義之(いいくら・よしゆき) 國學院大學文学部日本文学科准教授。主要業績に『怪異を魅せる』(青弓社、2016年)。 松田睦彦(まつだ・むつひこ) 国立歴史民俗博物館研究部准教授。主要業績に『人の移動の民俗学――タビ〈旅〉から見る生業と故郷』(慶友社、2010年)。 朴承賢(ぱく・すんひょん) 啓明大学校国際地域学部日本学専攻助教授。主要業績に『老いゆく団地──ある都営住宅の高齢化と建替え』(森話社、2019年)。 俵木悟(ひょうき・さとる) 成城大学文芸学部教授。主要業績に『文化財/文化遺産としての民俗芸能――無形文化遺産時代の研究と保護』(勉誠出版、2018年)。 辻本侑生(つじもと・ゆうき) 民間企業勤務。主要業績に「いかにして「男性同性愛」は「当たり前」でなくなったのか――近現代鹿児島の事例分析」(『現代民俗学研究』12号、2020年)。 鈴木洋平(すずき・ようへい) 拝島大師職員。主要業績に「石塔化と「無縁」――佐渡橘における恒久的石塔の選択と『意味づけ』」(『日本民俗学』257号、2009年)。 はじめに 門田岳久 第Ⅰ部 〈いま・ここ〉を捉える思考法 第1章 生きるための民俗学へ ――日常とヴァナキュラー 島村恭則 第2章 過去に縛られながら未来に向かう ――世相と歴史 岩本通弥 第3章 文化を伝え、演じ、作り出す ――芸能とパフォーマンス 周 星 第4章 ソーシャルメディアは伝承母体になりうるか ――ハナシとメディア 法橋 量 第5章 暮らしのなかのブラックボックス ――科学技術とフォークロア フェルトカンプ, エルメル 第6章 モノを使う、モノに使われる ――生活と生態 田村和彦 第7章 何も信じられるものがない時代の宗教性 ――信仰と実践 門田岳久 第8章 なぜ文化を遺しておかなくてはならないのか ――文化遺産と制度 川松あかり 第9章 災害多発時代に命と暮らしを守る ――防災・減災と復興 山 泰幸 第10章 超高齢時代のまちづくり ――地域コミュニティと場づくり 山 泰幸 第11章 変わりゆく家族のかたち ――親族とつながり 岩本通弥 第12章 グローバリゼーションとモビリティ ――移動と越境 島村恭則 第13章 着て、食べて、住まい続ける ――生活と衣食住 及川祥平 第14章 新しい生き方と死に方 ――人生と儀礼 及川祥平 第Ⅱ部 現代民俗学を読み解くキーワード36 1 民 俗 室井康成 2 文化の伝達 重信幸彦 3 中央と周辺 島村恭則 4 日 常 岩本通弥 5 伝統とイデオロギー 重信幸彦 6 ヴァナキュラー 島村恭則 7 都 市 岩本通弥 8 世 相 室井康成 9 民俗学の人間モデル 門田岳久 10 自治と互助 金子祥之 11 ノスタルジーと郷土 法橋 量 12 近代化 田村和彦 13 ジェンダー 加賀谷真梨 14 文化人類学と民俗学 島村恭則 15 教 育 施 尭 16 フォークロリズム 法橋 量 17 ネット社会の民俗 飯倉義之 18 美 施 尭 19 ライフコース 及川祥平 20 語 り 川松あかり 21 記 憶 及川祥平 22 自 然 松田睦彦 23 宗教的なるもの 及川祥平 24 ケ ア 加賀谷真梨 25 地 域 朴 承賢 26 公共民俗学 金子祥之 27 世界の民俗学 田村和彦 28 フェス・イベントと祭り・行事 俵木 悟 29 文化政策 俵木 悟 30 フィールドワーク 門田岳久 31 エスノグラフィー 門田岳久 32 働 く 加賀谷真梨 33 差 別 辻本侑生 34 地域差/地域性 鈴木洋平 35 サブカルチャーと民俗学 飯倉義之 36 複数の民俗学 門田岳久 索 引
ほぼ地産地消が実践されていた昭和30年代の暮らしと食について、滋賀県内8地域を調査、食材の調達、加工、保存などのようすを記… ほぼ地産地消が実践されていた昭和30年代の暮らしと食について、奥永源寺や朽木の山村、湖に面した半農半漁の村など、滋賀県内8地域を調査。多様な湖魚・山菜・果実・獣肉の調達、野菜類の栽培・加工・保存のようすを記録。 いまこそ環境共生型の伝統的な暮らしと食のスタイルから学ぶべきことは多い。──食品スーパーはなく、ほぼ地産地消が実践されていた昭和30年代の暮らしと食に焦点をあて、奥永源寺や朽木の山村、琵琶湖や内湖に面した半農半漁の村など、滋賀県内8地域で聞き取り調査。多様な湖魚・山菜・果実・獣肉などの調達、穀類・野菜類の栽培・加工・保存のようすを記録。 はじめに 第1章 「滋賀の暮らしと食」その背景と特徴を探る 第2章 湖北の暮らしと食 第3章 奥永源寺の暮らしと食 第4章 安土の暮らしと食 第5章 野洲の暮らしと食 第6章 甲賀の暮らしと食──小佐治集落を中心に 第7章 伊香立の暮らしと食──生津集落の調査を中心に 第8章 志賀の暮らしと食 第9章 朽木針畑の暮らしと食 あとがき
郷土研究ということ 日本の民俗学 Ethnologyとは何か 郷土研究の将来 国史と民俗学 実験の史学 現代科学ということ 日本を知るために 日本人の神と霊魂の観念そのほか 民俗学から民族学へ 村の信仰
文化人類学者とともに「働くこと」のポジティブな未来を探究する人気ポッドキャスト「働くことの人類学」、 待望の【活字版】!! 文化人類学者とともに「働くこと」のポジティブな未来を探究する人気ポッドキャスト「働くことの人類学」、 待望の【活字版】!! 文化人類学者が、それぞれのフィールドで体験した 知られざる場所の知られざる人びとの「働き方」。 それは、わたしたちが知っている「働き方」となんて違っているのだろう。 逆に、わたしたちはなんて不自由な「働き方」をしているのだろう。 狩猟採集民、牧畜民、貝の貨幣を使う人びと、 アフリカの貿易商、世界を流浪する民族、そしてロボット........が教えてくれる、 目からウロコな「仕事」論。 わたしたちの偏狭な〈仕事観・経済観・人生観〉を 鮮やかに裏切り、軽やかに解きほぐす、笑いと勇気の対話集。 ゲスト:柴崎友香/深田淳太郎/丸山淳子/佐川徹/小川さやか/中川理 /久保明教 ◼️巻頭対談 ありえたかもしれない世界について 柴崎友香 + 松村圭一郎 【第1部|働くことの人類学】 貝殻の貨幣〈タブ〉の謎 深田淳太郎 ひとつのことをするやつら 丸山淳子 胃にあるものをすべて 佐川徹 ずる賢さは価値である 小川さやか 逃げろ、自由であるために 中川理 小アジのムニエルとの遭遇 久保明教 【第2部|働くこと・生きること】 2020年11月「働くことの人類学」の特別編として開催されたイベント「働くことの人類学:タウンホールミーティング」。 オンラインで4名の人類学者をつなぎ、参加者xの質問を交えながら「働くこと」の深層へと迫った白熱のトークセッション。デザインシンキングからベーシックインカムまで、いま話題のトピックも満載のユニークな「働き方談義」を完全収録。 深田淳太郎×丸山淳子×小川さやか×中川理 ホスト=松村圭一郎 進行=山下正太郎・若林恵 【論考】 戦後日本の「働く」をつくった25のバズワード 【働くことの図書目録】 仕事と自由をもっと考えるためのブックガイド 松村圭一郎/深田淳太郎/丸山淳子/佐川徹/小川さやか/中川理/久保明教/コクヨ野外学習センター 【あとがき】 これは「発信」ではない 山下正太郎
列島文化をどう考えるか 卯月八日の「天道花」習俗とその分布 盆の地蔵祭り 酒を供える「神酒口」の形状と分布 伝承「葉包み食」の地域差 「魂呼び」の方法と全国的様相 海に漂う「流れ仏」への対応習俗 「憑物」伝承とその分布 「烏を呼ぶ」民俗行事とその分布 鶏の予兆予知伝承
アイヌの養母に育てられた開拓農民の子が大切に覚えてきた、言葉、暮らし。明治末から昭和の時代をアイヌの人々と生き抜いてきた軌跡。解説 本田優子 アイヌの養母に育てられた開拓農民の子が大切に覚えてきた、言葉、暮らし。明治末から昭和の時代をアイヌの人々と生き抜いてきた軌跡。解説 本田優子 == 「トキさん」は1906年、十勝の入植者の子どもとして生まれ、口減らしのため、生後すぐにアイヌの家族へ養女として引き取られた。和人として生まれたが、アイヌの娘として育った彼女が、大切に覚えてきたアイヌの言葉、暮らし。明治末から大正・昭和の戦前戦後を、鋭い感覚と強い自立心でアイヌの人々と共に生き抜いてきた女性の人生を描く優れた聞き書き。 == 開拓農家に生まれ、アイヌの養母 に育てられ、暮らしと結びついた アイヌの言葉の記憶を大切に、 激動の時代を生きた女性の人生。
何気なく「そういうものだ」と思っている習俗習慣は、先祖たちの暮らしの蓄積が生んだものだった。われわれの深層心理から、日本の歴史を読みとく。 何気なく「そういうものだ」と思っている習俗習慣は、先祖たちの暮らしの蓄積が生んだものだった。われわれの深層心理から、日本の歴史を読みとく。 === ふとした時に表れる日本人独特の感覚。自分の湯呑みを他人に使われてしまった時の気まずさなどはその一例といえるだろう。高取によればこの感覚は、自己の範囲を所有するモノや所属する集団にまで広げて認識していた近代以前の名残だという。また祖先としての神、他所から来る神という二種の神観念があるのも、定住だけでなく漂泊もまた少なくなかった前近代の暮らしに由来するという。本書はそうしたわれわれの感覚や習慣を形作ってきたさまざまな事例を挙げ、近代的な自我と無意識下の前近代が交錯する日本人の精神構造を明らかにする。民俗学の傑作にして恰好の入門書。 解説 阿満利麿 ===
異端の民俗学者にして探偵――桜小路光彦登場! 海堂財閥の創始者・右近の異様な遺言。それは同家に縁がありながらも理不尽な扱いを受けていた美雪にすべての財産を渡すというものだった。条件は海堂家の三兄弟の誰かと結婚すること―。それが惨劇の始まりだった。 海堂財閥の創業者・右近が残した異様な遺言。それは同家に縁がありながらも、理不尽な扱いを受けていた美雪にすべての財産を渡すというものだった。条件は海堂家の三兄弟のだれかと一ヶ月以内に結婚すること――。それが惨劇のはじまりだった。 ある夜、結婚相手にと名乗り出た次男の月弥が同家の別えびす伝説に見立てられて変死を遂げ、美雪は否応なく遺産相続に巻きこまれていく。 そして招かれた、異端の民俗学者にして探偵の桜小路光彦が連続殺人の謎に挑む。 第一章 海堂家の変事 第二章 悪魔、跳梁跋扈する 第三章 先住民論 第四章 愛しき鎮魂の涙 第五章 旅立ちの日
ものづくりを通じて,核家族化や少子高齢化など地域社会や家族構成の変化による変容を考える。 生活の組み立てとその変化を衣食住の分野で見直し,また自然との関係性のなかでさまざまな智恵と技術を生み出し伝承してきた農山漁村での人間として等身大の生産活動を取り上げる.さらに資源や環境という視点が日々の暮らしのなかでも重視されるようになった生産と消費をめぐる現代的な視点も検証して現代の実態を論じる。【主な目次】第1章 総論1.1 生産と消費の民俗〔小川直之〕第2章 衣食住と消費2.1 衣の「しきたり」と変容〔宮本八惠子〕2.2 食の「しきたり」と変容〔関沢まゆみ〕2.3 住まいと環境〔津山正幹〕第3章 資源活用と技術3.1 自然知の伝承〔小川直之〕3.2 生活領域と資源利用〔菅 豊〕3.3 耕地利用と農業〔大楽和正〕3.4 磯浜・砂浜と漁撈活動 〔小川直之〕3.5 山の暮らしと技術 〔赤羽正春〕第4章 諸職と流通4.1 職人と民俗技術〔榎 美香〕4.2 市と交易〔山本志乃〕4.3 商家と商い〔塚原伸治〕4.4 観光と商品〔阿南 透〕
優しい狐と幻の椿 浮き上がる人 魂との遭遇 森へ消えた飛行兵 ミミズ素麵と小さな人 峠に立つ男 死のサイン 入りたかった温泉 見つけてください-栗駒山 不吉な笑い声 何が光を見せるのか? 山で出会うモノ 子狐 穴から出てくる人 ワープする爺 消えないテレビ 騒ぐ木々 白神山地近辺 謎の血痕 消えた馬頭観音 寂しがりやの魂 火の玉を探す人たち 本州最北端の魂 甘党の狐 狐の警告 撃ってはいけない熊 丑三つの少女 ついてきた男 案内する火の玉 跳び出す婆 "羆撃ち"久保俊治さんの体験 座敷わらしと山の神 追いつけない鈴音 片品村の出来事 引き寄せられるバイク 案内される人 唐辛子を持っていく訳 見つけてください-上野村 切ってはいけない木と山中の太鼓 狐狸の宴 おにぎり婆 月はどっちに出ている バスに乗りたかったのは 首括りの木 山音 狐火いろいろ 五十年目の神隠し 謎のスキーヤー 一緒に来たのは ささやく男 叫ぶ女 赤い部屋 夜の訪問者 大蛇の森 野焼きと火の玉 動かすと死ぬ 尼さんの忠告 一向一揆の里 火の玉ラッシュアワー ツチノコの里 追いかけてくるモノ 犬と百人一首 不思議な相談 山から出られない人 行者の戦い ノックは三回 消えるテレビマン 奥山の女性 最後の昼飯 神域の巨樹 帰りたかったのは 狸話 魂虫 家に帰れない訳
柳田國男の問い「何故に農民は貧なりや」から始まった自己内省の学は、今日あらたに問いをたてなおし、とにもかくにも〈しんどい〉現代社会への探求の扉をふたたび開く。 「何故我々は生きづらいのか?」 本書は、民俗学に初めて触れる読者を想定した「入門書」である。わたしたちの社会のいたるところにみられる差別や排除、「生きづらさ」というテーマを民俗学はどう考えることができるか、そしてそこに立ちあらわれる民俗学とは何か。 まえがき 本書の読み方[及川祥平・川松あかり・辻本侑生] ◆第Ⅰ部 生きづらさと民俗学 第1章 生きづらさと差別[川松あかり] 第2章 民俗学と生きづらさ[及川祥平] 第3章 生きづらさとインターセクショナリティ[辻本侑生] ◆第Ⅱ部 生きづらさを民俗学する 第1章 選べない出自と阻まれる職業選択[岡田伊代] 第2章 「多文化共生社会」の中の生きづらさ[川松あかり] コラム1 学歴と格差・地域差[辻本侑生] 第3章 ジェンダーとセクシュアリティ[辻本侑生] 第4章 エイジズム[及川祥平] コラム2 自己実現をせまる社会における推し活[藤崎綾香] 第5章 病気と差別[今野大輔] 第6章 差別に対する患者たちの抵抗と紐帯[桜木真理子] コラム3 都市の見えづらい分断[岡田伊代] コラム4 ラジオ番組に集う視覚障害者たち[奈良場春輝] 第7章 暮らしと障害[入山頌] 第8章 ケガレ[今野大輔] 第9章 災害と生きづらさ[及川祥平] ◆第Ⅲ部 生きづらさにせまる 第1章 話者と見つける研究視点[岡田伊代] 第2章 わからなさと交差点[桜木真理子] コラム5 セクシュアリティ研究の難しさと意義[三上真央] 第3章 旧産炭地へのフィールドワーク[川松あかり] 第4章 被災地のフィールドワーク[辻本侑生・及川祥平] コラム6 地域コミュニティを取り巻く生きづらさ[藤崎綾香] 第5章 生きづらさへ資料からアプローチする[辻本侑生] 第6章 民俗資料から生きづらさにせまる[今野大輔] あとがき 索引 執筆者紹介
感染症と闘い、時には共存していくために生み出された「疱瘡絵」や「はしか絵」などの「疫病芸術」を時代別・テーマ別に紹介。 疱瘡やはしかなど、様々な感染症に見舞われてきた日本。 病原体の存在が知られていなかった時代には、感染症はもののけや怨霊、悪鬼など、目に見えない存在によってもたらされるもと信じられていた。 そんな中で人々は、神仏や有名な武将、予言獣などのイメージに病除けの願いを託し、上手な対処法を探ってきた。 社寺が授ける護符から「疱瘡絵」や「はしか絵」、郷土玩具など民間信仰による素朴なお守りなど……。 病と闘い、時に共存していくために生み出されたそうした表現を著者は“疫病芸術”と呼び、「私たちの生活をある側面では豊かにもしてきたのではなかったろうか」と語る。 そんな“疫病芸術”50点以上を、時代・テーマ別にカラー図版満載のビジュアルで 一挙に紹介。 日本人がこれまでどのように感染症を受けとめてきたかの軌跡を知ることで、新型コロナ禍の今を生きる参考にしてもらう。 【目 次】 はじめに 1章 疫神の誕生 コラム・祇園信仰と蘇民将来 2章 近世のまじない絵 コラム・疫病除けの郷土玩具 3章 予言する妖怪たち コラム・疫病鎮めの祭と社 4章 明治の流行病 参考文献 はじめに 1章 疫神の誕生 コラム・祇園信仰と蘇民将来 2章 近世のまじない絵 コラム・疫病除けの郷土玩具 3章 予言する妖怪たち コラム・疫病鎮めの祭と社 4章 明治の流行病 参考文献
あの名コンビが、知られざる伝説地を目指して西へ東へ。愛憎半ばの珍道中! 河童の妙薬、酒呑童子の出生地、房総半島の天狗、割れた殺生石……。妖怪馬鹿+αが、伝説地を目指して西へ東へ。ときに手を取り合い、ときに罵り合い、一喜一憂しながら各地を巡る。お化け好き必読の“珍”道中記! 名所から穴場まで、おばけの伝説地を目指して西へ東へ!“あの”名コンビ+αが、全国各地に点在する伝説地を訪ね歩く。茨城の旧家に受け継がれてきた「河童の妙薬」を譲り受ける。鬼のスーパースター・酒呑童子と茨木童子の出生地を探して新潟へ。高い山が少ない房総半島で、あえて天狗を訪ねる。『稲生物怪録』の舞台・広島には京極夏彦氏も参加。江戸の七不思議から「妖怪」を七つピックアップ。国道16号沿いに分布するダイダラボッチ伝説を強行軍で巡る。伊豆大島に伝わる民間信仰「日忌様」の謎を追う。九尾の狐と殺生石を求めて栃木と福島へ――。ときに手を取り合い、ときに罵り合い、一喜一憂しながら「妖怪馬鹿」が各地を廻る。妖怪ライター・村上健司による探訪記&妖怪研究家・多田克己による解説で、ゆるく、深く楽しめる!今日からあなたも妖怪旅おやじ!?雑誌「怪と幽」創刊号から続く人気企画が待望の書籍化。 はじめに 第一回 「河童の妙薬」の伝説を訪ねる コラム 河童が伝授した秘薬 第二回 酒呑童子と茨木童子の伝説を訪ねる 前編 コラム 酒呑童子は何者か? 第三回 酒呑童子と茨木童子の伝説を訪ねる 後編 コラム 茨木童子と渡辺綱 第四回 『稲生物怪録』の舞台を訪ねる コラム 大魔王、山本太郎左衛門 第五回 房総半島の天狗を訪ねる 前編 コラム 飯縄権現は妖怪か神仏か? 第六回 房総半島の天狗を訪ねる 後編 コラム 天狗歴史総論 第七回 江戸の七不思議の妖怪部分だけを訪ねる 前編 コラム 割り切れない不可思議 第八回 江戸の七不思議の妖怪部分だけを訪ねる 後編 コラム 七不思議のふしぎ 第九回 大中寺の七不思議と佐野の小豆とぎ婆を訪ねる コラム 小豆を磨ぐ音の正体 第十回 国道16号沿いのダイダラボッチ伝説を訪ねる 前編 コラム ダイダラボッチはどこから来たのか 第十一回 国道16号沿いのダイダラボッチ伝説を訪ねる 後編 コラム 巨人伝説は巨神と大蛇神話に由来する 第十二回 古都鎌倉の妖怪伝説を訪ねる コラム 鎌倉幕府滅亡を告げた天狗と、神徳を示した天狗 第十三回 伊豆大島の日忌様を訪ねる コラム 日忌様と海難法師 第十四回 殺生石と九尾の狐伝説を訪ねる コラム 殺生石は祟らない? おわりに
「奇妙な」「風変わりな」という意味をもつクィア(Queer)。性的マイノリティが、自分たちを指し示す言葉として用いられてきた。 民俗学の視点で、LGBTと呼ばれる人びとの日常的な営みを捉える、七つ… 「奇妙な」「風変わりな」といった意味をもつクィア(Queer)。性的マイノリティたちが、自分たちを指し示す言葉として用いてきた。 民俗学の視点で、LGBTと呼ばれる人びとの日常的な営みを捉える七つの論考集。 ◇第一部 民俗学史からクィアを考える 第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生) 第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子) コラム1 『異態習俗考』――クィア民俗学の古典(島村恭則) ◇第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す 第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央) 第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生) 第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀) ◇第三部 クィア民俗学の展開 第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生) 第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平) コラム2 ディープ・フォークロアとクィア・アート(島村恭則) ◇第一部 民俗学史からクィアを考える 第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生) 一 知られざるクィア研究の系譜 二 北野博美―日本民俗学におけるクィア研究の先駆者 三 鹿児島「男色」研究史 四 「男巫女」研究史 五 クィアの現代民俗学に向けて 第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子) 一 南方熊楠と岩田準一の性民俗研究 二 「男色談議」の研究史 三 男色研究の発表媒体 四 民俗学と男色研究 五 「男色談議」のその後 コラム1 『異態習俗考』――クィア民俗学の古典(島村恭則) ◇第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す 第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央) 一 性善寺と調査者(私)の関係 二 性善寺に集う人々 三 セクシュアリティを見つめる場 第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生) 一 性的マイノリティとスポーツサークル 二 スポーツサークルと民俗学 三 雑誌『薔薇族』にみるスポーツサークル 四 スポーツサークルから捉えるゲイコミュニティ 第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀) 一 マダム南支 二 華僑二世として長崎で生きる 三 落地生根 ◇第三部 クィア民俗学の展開 第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生) 一 差別と笑い話 二 ハッシュタグと社会変革 三 事例分析 四 インターネット空間の多声性 第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平) 一 MCUのロキ、北欧神話のロキ 二 異類婚姻譚の概念をクィアにする 三 民間説話のクィア・リーディングによってできること コラム2 ディープ・フォークロアとクィア・アート(島村恭則)
「古風」の発見によって江戸時代に芽生えた民俗的関心は、明治以降の近代化の中で、触発・融合・反発を繰り返し、やがて柳田國男という大河に注ぎ込む。学史の丹念な整理から描き出す、日本民俗学誕生前夜の鳥瞰図。 「古風」の発見によって江戸時代に芽生えた民俗的関心は、明治以降の近代化の中で、触発・融合・反発を繰り返し、やがて柳田國男という大河に注ぎ込む。学史の丹念な整理から描き出す、日本民俗学誕生前夜の鳥瞰図。 序論 Ⅰ 近世期における民俗研究の萌芽 第一章 『菅江真澄遊覧記』にみる民俗世界 第二章 近世紀行文にみる民俗事象の発見 第三章 野田泉光院『日本九峰修行日記』にみる庶民の暮らし 第四章 古風の発見と田舎 第五章 探訪と観察の実践 第六章 資料収集の実験「諸国風俗問状」 第七章 不思議な現象の記録 Ⅱ 明治期における日本民俗学の生成 第八章 外国人の日本文化研究と人類学会の成立 第九章 土俗会の活動と羽柴雄輔・山中共古 第十章 柳田國男の民俗学への転進 第十一章 南方熊楠のFolklore 第十二章 郷土会と雑誌『郷土研究』の創刊 第十三章 Folkloreの受容と雑誌『民俗』 第十四章 折口信夫「髯籠の話」をめぐる諸問題 結論 参考文献一覧 あとがき 索引
ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」とのフィールドワークから見えてきたこと。豊かさ、自由、幸せとは何かを根っこから問い直す、刺激に満ちた人類学エッセイ! 「奥野さんは長期間、継続的にプナン人と交流してきた。そこで知り得たプナン人の人生哲学や世界観は奥野さんに多くの刺激と気づきをもたらした。この書を読み、生産、消費、効率至上主義の世界で疲弊した私は驚嘆し、覚醒し、生きることを根本から考えなおす契機を貰った。」 ――関野吉晴氏(グレートジャーニー)
「私の茶碗」「私の箸」等、日本人以外には通じない感覚。こうした感覚を手がかりに日本の歴史を問い直した民俗学の名著を文庫化。解説 夏目琢史 「私の茶碗」「私の箸」等、日本人以外には通じない感覚。こうした感覚を手がかりに日本の歴史を問い直した民俗学の名著を文庫化。解説 夏目琢史 「私の茶碗」「私の箸」等、日本人以外には通じない感覚。こうした感覚を手がかりに民衆の歴史を描き直した民俗学の名著を文庫化。解説 夏目琢史 === 長い年月をかけて積み重ねられてきた生活習慣は知らずしらずのうちにわれわれの精神や行動を規制している。家族それぞれの箸や茶碗が決まっており、自分以外はそれを使ってはならないというのはその代表例だろう。高取正男はこの日本人の無意識下にある感覚「ワタクシ」に着目し、現在の社会問題や歴史的事象の背景を探ろうとした。その際高取が重視したのは生活文化の変遷を凝視することであり、民俗調査を行い古老と向き合う中で実際に自分の内部にもひそむ日本的思考に気づくことだった。民俗学と歴史学を取り結び、新しい歴史記述のあり方を模索した記念碑的名著。 === 私の中の日本に気づく 理屈抜きの拒絶反応や禁忌によってのみ姿を見せる 近代以前から引き継いだ日本人の深層意識 === 1 変転のあと 2 土間の作法 3 ワタクシの論理 4 神をみる場所 5 座敷づくり 6 民俗のこころ あとがき
新生日本のために日本人の特性を見つめ掘り下げた、柳田学の核心部。旧版に折口対談「日本人の神と霊魂の観念そのほか」など大増補。 新生日本のために、まず日本人の特性を見つめ掘り下げた、柳田学の核心部を1冊に。旧版に、「明治人の感想」、折口対談「日本人の神と霊魂の観念そのほか」など大幅増補した新装版。
私たちの感情は〈ならわし〉によってつくられる? 私たちの感情は〈ならわし〉によってつくられる?内側からこみあげてくるように感じられる「感情」。しかし、喜怒哀楽は、時代や慣習によって変わる。つかみづらい感情の正体をもとめて、民俗学をひもとく。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄本書「はじめに」より感情については、これまで、数えきれないほどたくさんの本が書かれてきました。なぜそれほど多くの本が書かれてきたかというと、多くの人が、感情をつかみづらいと感じているからです。「感情に左右されている」「感情にもてあそばれている」「感情をコントロールすることがむずかしい」……。この本を手にしたあなたも、きっとたぶんそんな人なのでしょう。でも、そもそも感情は、どこにあるのでしょうか? 感情のありかをみきわめようとするとき、感情が「こころ」に属するという人と、「からだ」に属するという人がいるようです。たしかに、感情が「こころ」にあるか、「からだ」にあるかによって、感情への対処のしかたが変わってきそうです。「こころかからだか」は、「心理現象か生理現象か」といいかえることができるでしょう。しかし、感情を発生地点をみることで、その本質に近づくことができるものでしょうか。また、感情を心理や生理としてあつかわず、哲学の対象として感情を概念的にとらえて考察することもさかんにおこなわれています。いってみればそれは、感情を「あたま」で分析し、理解しようとする立場だといえるでしょう。いずれにしても、感情が人間のどこから生まれてくるのかがはっきりとしているのなら、感情は御しやすいような気がします。ですから、感情は私たちの内側にあるのか、外側にあるのかについて疑問を抱いてみてもいいかもしれません。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ はじめに 人は昔、「ぴえん」と泣いていた。 I 感情はどこからくるのか? 1 感情は意外と新しい 感情のはじまり 感情は私たちの外側にある 2 ありかを探して 感情は「からだ」に属する 感情の源は「子宮」にある 感情の「心理学」のさまざまな説 「後悔」と「悲しみ」 「分人」という概念 「本当の自分」とは 社会的な「分人」 日本における「私」 「世間」と感情 3 「しぐさ」と感情 言葉は万能ではない 民俗的感情とは 近代日本の「感情史」 主題は「我々」 幕間 感情的会話 その1 Ⅱ 感情とはなになのか? 1 感情は「表現」なのか 「泣く」ことと「涙する」こと 「ぴえん」という泣きかた 絵文字への派生 「ぴえん」の歴史性 ラメンテーションとしての「泣き祭」 泣く女、泣く男 現代文化の問題 2 「いいね! 」の進行形 絵文字による感情表現 「かわいい」と「かなしい」 「おもしろい」と「楽しい」 3 「微笑」と「奇妙な笑い」 ハーンが見すえた「感情」 義務としての微笑 「笑い」を科学する 突発する「例の笑い」 感情と怪異 文化的反応としての笑い 4 「笑い」と「ウソ」 村には評判の〝ウソつき〟がいた 「ウソ」の歴史 「ウソ」を叱る 5 笑う祭と泣く祭 神の前で「笑う」祭 「笑い講」 真夜中の「笑い祭」 神の前で「泣く」祭 6 『「いき」の構造』の「いき」 「媚態」と「意気地」と「諦め」 「関係性」のデザイン 7 「らしさ」のゆくえ 「人間らしさ」と「自分らしさ」 「わざとらしさ」と「もっともらしさ」 8 感情の政治性と社会性 冷笑は笑いか、怒りか 「ジレる」と「キレる」 「残酷」という感情 広島弁の「いなげな」 幕間 感情的会話 その2 Ⅲ 感情はどこへ行くのか? 1 共感の時代? 「いいね」は共感なのか 「シンクロニシティ」はあるのか 「こころ(心)」の誕生と終焉 「文字」に代わるもの 2 感情の公共 「いき」という公共圏 ソーシャルメディアで「いき」は生きるか 不気味の谷 文楽人形をめぐる感情 「もどき」と感情 AI にたいする恐怖 新しい感情か、伝統的感情か 「感情」と現代美術 3 感情をつくる 「エモい」を超えて 「推し」と「尊い」 「宗教以降」の感情 「感情」にたいするうしろめたさ 終幕 感情的会話 その3 参考・引用文献一覧
出産・七五三・葬送など、いまも残る日本人の生活儀礼には、いかなる独特な「霊魂観」が息づいているのか。民俗学の泰斗が平明に語る。 === 出産・七五三・成人・結婚・葬送など日本人が経験する人生儀礼や、各地に伝わる習俗や祭りのなかには、いかなる「霊魂観」が反映されているのだろうか。本書は、ミロク信仰から都市伝説までの多様な事例とともに、霊魂という実在が「この世」と「あの世」のあいだを往還するという日本独特の世界像と、その移動にともなって不安定になる霊魂をおちつかせるためにも儀礼が必要とされたことを説く。迷信の一言では片づけられない、日本の生活文化にいまも息づくアニミズム的心性を解明した宮田民俗学の真髄。講演記録を中心に編集された、平明な語り口による一冊。 解説 小松和彦・林 淳 === 宮田民俗学は「霊魂観」に収斂するーー いまも息づく日本人の アニミズム的心性 === 【目次】 【目次】霊魂の民俗学 Ⅰ 日本人の一生 日本人の一生 〔出産の儀礼/犬供養/誕生の習俗/産神信仰/産神問答/氏神の公認/夫の役割/七五三/東京の風習/成年式/嫁入りの時間/葬式の意味〕 Ⅱ 神・妖怪・祭り 神と妖怪の民俗学 〔木曽の御嶽信仰/稲荷信仰と初詣/七福神に決まるまで/日本人の民族性/流行神/ポルターガイスト〕 祭りのコスモロジー 〔都市化現象と初詣/都市の思考・村の思考/不浄と排除/生まれ清まり/変えてはならない部分/老人と女と子供〕 Ⅲ 女・子供・老人 女の霊力 〔現代社会と妖怪/血の不浄視/洗濯女の存在/女の霊力/母親と子供の絆/老人と子供〕 サブカルチャーとしての老人文化 〔祖父母のイメージ/ウバステ山/翁のイメージ/老人の霊力〕 Ⅳ 現代社会と民俗学 ミロクと世直し 〔ミロク信仰と世直し/アニミズムへの関心/韓国の弥勒信仰の展開/女性の信仰/嵩山のミロク様〕 「血」と「スジ」 〔ジャパノロジーの課題/継承・断絶・再生/家筋と血筋/「河原巻物」の由緒書/天皇と常民〕 【補論】日本人の霊魂観と仏教 あとがき 洋泉社版解説「常民」としての自己発見を誘う個性豊かな民俗学者 小松和彦 文庫版解説 ユートピアと再生の民俗学 林淳
コロナ禍のムサビ、オンライン授業「民俗学」の書籍化。暮らしの中から独特の造形を見出す、ミニマムな美の発見が生活を彩る! ムサビで大人気のオンライン授業「民俗学」を書籍化。いったいどんな授業なのかと、授業をこっそり覗く家族にも大好評! 暮らしの中から独特の「文化」を見出す手法は、日々の暮らしを豊かにする秘宝が潜んでいる。 日々の暮らしの「あたりまえ」を問い直し 独特の造形・行為を見出す行為から 新しい民俗学がはじまる! ヴァナキュラーとは「人々の生活から育まれた」固有な文化である。現代を生きるわたしたちは、いくつもの小さなコミュニティを同時に生きている。学校や職場、地域社会や家族、ネットの世界にも、人の営みはあらゆるレベルでヴァナキュラーを生み出し続け、そこには素朴な問いが潜んでいる。みずから問いを見出し、それと付き合い続けるのが、本当の意味でのフィールドワークであり、ここに民俗学をまなぶ意義がある。 はじめに ヴァナキュラーとフィールドワーク/民俗学をまなぶ意義/ あるく みる きく + つくり つたえる 経験主義―今こそフィールドワークへ 「ヴァナキュラー」へのまなざし 民俗学の輪郭/現代生活のヴァナキュラー/美術史とヴァナキュラー/日常の風景から 「文化」の概念の大転換 古典的な文化観/文化観の転換/文化を理解することの不可能さ/ 文化における人間中心主義を超えて/文化が資源化する時代/ 「文化を生きる」とは/重層的な文化観 「生活」こそが最前線 民俗学は近代という時代の産物/「野」の学問の二つの意味/ 〝あたりまえ〟を問い直すことの不可能性/〝あたりまえ〟との付き合い方/ 文化の客体化の二つの方法/再帰性とは/問いにつながる課題設定・問題発見/ 民俗誌と記述の不可能性 「フィールドワーク」の技法 民俗学のフィールドワーク/調査の現場で大切にしたいこと/ 「お守り言葉」を超えて/アーティストのフィールドワーク/ エスノグラフィの思考/ローカルな知の魅力/ナラティヴ(語り)の位相/ 語りにおける共感と沈黙/語りのオーナーシップ フィールドで問いをどう立てるか 女王バチの目線―遊び仕事と誇りと自慢 アインシュタインの蜂/都市とミツバチ/ヨーロッパで発達した養蜂学/ ハチの狩猟とご馳走/山野に遊ぶ/ハチの巣別れ:分封/里山とミツバチ:採蜜/ 養蜂箱のゴーラ/独自な共生の思考/「養蜂道」の伝統/ ミツバチ飼いとしての評価 研究のことば【遊び仕事】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(1) 山まかせの思想―暗黙知と自然への理解 遊ぶ人/山の人たち/民俗学にとっての山村/山村性と民俗技術/ 備長炭が育んだ森/世界一硬い炭/二次林での狩猟/木の実の採集/ 川での漁撈/山の幸を与える山の神/「山まかせ」の思考 研究のことば【暗黙知】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(2) 日常性への信頼―生活のリズムとはたらくこと 議論の中心としての周縁/あるフィールドワークのはじまり/ 一軒の生活を成り立たせる道具類/傾斜地に生活空間を造り出す/ オモヤ(主屋)・ニワ(庭)/カド(門)・ハタケ(畑)・ヤマ(山)/ 身についた体の使い方と道具/不便な山奥に住み続ける理由 研究のことば【仕事と稼ぎ】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(3) 良い仕事の定義―身体技法とものづくり 道具を見つつ、人を見る/地機との出会い/木綿以前のこと/ 古い形式の道具が得た新たな役割/天秤腰機のフィールドワーク/ 太布の用途と素材の特徴/コウゾの物性と機仕事/ 機の身体技法/労働をめぐる固有な価値観 研究のことば【身体技法】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(4) 漁撈技術と知識―技術の変化と家庭の味 はたらく男の力飯/一攫千金、ハイリスク・ハイリターン/ 震源地に最も近く、世界三大漁場に最も近い/半島の南側:表浜の漁業/ 半島の北側:裏浜の漁業/「技術は常に北の南部から」/ 漁業は経済と直結している/漁民は定住する 研究のことば【フォークターム】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(5) 復興のなかの創造―災害の歴史と技術継承 三陸らしい港町/復興期の日常と生活/スレート屋根葺き講習会/ 震災後の民俗調査の再開/現代の硯の製作技術:アラボリ/ 現代の硯の製作技術:ジサライ・シアゲ・ケショウ/ 江戸時代から明治三陸津波、昭和三陸津波/ 昭和三陸津波からチリ地震津波、東日本大震災/ 復興のたびに生まれ変わってきた工芸品 研究のことば【正統的周辺参加】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(6) 記憶を担う造形―捕鯨文化と人生の誇り 三陸海岸最南端の牡鹿半島・鮎川/家族・隣人の歴史/見えてきた三陸の捕鯨文化/ 「くじらトレジャー」に込められた人生の物語/クジラの町の誇りと部位標本/ 玄関や居間に飾るペンギンの剥製/それぞれの「文化財」/鯨歯工芸と印鑑/ 「メモリーオブジェクト」としてのくじらトレジャー/クジラミュージアムの伝統/ 震災一〇年で甦った新たなクジラミュージアム 研究のことば【ヴァナキュラーアート】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(7) 必要は発明の母―職人技術の基礎と応用 杜の都:仙台名物を支える道具/カスタムメイドという戦略/ カスタムメイドの業務用・プロ用の金網製品/街宣車から野外ロック・フェスティバルまで/ 規格化された道具を使いこなす/謎の紀州鍛冶/旅する鍛冶屋/ 〝紀州鍛冶〟の器用な順応/職人の心意気 研究のことば【カスタマイズ】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(8) 非日常に生きる―祝祭空間のなかの日常 縁日市のワクワク感/祝祭性の魔力/市を取り仕切る市神さま/市神の迎え方/ 市をめぐる「笠井のダルマ市」/市をめぐる「福岡県南部・熊本県各地の初市」/ 市をめぐる「奈良県各地の初エビス」/縁日市のなかの日常と非日常 研究のことば【自由と平和】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(9) わが道を生きる―擬制の家族と「一匹狼」 親・兄弟の契り/浮き沈みの激しい家系/「一匹狼」を生きる/ 関係性のなかで自分の道を切り拓く 研究のことば【イノベーション】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(10) あとがき 参考文献