カフーを待ちわびて (宝島社文庫)
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沖縄の小さな島を舞台に、絵馬に書いた願い事がきっかけで、神様が本当に花嫁を連れてくるという物語が描かれています。優しくて温かい、少し切ない恋の話で、第1回『日本ラブストーリー大賞』を受賞した作品です。著者は原田マハで、様々な職歴を経て作家として独立しました。
2025年8月2日20:20
原田マハのデビュー作! 沖縄を舞台にしたピュアなラブストーリー。カフーとは、沖縄の方言でいい報(しら)せ、幸せのこと。 沖縄の情景がストーリーに合っていてとても心地良い。不器用な男性と突然島にやってきた謎の女性が繰り広げる関係性に吸い込まれていく。 始まりは、男性が北陸のある神社で絵馬に書いた「嫁に来ないか」に対して、女性が「私をあなたのお嫁さんにしてくだい」と手紙を送ってきたこと。 なかなか自分の気持ちを伝えられない男性。そして、何か重要なことを隠して素性を言わない女性。そんな2人の周りに絡んでくる幼なじみや島のリゾート開発がサイドストーリーとなって興味深く展開していく。 誤解とすれ違いで離れてしまう2人だが、その後の関係はどうなるのか、カフーは来るのか、その答えは女性から送られてきた手紙にすべてが書かれていて、最高のエンディングへと向かう。 原田マハには『本日は、お日柄もよく』や『楽園のカンヴァス』など名作があるが、このデビュー作はそれとは違ったピュアな作風がありとても良かった。