【2025年】「ハンナアーレント」のおすすめ 本 66選!人気ランキング
- 人間の条件 (ちくま学芸文庫 ア-7-1)
- 悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549)
- ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書 2257)
- エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告【新版】
- 人間の条件 (講談社学術文庫)
- 世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた (フォレスト2545新書)
- Essai d'intoxication volontaire : Suivi de L'heure du crime et le temps de l'oeuvre d'art
- いつもそばには本があった。 (講談社選書メチエ 700)
- 自民党: 政権党の38年 (中公文庫 き 34-1)
- まっとうな政治を求めて──「リベラルな」という形容詞
本書は、アレントの主著の一つであり、人間の内発的能力を「労働」「仕事」「活動」の三つの側面から考察します。近代以降、労働が優位になり、仕事や活動が人間的意味を失った結果、現代世界の危機が生じたと論じています。また、「公的領域」の喪失と「私的領域」の支配が全体主義の基盤を形成することを示しています。
この書籍は、排外主義や強権的政治にどう対処すべきかを探求し、ハンナ・アーレントの著作を通じてその思考法を明らかにします。特に、ナチスによるユダヤ人大量虐殺に関するアーレントの作品『全体主義の起源』や『エルサレムのアイヒマン』が焦点となります。目次には、ユダヤ人の位置づけや人種思想、大衆の欲望、悪の正体についての章が含まれています。著者は法哲学や政治思想史を専門とする仲正昌樹です。
この文章は、アーレントの「アイヒマン・エルサレム」に関する内容紹介で、アイヒマンが思考を欠いた結果、歴史的な犯罪者となったことを論じています。著者は、ホロコーストと法、正義、人類の罪についての考察を展開し、最新の研究を反映した新版を発表しました。目次には法廷、被告、ユダヤ人問題、移送などの章が含まれ、著者の経歴も紹介されています。
全体主義と対決・考察を続けた彼女の思考を現象学、政治、思想という三つの視点を駆使して明らかにする。 「手摺なき思考」とは何か。激動の現代史において全体主義と対決・考察を続けた彼女の思想の全貌を現象学、政治、思想という三つの視点を駆使して明らかにする。
この文章は、全体主義の信念がもたらす根源的な悪について考察し、ナチス・ドイツとソヴィエト・ロシアの同質性を分析する内容です。全体主義体制が生み出す犯罪は、従来の理解や説明を超え、人間性を否定するものであると述べています。目次では、階級社会の崩壊や全体主義運動、国家機構、秘密警察、強制収容所などが取り上げられ、全体主義の本質に迫ります。著者はハンナ・アーレントで、彼女の経歴や亡命後の活動も紹介されています。
本書は、20世紀における全体主義、反ユダヤ主義、帝国主義の影響を探求し、人間の尊厳が新しい政治原理と法の下でのみ保証される必要があることを論じています。著者は、強制収容所や絶滅収容所といった歴史的現実を理解するための営みから本書を執筆し、国家や法、さらには人間の本質を破壊した全体主義の道筋を描いています。新版では最新の研究成果を反映し、より読みやすくなっています。内容は反ユダヤ主義、ユダヤ人と国民国家、社会との関係、ドレフュス事件など多岐にわたります。著者はハンナ・アーレントで、彼女の経歴や思想も紹介されています。
ノンフィクション書評サイト「HONZ」が10周年を迎え、サイエンスや医学、歴史など多様なジャンルから厳選した100冊の書籍をレビューと共に紹介しています。著者は成毛眞氏で、元日本マイクロソフト社長です。
近代と向き合い、格闘し、支えた思想家たちの思考のエッセンスを平易に解説、自由と公共をめぐる思想的遺産を縦横に論じて、現代社会をよりよく考える基盤を指し示す。政治・経済・哲学の枠を超え、近代社会の通奏低音をなす思想の姿を浮かび上がらせた、刺激に満ちた最良の道案内。 序 章 社会思想とは何か 1 社会思想の歴史とは何か 2 社会思想史の方法 3 「時代」 と 「思想」 の文脈 4 社会思想の基本問題 —— 「自由」 と 「公共」 の相関 第1章 マキアヴェリの社会思想 1 「時代」 の文脈 —— 市場経済の復活と近代国家の胎動 2 「思想」 の文脈 —— イタリア・ルネサンスの人文主義 3 マキアヴェリの 「問題」 4 『君主論』 の人間観 5 『ディスコルシ』 の共和制論 6 マキアヴェリにおける 「自由」 と 「公共」 第2章 宗教改革の社会思想 1 「時代」 の文脈 —— 近代国家の出現と市場経済の発展 2 「思想」 の文脈 —— ルネサンスから宗教改革へ 3 宗教改革思想の 「問題」 4 ルターの信仰義認論と万人司祭主義 5 カルヴァンの予定説と資本主義の精神 6 宗教改革思想における 「自由」 と 「公共」 第3章 古典的 「社会契約」 思想の展開 1 「時代」 の文脈 —— 国際商業戦争の幕開け 2 「思想」 の文脈 —— 科学革命から自然法学へ 3 社会契約思想の 「問題」 4 ホッブズの機械論的人間観と絶対主権の理論 5 ロックの理性的人間観と政治社会論 6 社会契約思想における 「自由」 と 「公共」 第4章 啓蒙思想と文明社会論の展開 1 「時代」 の文脈 —— 文明社会の発展 2 「思想」 の文脈 —— フランスとスコットランド 3 啓蒙思想の 「問題」 4 フランス啓蒙の文明社会像 —— ヴォルテールから重農主義まで 5 スコットランド啓蒙の文明社会像 —— ハチソンとヒューム 6 啓蒙思想における 「自由」 と 「公共」 第5章 ルソーの文明批判と人民主権論 1 「時代」 の文脈 —— 文明社会の危機 2 「思想」 の文脈 —— 啓蒙から文明批判へ 3 ルソーの 「問題」 4 『社会契約論』 における一般意志と人民主権 5 ルソーにおける 「自由」 と 「公共」 第6章 スミスにおける経済学の成立 1 「時代」 の文脈 —— 文明社会の危機を超えて 2 「思想」 の文脈 —— 啓蒙から社会科学へ 3 スミスの 「問題」 4 『道徳感情論』 における共感と道徳秩序 5 『国富論』 における分業・市場・富裕 6 スミスにおける 「自由」 と 「公共」 第7章 「哲学的急進主義」 の社会思想 —— 保守から改革へ 1 「時代」 の文脈 —— 二重革命のはじまり 2 「思想」 の文脈 —— バークとマルサス 3 哲学的急進主義の 「問題」 4 功利主義の思想 —— ベンサムとジェームズ・ミル 5 古典派経済学の思想 —— リカードウの 『経済学原理』 6 哲学的急進主義における 「自由」 と 「公共」 第8章 近代自由主義の批判と継承 —— 後進国における 「自由」 1 「時代」 の文脈 —— 二重革命の光と影 2 「思想」 の文脈 —— カント、フィヒテ、ロマン主義における自我の発見 3 ヘーゲルの 「問題」 4 ヘーゲルの学問論と市民社会論 5 ヘーゲルにおける 「自由」 と 「公共」 第9章 マルクスの資本主義批判 1 「時代」 の文脈 —— 資本主義の危機 2 「思想」 の文脈 —— マルクス以前の社会主義 3 マルクスの 「問題」 4 哲学批判 —— 『経済学・哲学草稿』 から 『ドイツ・イデオロギー』 へ 5 『資本論』 の資本主義批判 6 マルクスにおける 「自由」 と 「公共」 第10章 J・S・ミルにおける文明社会論の再建 1 「時代」 の文脈 —— 資本主義の変化と民主主義の進展 2 「思想」 の文脈 —— 哲学的急進主義の再検討 3 ミルの 「問題」 4 哲学と道徳の革新 5 社会主義の可能性 6 ミルにおける 「自由」 と 「公共」 第11章 西欧文明の危機とヴェーバー 1 「時代」 の文脈 —— 帝国主義と大衆社会 2 「思想」 の文脈 —— 実証主義の諸潮流 3 ヴェーバーの 「問題」 4 『職業としての学問』 と近代合理主義の起源 5 『職業としての政治』 と民主主義の運命 6 ヴェーバーにおける 「自由」 と 「公共」 第12章 「全体主義」 批判の社会思想 —— フランクフルト学派とケインズ、ハイエク 1 「時代」 の文脈 —— 世界大戦、ロシア革命、大恐慌 2 「思想」 の文脈 —— 全体主義批判の諸相 3 全体主義批判の 「問題」 4 『啓蒙の弁証法』 の資本主義文明批判 5 ケインズとハイエクにおける2つの自由主義 6 全体主義批判における 「自由」 と 「公共」 第13章 現代 「リベラリズム」 の諸潮流 1 「時代」 の文脈 —— 社会主義体制の成立と崩壊 2 「思想」 の文脈 —— 「歴史の終わり」 か 「文明の衝突」 か 3 現代リベラリズムの 「問題」 4 ハーバーマスとロールズ 5 ロールズにおける公正としての正義 6 現代リベラリズムにおける 「自由」 と 「公共」 終 章 社会思想の歴史から何を学ぶか 1 方法からの問い 2 現代における 「自由」 と 「公共」 の可能性
言語一般についてまた人間の言語について 暴力の批判的検討 神学的・政治的断章 翻訳者の課題 カール・クラウス 類似性の理論 模倣の能力について ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて 技術的複製可能性の時代の芸術作品「第三稿」 歴史の概念について 訳者解説
政治的自由や公共性が危機に瀕する現在、アーレントの思考から何を学ぶべきか。主要テーマを掘り下げた決定版の入門書、著作解題付。 政治的自由や公共性が危機に瀕する現在、アーレントの思考から私たちは何を学ぶべきか。主要テーマ群を最新視点で掘り下げる決定版の入門書。著作解題、略年譜付。 二十世紀の全体主義の惨禍を、一人のユダヤ人女性として、亡命知識人として生きたハンナ・アーレント。政治的公共性や市民的自由がグローバルな危機に瀕し、民主主義の未来が脅かされる現在、彼女の思考の遺産から私たちは何を学ぶべきなのか? ベテランから若手まで総勢50名の気鋭の執筆者が、主要なテーマ群を最新の視点で掘り下げる決定版の入門書。各著作の解題や略年譜も付す。 序 【三浦隆宏】 凡 例 著作略号一覧 第Ⅰ部 アーレントにおける基本概念 1 愛──その哲学的議論にみる、世界の脱‐構築 【阿部里加】 2 ユダヤ人問題──そしてパレスチナ問題 【小森謙一郎】 3 全体主義──アーレント政治思想の基礎概念 【牧野雅彦】 コラム❶ マルティン・ハイデガー 【木村史人】 コラム❷ カール・ヤスパース 【豊泉清浩】 4 労 働──アーレント思想の下部構造 【百木 漠】 5 制作/仕事──人為的制作物をめぐる思考の現代的意義と限界 【篠原雅武】 6 活動/行為──それは語りなのか 【橋爪大輝】 7 はじまりと出生──自由の原理と、その困難 【森川輝一】 8 公と私──古典古代モデルと現代的意義 【川崎 修】 コラム❸ ハンス・ヨナス 【戸谷洋志】 コラム❹ ギュンター・アンダース 【小林 叶】 コラム❺ ヴァルター・ベンヤミン 【細見和之】 9 革命・権力・暴力──自由と合致する権力、自由のための革命 【石田雅樹】 10 アイヒマン裁判──「悪の凡庸さ」は論駁されたか 【三浦隆宏】 11 真理と嘘──二十世紀の政治を問う 【小山花子】 12 思 考──現われの“reality” 【青木 崇】 13 意 志──留保し、可能性を開く 【木村史人】 14 判 断──政治的なものと歴史的なものの交叉 【宮﨑裕助】 15 世 界──耐久性、共通性、複数性 【森 一郎】 コラム❻ ハインリヒ・ブリュッヒャー 【初見 基】 コラム❼ ニューヨークの知識人たち 【大形 綾】 第Ⅱ部 現代世界におけるアーレント 1 理解と和解──人間の本質を信じること 【対馬美千子】 2 約束と赦し──アウシュヴィッツ以後の時代における政治倫理学 【守中高明】 3 悪と無思慮──アイヒマンは何も思考していないのか 【山田正行】 4 責任・道徳・倫理──アーレント責任論の意義と限界 【渡名喜庸哲】 5 芸術論──不死性のための美学 【齋藤宜之】 コラム❽ 物語り 【矢野久美子】 コラム❾ アーレントとスピノザ 【國分功一郎】 6 自由論──複数性のもとで「動く」自由 【齋藤純一】 7 共和主義──新しさの指標 【森分大輔】 8 法と権利──政治の条件としての人為的制度 【毛利 透】 9 熟議と闘技──活動/行為はどのようなかたちをとるのか 【金 慧】 10 政治学──アーレントと政治理論 【乙部延剛】 コラム❿ デモクラシー 【山本 圭】 11 社会的なもの/社会──その公共性との関係をめぐって 【河合恭平】 12 市民的不服従──新たな政治体の「はじまり」 【間庭大祐】 13 フェミニズム──「攻撃されている事柄」による抵抗 【舟場保之】 14 教育学──過去と未来を架橋する出生 【小玉重夫】 15 科学技術──科学を公共圏に取り戻すことは可能か 【平川秀幸】 コラム⓫ 政 策 【奥井 剛】 コラム⓬ アーレント研究センター 【阿部里加/百木 漠】 第Ⅲ部 各国における受容 1 日 本 【三浦隆宏】 2 英語圏 【蛭田 圭】 3 ドイツ 【シュテファニー・ローゼンミュラー】 4 フランス 【渡名喜庸哲/柿並良佑】 第Ⅳ部 著作解題 アーレント著作マップ 1 『アウグスティヌスの愛の概念』 【和田隆之介】 2 『ラーエル・ファルンハーゲン』 【押山詩緒里】 3 『パーリアとしてのユダヤ人』 【石神真悠子/百木 漠】 4 『全体主義の起原』 【石神真悠子/百木 漠】 5 『人間の条件』/『活動的生』 【青木 崇】 6 『過去と未来の間』 【青木 崇】 7 『革命について』 【田中智輝】 8 『エルサレムのアイヒマン』 【石神真悠子/百木 漠】 9 『暗い時代の人々』 【田中智輝】 10 『暴力について』 【田中智輝】 11 『精神の生活』 【村松 灯】 12 『カント政治哲学講義』 【村松 灯】 13 『政治思想集成』 【小森(井上)達郎】 14 『政治とは何か』 【小森(井上)達郎】 15 『政治の約束』 【和田隆之介】 16 『責任と判断』 【村松 灯】 17 『ユダヤ論集』 【押山詩緒里】 18 『思索日記』 【押山詩緒里】 19 書簡集 【田中直美】 20 手稿類 【田中直美】 21 『批判版全集』 【橋爪大輝 アーレント略年譜 【齋藤宜之】 事項索引 人名索引
男性、男性性、そして援助要請の文脈 ハイブリッドな男性性 ヤワなペニスを硬くして 新自由主義的メリトクラシーにおける白人労働者階級の少年たち グローバルな文脈における男性の実践とジェンダー関係を研究する 「ヘゲモニックな男性性」から「男性のヘゲモニー」へ 防衛専門家たちの合理的な世界におけるセックスと死 ヴェールに隠された参照項 国際関係における軍事化された男性性 男性性、身体化された男性労働者、そして歴史学者のまなざし キリスト教的兄弟愛、あるいは変態性欲? ジェンダーと帝国主義
ヘイト本がつくりあげる〝憎悪の棚〟を直視し、熱くもなければ、かっこよくもない、書店と出版の仕事の実像を明らかにする。 「ヘイト本」の15年は書店・出版業界のなにを象徴し、日本社会になにをもたらすのか。見て見ぬふりでつくり上げられてきた〝憎悪の棚〟を直視し、ごく〝普通〟で凡庸な人たちによる、書店と出版の仕事の実像を明らかにする。 反日、卑劣、心がない。平気でウソをつき、そして儒教に支配された人びと。かかわるべきではないけれど、ギャフンと言わせて、黙らせないといけない。なぜなら○○人は世界から尊敬される国・日本の支配をひそかに進めているのだから。ああ〇〇人に生まれなくてよかったなあ……。 だれもが楽しみと知恵を求めて足を運べるはずの本屋にいつしか、だれかを拒絶するメッセージを発するコーナーが堂々とつくられるようになった。そしてそれはいま、当たりまえの風景になった──。 「ヘイト本」隆盛の理由を求めて書き手、出版社、取次、書店へ取材。そこから見えてきた核心は出版産業のしくみにあった。「ああいう本は問題だよね」「あれがダメならこれもダメなのでは」「読者のもとめに応じただけ」と、他人事のような批評に興じるだけで、無為無策のまま放置された「ヘイト本」の15年は書店・出版業界のなにを象徴し、日本社会になにをもたらすのか。 書店・出版業界の大半が見て見ぬふりでつくりあげてきた〝憎悪の棚〟を直視し、熱くもなければ、かっこよくもない、ごく〝普通〟で凡庸な人たちによる、書店と出版の仕事の実像を明らかにする。 ◎すこし長いまえがき─不愉快な旅だちのまえに 本屋はただそこにあるだけで影響力がある/モラルハザードが起きやすい流通システム/「返品しない」のも判断/書店員も組織の一員/どんどんネトウヨが喜ぶ社会に/ヘイト本を「ヘイト本」と呼ぶのは適切か/インターネットが生んだ出版トレンド/雑誌・ムックから書籍・新書へ/ヘイト本とポルノの類似性 1◎ヘイト本が読者に届くまで ■町の本屋のリアル─書店経営者座談会 「こういう本を望んでいたんだよ」/女性が『WiLL』を買うのを見たことがない/反対する本は、どれもこれも売れそうにない/中高年男性の癒しとファンタジー/どの店でも売れるわけではなかった/新書はブームのきっかけになりやすい/中韓経済崩壊本は『ムー』と読者が重なる/買う・買わないはお客さんが判断すること/いちど出版しておいて、引っこめるのはおかしい/女性客が多い店で「成人向け」は置けない/営業に支障が出るのは怖い/店が小さくったって、間口は狭めちゃだめ ■チェーン書店─ 個人の意思だけでは決められない すべてがオートマチック─ 某大手チェーン本部の場合/どう扱うかは各店にまかされる─あゆみBOOKSの場合/書店人としての意見を旗幟鮮明にする─ジュンク堂書店・福嶋聡の場合/クレームへの対応─「アリーナとしての書店」の困難①/「書店員の仕事」ができない─「アリーナとしての書店」の困難②/どんな本も積極的に排除はしない─某大手書店の場合 ■出版取次─まったくの透明な装置 出版社と書店のあいだを〝取り次ぐ〞会社/「出版社がつくった初版部数を基本、信頼はする」/「そもそも、ヘイト本のブームなんてありましたっけ?」/担当書店の返品率をいかに下げるか/ヘイト本ブームとPOSは無関係?/たんに入荷したから並べているだけ ■出版社─「売れるから」と「売れなくても」 ちょっと新しい見方の本/売れたジャンルをイナゴのように食いつくす/歴史に名を残す出版社の〝大転回〞/パワハラとヘイト本/ひと炎上三万部/〝自己実現〞のための本づくり ■編集者─かなりの部分、仕事だからやっている インターネットが重要な供給源/編集者は仕事だからやっている/青林堂で〝ピンチヒッター〟/読むのは意外と〝知識層〟/『マンガ嫌韓流』刊行の立役者もあの人?/保守系の本をつくる人にはバランス感覚が必要 ■ライター─願望をなぞり、陰謀をほのめかす 「こんなの読むのはバカだよね」/ヘイト本の読者はネット右翼ではない/ネット右翼誕生の伏流、『戦争論』/保守デフレ時代を生きのこる「経済右翼」/ネットと無知の融合が生んだ都市伝説/民主化以前の韓国をみんな知らない/自信がないから日本自賛本を読む/ヘイト本ブームが去っても 2◎ヘイト本の現場を読み解く ■川上から川下まで─ 出版界はアイヒマンか ヘイト本はポルノとは違う/ホロコーストも、こんなふうに ■書店への幻想─書店員は本を選べない セレクト書店はヘイト本を選ばない/「書店=アリーナ」論は有効か/本屋大賞の成功と「カリスマ書店員」と/ひろがる誤解、ふくらむ幻想/選ばないのか、選べないのか ■取次の岐路─いまのままでは維持できない POSデータが生んだ画一化とランキング依存/出版業界の外から迫る危機 ■出版社の欺瞞─だれも責任をとらない 不本意な仕事の結果にも責任がある/本当は出してはいけないものを知っている/編集者の名を本に明記するべき ■ネットと本とマスメディア─ 刷りこまれる嫌悪感 「ヘイト本を買うのは普通のこと」/マスメディアによる日常的な刷りこみ/自分の店にマイノリティが来ると思っていない/現代でも人間は簡単に扇動される/マスメディアへの不満のはけ口/わたしたちになにができるか ◎すこし長いあとがき─変わらなければ、滅ぶだけ この難題とどう向きあえるか/答えは出ているのに変われない現状/日本の出版産業の欠陥のあらわれ/〝人〟が働く本屋をとりもどすには/パターン配本と委託制をやめなければ変われない/ヘイト本が客を遠ざけてはいないか/魅力のない本屋は滅びるのだから
「物象化」をめぐりルカーチの議論と立ち向かいながら、現代の社会的批判理論が支持すべきパラダイムについて検討した著者の講義録。 「物象化」をめぐり、公式にはルカーチの議論と立ち向かいながら、非公式には現代の社会的批判理論が支持すべきパラダイムについて検討した「タナー講義」の記録。 フランクフルト学派の強い影響下で独自の社会理論を形成し、「批判理論」の現代における代表者とされるホネットの講義録。「物象化」をめぐり、公式にはルカーチの議論と立ち向かいながら、非公式には現代の社会的批判理論が支持すべきパラダイムについての再検討を行う。同講義におけるJ.バトラー、R.ゴイス、J.リアの批判、それに対するホネットの反批判をも紹介した訳者の詳細な解説を付す。 前書き はじめに 1章 ルカーチにおける物象化 2章 ルカーチからハイデガー、デューイへ 3章 承認の優位 4章 承認の忘却としての物象化 5章 自己物象化の輪郭 6章 物象化の社会的起源 訳者解説1(宮本真也) 訳者解説2(辰巳伸知) 人名索引
初期ヘーゲルの愛、法(権利)、尊重を援用し「承認」論の重要性を決定的に位置づけた必読書。増補「承認の理由」を新たに収録する。 愛、法(権利)、尊重の初期ヘーゲルの承認形式を援用し、新たな批判理論の地平を目指す。増補「承認の理由──批判的な反問に対する応答」を新たに収録する。 現在の批判理論における最重要の課題である「承認」論の重要性を、決定的に位置づけた必読書。第一版の刊行後に寄せられた反響に原著者が応えた、増補「承認の根拠──批判的な反問にたいする応答」を新たに収録する。愛、法(権利)、尊重という三つの承認形式に基づく初期ヘーゲルの思考を援用し、ハーバマスのコミュニケーション論を批判的に展開させ、新たな批判理論の地平を目指す。 日本語版への序文 序文 第Ⅰ部 歴史的な想起──ヘーゲルの本来の理念 第1章 自己保存をめぐる闘争──近代の社会哲学の基礎づけ 第2章 犯罪と人倫──ヘーゲルの間主観性論の新たなアプローチ 第3章 承認をめぐる闘争──ヘーゲルのイェーナ実在哲学の社会理論 第Ⅱ部 体系の現在化──社会的承認関係の構造 第4章 承認と社会化──ミードによるヘーゲルの理念の自然主義的な転換 第5章 間主観的な承認のモデル──愛、法(権利)、連 第6章 人格の同一性と尊重欠如──暴力的抑圧、権利の剥奪、尊厳の剥奪 第Ⅲ部 社会哲学的な展望──道徳と社会的発展 第7章 社会哲学的な伝統の軌跡──マルクス、ソレル、サルトル 第8章 尊重欠如と抵抗──社会的コンフリクトの道徳的論理 第9章 人格的統合の間主観的条件──人倫の形式的構想 承認の根拠──批判的な反問にたいする応答 訳者あとがき(旧版) 訳者あとがき(増補版) 原注 参考文献 事項索引 人名索引
ロールズ以降の正義論に根本的な反省を迫り、フェミニズム理論や多文化主義論に多大な影響を与え続ける政治哲学の古典的名著。 ロールズ以降の正義論に根本的な反省を迫り、フェミニズム理論や多文化主義論に多大な影響を与え続ける政治哲学の古典的名著。差異を肯定する民主主義を提唱。 自分と異なる他者への嫌悪や抑圧は、差異を取り除き、同一にすればなくなるのだろうか。正義の分配的パラダイムの限界を指摘し、性や人種、年齢や文化などの差異を認知して肯定する都市の公衆と民主主義にこそ、著者は希望を見いだす。差異と正義に関する社会的・規範的な理論としてもはや古典とされる、政治哲学者ヤングの主著ついに翻訳。 謝辞 序章 第1章 分配的パラダイムを置き換える 第2章 抑圧の五つの側面 第3章 反乱と福祉資本主義社会 第4章 不偏性と公民的公衆の理想 第5章 身体の序列化とアイデンティティの政治 第6章 社会運動と差異の政治 第7章 アファーマティブ・アクションと能力という神話 第8章 都市生活と差異 エピローグ 国際正義 訳者あとがき 参考文献 索引
日々起きる事件や問題発言をめぐってネットユーザーは毎日のように言い争っている。諍いを生み出す社会やメディアのあり方を考える。 日々起きる事件や出来事、問題発言をめぐって、ネットユーザーは毎日のように言い争っている。終わりのない諍いを生み出す社会やメディアのあり方を考える。 日々起きる事件や出来事、問題発言をめぐって、ネットユーザーは毎日のように言い争っている。終わりのない諍いを生み出す社会やメディアのあり方を考える。 そして誰も何も言えなくなった―― キャンセルカルチャー、テキストコミュニケーションの困難、 入り乱れ矛盾する「公共性」、陰謀論とフェイクニュース、 シニカルな勘繰り、分断と無関心…終わりのない論戦。 「炎上」を経験したメディア社会論者が分析。 日々起きる事件や出来事、問題発言をめぐって、 ネットユーザーは毎日のように言い争っている。 他人が許せないのは、対話が難しいのはなぜか。 物事の見え方に違いが生まれるのはなぜなのか。 背景にある社会やメディアのあり方を考える。 ・ネット上のコミュニケーションがうまくいかない社会的背景、構造的問題を丁寧に解説 ・SNS上で議論になっているトピックの論点がわかる ・ネットを超えた社会の政治的対立についてもわかる ・SNSとの付き合い方を見直したくなる ・ネットに疲れている、なのに見ずにはいられない方は必読 第一章 「表現の自由」をめぐる闘争 …アニメの感想を書いたら炎上した実体験 第二章 ソーシャルメディアの曖昧さと「権力」 …メッセージ解釈はいかにしてズレていくか 第三章 エコーチェンバーの崩壊と拡大する被害者意識 …①カテゴリー思考 ②単純化 ③怒りの増幅 第四章 「不寛容な寛容社会」とマスメディア批判 …快適な社会のパラドクス、新たな迷惑行為の発見 第五章 二つの沈黙、二つの分断 …「ヘタなこと言うくらいなら黙っておくか…」という心理 終 章 単純さと複雑さのせめぎ合い …他者の目に映る世界を眺めてみるということ
「正しい」とはどういうことか。プラトン、ウィトゲンシュタイン、槇原敬之らの実践を検討し、道徳的思考の多様で奥深い内実に迫る。 「正しさ」はいかにして導かれるか。非主流派倫理学の立場からプラトン、ウィトゲンシュタイン、槇原敬之らの実践を検討し、道徳的思考の内奥に迫る哲学的探究。 「正しさ」はいかにして導かれるか。非主流派倫理学の立場からプラトン、ウィトゲンシュタイン、槇原敬之らの実践を検討し、道徳的思考の内奥に迫る哲学的探究。 それは、「価値観の押しつけ」ではない。 思考とは、理性、感情、想像力を総動員する活動だ。 その多様で奥深い内実に迫る哲学的探究! その考えは正しいか正しくないか、あるいはそれをすべきか否か――。私たちは日々、様々な道徳的判断を迫られ、あるときは自然に、また別のときには悩みに悩んで結論を下す。こうした判断はしばしば、自分たちの外部にある絶対的な規準を個別の現実に当てはめるものとして思い描かれる。だが、そんなふうにすべてを一刀両断してくれるような規準などありうるだろうか。「道徳的に考える」とはそのように機械的な営みなのだろうか。本書では、「非主流派倫理学」の立場からプラトン、ウィトゲンシュタイン、一ノ瀬正樹、槇原敬之らの諸実践を取り上げることで、道徳的に考えることの本当の意味を浮き彫りにする。 はじめに 第1章 当たり前を問い直す――なぜ法律に従うべきなのか 第2章 想像力を働かす――プラトンの『クリトン』を読む 第3章 意味の秩序を現出させる―想像力と言語ゲーム 第4章 動物たちの叫びに応答する―応用倫理学における想像力 第5章 感情を信頼する――道徳的思考と感情 第6章 多様なスタイルで思考する――槇原敬之の倫理学 おわりに/読書案内/あとがき/参考文献
古来、哲学は体系の構築である前に、人々が自然の神秘を受け止め、生の苦難を乗り越えるための精神の修練であった。自伝的な対話の… 古来、哲学は体系の構築である前に、人々が自然の神秘を受け止め、生の苦難を乗り越えるための精神の修練であった。哲学の本質を語り下ろした自伝的な対話の書。 ギリシャ・ローマ世界では、哲学は論理体系の構築である前に、人々が自然の神秘を受け止め、日常生活の苦難を乗り越えるための知恵、生の様式、精神の修練であった──新プラトン主義やストア派などの研究で世界的に知られ、コレージュ・ド・フランスで古代哲学を教えた著者が、相互的な学びに基づく哲学の本質について易しく語った自伝的な対話の書。哲学への最良の入門書、英語版もロングセラー。 はじめに 第一章 教会の法衣のもとで 第二章 研究・教育・哲学 第三章 哲学の言述 第四章 解釈・客観性・誤読 第五章 合一体験と哲学的生 第六章 精神の修練としての哲学 第七章 生き方としての哲学、知の探求としての哲学 第八章 ソクラテスからフーコーまで──ひとつの長い伝統 第九章 受け入れがたいもの? 第十章 いま在ることがわれわれの幸福 結びとして 訳 注 訳者あとがき 人名索引
気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。 気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。解説 = 国末憲人。 ▼政治においては、 騙された、というのは 言い訳にはならない。 ――レシェク・コワコフスキ ファシストは日々の暮らしのささやかな〈真実〉を軽蔑し、 新しい宗教のように響き渡る〈スローガン〉を愛し、 歴史やジャーナリズムよりも、つくられた〈神話〉を好んだ。 事実を放棄するのは、〈自由〉を放棄することと同じだ。 ファシズム前夜―― いまこそ、本を積み上げよう。〈真実〉があるのを信じよう。 歴史の教訓に学ぼう。 気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する 圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。 解説 = 国末憲人 プロローグ◆歴史と暴政 1 忖度による服従はするな 2 組織や制度を守れ 3 一党独裁国家に気をつけよ 4 シンボルに責任を持て 5 職業倫理を忘れるな 6 準軍事組織には警戒せよ 7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ 8 自分の意志を貫け 9 自分の言葉を大切にしよう 10 真実があるのを信ぜよ 11 自分で調べよ 12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 14 きちんとした私生活を持とう 15 大義名分には寄付せよ 16 他の国の仲間から学べ 17 危険な言葉には耳をそばだてよ 18 想定外のことが起きても平静さを保て 19 愛国者ペイトリオットたれ 20 勇気をふりしぼれ エピローグ◆歴史と自由 解説 国末憲人 訳者あとがき
植民地期から今日まで、カナダでは人権をめぐる争点がどう移り変わってきたのか。その歴史的経験の理解にこそ、多文化共生の鍵がある。移民史、先住民史、女性および性的マイノリティ史を横断的につなぎ、気鋭の歴史社会学者が豊富な事例をもとに分析する。 謝辞 緒言 序論 第1章 自由と国家建設 第2章 カナダにおける市民的自由 第3章 権利革命の胎動 第4章 権利革命 第5章 人権をめぐる論争 結論 訳者あとがき 原註 参考文献 補助資料サイトについて 索引
民主主義、自由主義、共和主義、そして社会主義。今日の政治を支える重要思想を一望し、政治を主体的に考える知性を磨く白熱の講義。 民主主義だけでは民主主義は機能しない。それを補完・抑制する自由主義、共和主義、社会主義などの重要思想を一望し、政治について考えることの本質に迫る。 民主主義だけでは、民主主義は成り立たない? プラトン、アリストテレスからカント、ヘーゲル、ラスキまで、 今日の政治を支える重要思想を一望する 近年、民主主義の危機が叫ばれ、その重要性を訴える議論が巻き起こっている。だが、民主主義を擁護するだけで本当に今日の「危機」は回避できるだろうか。むしろ、民主主義それ自体がポピュリズムなどの現象を招いているのではないか。本書では、政治思想が「民主政」批判から始まったことに注目しつつ、民主主義だけでなく、それを補完・抑制する原理としての自由主義や共和主義、社会主義などを取り上げ、それぞれの歴史的展開や要点を整理していく。民主主義を機能不全から救い出すために何が必要か、その核心に迫る白熱の講義。 === まえがき(空前の「民主主義」ブーム?/「選挙は大事」というけれど……/政治「思想」の重要性) 序章 人間と政治――なぜ市民が政治学を学ぶのか 1 政治責任について――「政治」というあまり気乗りのしない営み(「政界」と「政治の世界」/原罪としての政治責任/法律、道徳、政治) 2 人為と自然――運命としての政治?(人間特有の営みとしての政治/政治と運命/政治責任からの逃走/無為から生じる政治責任/政治的決断――政治と学問の対立/半神半獣としての人間) 3 政治リテラシーの涵養に向けて(政治と道徳/「悪さ加減の選択」としての政治/政治の世界の複雑性/「政治思想」とは何か/本書のアプローチ) 第1章 民主主義――それだけで十分か 1 古代民主政の誕生と衰退――デモクラシーの揺籃期(民主政以前の時代の運命観と政治観/「政治」の誕生――自然から人為へ/暴力から言葉へ/ノモスを相対化する視点/ペロポネソス戦争とピュシスの主観化/ソクラテスとソフィストの対決/ソクラテスの死) 2 古代民主政の実践と政治思想の誕生(プラトンの絶望と民主政批判/アリストテレスの哲学と国制分類論/穏健な民主政と過度な民主政) 3 近代民主主義の誕生――政治理念からエートスへ(一般意志は代表されえない/現在主義の問題/政治的実践としての近代民主主義/エートスとしての民主主義/後見人を求める民衆) 4 現代民主主義のもう一つの思想的基盤(ルソーの文明社会批判/エリートに対する軽蔑/失われた「自然」への憧憬/ニーチェの刹那主義) 5 民主主義の現在(頭数を数えるデモクラシー/転機としての第一次世界大戦/いわゆる「おまかせ民主主義」/政党の存在意義) 第2章 自由主義――なぜ生まれ、なぜ根づいたのか 1 古代世界に見られるリベラリズム的要素(ヘレニズム思想/パンとサーカス/キリスト教の登場/「神の国」と「地の国」) 2 中世におけるリベラリズムの萌芽(立憲主義の萌芽/議会主義の萌芽/資本主義を支えるエートス) 3 リベラリズムの体系化(自由主義の出発点としてのロック/ロックの所有権論/ロックの社会契約論/モンテスキューの三権分立論/イギリスにおける議院内閣制の成立/ヒュームの「黙約」論/ヒュームの文明社会論の思想史的意義/「共感」を求める人間本性/スミスの経済的自由主義) 4 社会に浸透するリベラリズム(法学者ベンサムの功利主義思想/近代社会というパノプティコン/パノプティコンと新救貧法/ヴィクトリアニズムという監獄/ウィッグの反民主主義思想/J・S・ミルの「思想の自由市場」論/スペンサーの社会進化論/「自然」の領域の変遷/進歩に対する楽観) 5 リベラリズムの現在(権力の制限という諸刃の剣/自由主義の陥穽) 第3章 リベラル・デモクラシー――歴史の終着点か 1 民主主義と自由主義の交錯(J・S・ミルの危害原理/ワイマール憲法の穴/シュミットの議会主義批判/喝采と民主主義/〈等価性の世界〉における決断主義) 2 リベラル・デモクラシーの隘路(「歴史の終わり」?/〈国制〉に対する過信/公的なものへの冷笑) 第4章 共和主義――誰もが「市民」になれるか 1 古代における共和主義の誕生(共和主義の三つの要素/プラトンの哲人王思想/アリストテレスの混合政体論/古代ローマの共和政/キケロの共和政擁護論) 2 近代における共和主義の継承(ルソーの民主政批判/自然的自由から市民的自由へ/ルソーの「一般意志」論/カントの哲学的前提/カントのパターナリズム批判/他律と自律/賢くある勇気/カントにおける共和主義と共和政) 3 民主主義と共和主義の逆転(ベンサムの民主主義/ベンサムの共和主義/過渡期としてのJ・S・ミル) 4 隠された共和主義の伝統(ヘーゲルの遺産/止揚される市民社会/ヘーゲルのロマン主義批判/混合政体としての立憲君主政/海を渡るヘーゲル/グリーンの「知的愛国者」論/ラスキの「多元的宇宙」論/ラスキの「思慮なき服従」批判) 5 共和主義と日本(忠誠と反逆/失われゆく〈武士のエートス〉/現代に生き続ける共和主義的制度/現代に生き続ける共和主義的精神/共和主義的シティズンシップ) 第5章 社会主義――過去の遺物か 1 マルクス主義と社会学――根本にある発想(「政治思想」としての社会主義/マルクスのヘーゲル批判/モノと化した人間たち/マルクスの下部構造論/マルクスの夢見た社会/社会学と社会調査の貢献/マンハイムの知識社会学) 2 自由主義と社会主義の融合(グリーンの「積極的自由」概念/ホブハウスの自由主義的社会主義/社会主義と民主主義の相補関係/ホブハウスの客観主義的権利論) 3 自由主義と社会主義の反発(ラスキのマルクス主義受容と計画社会論/ケインズのニューリベラリズム/ラスキの計画民主主義論/対抗イデオロギーとしてのネオリベラリズム/福祉国家と畜群としての大衆/小括) 終章 民主主義を活かすために――なぜいま政治思想か(政治思想と人間/人民の召使としての政治家/政治責任と希望について/リベラル・デモクラシーの超克) 読書案内/あとがき/参考文献/人名索引