今月みんなで読む本
過去のレビュー
この本を通読すれば、"pythonがちゃんと書ける人"になれます。機械学習エンジニアやデータサイエンティストであれば、この本の知識があればその後pythonプログラミングで困ることはなくなります。むしろ、組織のpythonコード品質を上げる側のエンジニアになれます。
あえて残念な点を挙げるとすれば、デザインパターンへの言及が少ない点です。一部のデザインパターンに対してpythonicに改変する作業を通して学んでいくスタイルですが、欲を言えば全てのデザインパターンに言及があれば良かったです。
かなり分厚く重量のある書籍なので、電子書籍を利用することをおすすめします。
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強化学習のイメージを掴むのに最適な本です。難しい理論や細かい実装テクニックなどは端折って、"強化学習って何をしているの?"を誤魔化すことなく0から説明しています。取り扱っているトピックの範囲は狭いですが、強化学習の基礎的なトピックに対して深く堅い普遍的な理解が得られます。 著者は他分野でもゼロつくシリーズとして高品質な書籍を量産していますが、こんなに広い分野に対して正しい解釈と体系を構築できることに畏怖の念を抱いてしまいます。
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強化学習の①理論②実装③応用が三拍子揃ってってバランスよく書かれた良書です。
強化学習は理論部分の難易度が高く、最初に読む本を間違える(理論をちゃんと勉強してから実装や応用に進もうとする)と挫折してしまうリスクが高い分野ですが、本書を最初に読んでおけば間違いありません。
書籍内で示されているサンプルコードも品質が高く、実務でもそのままプロダクション環境で使えるレベルです(※適用先ドメイン固有の例外処理などは追加実装する前提)。
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因果推論における各手法の背景になる理論と仮定がシンプルな数式と平易な説明でまとまっている良書。ルービン流のポテンシャルアウトカムフレームワークに基づく因果推論をメインに取り扱っている書籍です。
因果推論を用いて因果効果の推定をする際には、分析に用いる手法の背後にある仮定の理解が大変重要です。仮定が理解できていないと、適用する手法を間違えたり、結果の解釈を誤ってビジネス上の意思決定に悪影響を及ぼしたりすることにつながります。
数理統計学の知識などがなくても読み進めていけるので初学者でも独学ができますが、実務レベルでの応用やユースケースについては記載が少なく、使い方よりも理論を学びたいに人におすすめです。
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統計検定1級の対策のために購入。この本の9章までを通読すれば、統計数理の過去問を解く際に必要な知識はほぼ全て網羅されます。
通読の際には命題や定理の証明も全て手で追うと効果的です。計算力が養われます。証明においては一部天下り的に方針が示されている箇所やそもそも証明が省略されている定理があり、モヤモヤすることもありますが、統計検定1級という限定的な範囲では出題されない知識に由来する部分なので、試験対策と割り切れば問題ありません。
本書で省略されている証明(尤度比検定統計量の分布収束など)が記載されている書籍として、平行して参照するのにおすすめなのは竹村著の"現代数理統計学"です。想定読者のレベルや難易度は共通していますが、内容の過不足を補完できる関係にあり、また、同一事項に対しても説明や解釈の切り口が違っていて知識を有機的に繋げるのに役立ちます。
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