冷戦終結からウクライナ戦争へ ―ドイツ統一、ソ連崩壊の原点から考える―
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2025年7月7日21:18
「戦争はすべきではない」との単純な観点で、「ウクライナ戦争」勃発(侵攻・侵略)からメディア情報を追ってきたところに本書に出会いました。 本書を読み、社会学書・歴史学書・経済学書・経営学書として、大学卒業の必須選択科目を勉強させて頂いた印象です。 旧東独地域における記録的な失業者の膨らみ。西ドイツマルクと東ドイツマルクの交換レートの変化。旧東独大手小売業の理事長さまへのインタビュー(経営の生き残りについて、辛くも熱い取材)など、ドイツ統一時における予期せぬ社会・経済事情から市民生活への影響まで広く記述しており、まさに社会学・経済学・経営学の範疇として学ぶことが出来ました。 ベオグラードの市民集会に呼ばれ、「戦後日本の成功の秘密を聞きたい」との質問を受けた時の筆者の回答にも、なるほどと納得しました。 また、通訳のルーマニア人が、ホテルにあった石鹸にくぎ付けにされたエピソードは、物資がないルーマニア人の暮らしぶりを端的に示しており、忘れがたい一節でした。 身の危険をも感じさせる現地ルポが豊富なことが本書の魅力で、筆者に敬意を表したい。 「人があって初めて国家がある」 「世界平和を具現化していくためには、国の指導者だけではなく、世界の一人ひとりが個人レベルで平和を希求していくことが、何よりも重要だと考える。」 「人間は必ず、困難を克服できると信じている。」などの筆者の言葉にも心打たれました。
2025年7月7日20:32