蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)

恩田 陸
幻冬舎
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2次予選での課題曲「春と修羅」。 この現代曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの分かれ道だった。 マサルの演奏は素晴らしかった。 が、明石は自分の「春と修羅」に自信を持ち、勝算を感じていた……。 12人が残る3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進むのは誰か。 そして優勝を手にするのは――。

みんなのレビュー

本を読むのが楽しくなる!! 夢と希望とよろこびに満ちた素敵な小説だ。軽やかにページをめくり、次々と情景が流れてくる。ピアノの音が心地良く聴こえてきて、本を読んでるのか、音楽を聴いているのかわからなくなってしまう。 何よりも音楽に対する表現がとても良い。ピアノコンクールが舞台なので、課題曲それぞれを描くのに、物語的な描写で描かれている。これがとても良くて引き込まれてしまう。今までこんな表現は聞いたことがない。クラシックの曲をこんな風に表現してくれたら魅力的になるだろうなと思う。恩田陸ならではの圧倒的な表現力に敬服するしかない。 コンテスタント四者四様のストーリーが絡みながら進み、誰が優勝するのだろうと楽しみながら読み進めた。でも、後半になればなるほど、優勝者は誰でも良くなっていき、感動だけが膨らんでいった。読み終えた感動が今でも余韻となっている。 こんな良い小説を読んだら、ピアノコンサートに行きたくなるよね♪

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