【2024年】「生態学」のおすすめ 本 170選!人気ランキング
- 生態学入門(第2版)
- 生物多様性と生態学―遺伝子・種・生態系
- キャンベル生物学 原書11版
- ESGとTNFD時代のイチから分かる 生物多様性・ネイチャーポジティブ経営
- これからの時代を生き抜くための生物学入門
- 生物多様性概論 ─自然のしくみと社会のとりくみ─
- 海岸動物の生態学入門: ベントスの多様性に学ぶ
- エッセンシャル・キャンベル生物学 原書6版
- 野生動物と共存できるか: 保全生態学入門 (岩波ジュニア新書 536)
- チャレンジ!生物学オリンピック1 ―細胞生物学・分子生物学―
本書は,動物に関するフィールド生物学の基礎を学ぶための入門書である.フィールド生物学とは,生物学の中でも,進化学,系統分類学,生態学,行動学,自然保護などの野外のフィールドワークを基盤とした研究体系を指している.これまで日本では,フィールド生物学に関して専門家向けの本が多く,平易に解説した基礎的な本が少なかった.本書は読者として,大学の教養教育を学ぶ学生はもとより,高大接続教育を学ぶ高校生や大学補習教育の学生,専門教育の基礎を学ぶ学生,フィールド生物学に興味を持つ一般読者や高校生,を想定している.本書は,豊富な研究事例を専門的な観点から解りやすく解説しており,動物系のフィールド生物学に関し,概要を知り,基礎的な知識が得られるように編集してある.加えて,日本のフィールド生物学の歴史や現状に関し,簡単な解説も掲載している.【主要目次】序章 進化生態学を解説するにあたっての前書き第I部 生物の進化学第1章 生物の進化とは第2章 細胞分裂,染色体,メンデル遺伝第3章 連鎖,エピスタシス作用,性の決定と伴性遺伝第4章 量的遺伝と計量遺伝学,遺伝分散第5章 遺伝子の本体DNA,遺伝子の翻訳とタンパク質合成第6章 変異と突然変異第7章 集団遺伝第8章 種とは何か第9章 自然選択説 遺伝子プール理論による進化の再定義第10章 自然選択の実例・進化の総合説第11章 種分化理論第II部 進化から見た動物生態学第12章 生態学とはどのような学問分野だろうか第13章 個体群における個体数の増加,種内競争,大卵少産・小卵多産,rK-選択第14章 動物の生理生態第15章 種間競争,競争排除則,ニッチ分化,空間利用第16章 捕食-被捕食,メタ個体群,個体群のサイクル変動第17章 種間関係:寄生,共生,共種分化第18章 種間相互作用,栄養段階と食物連鎖,生物群集の種多様性第19章 生物地理学第20章 生態系の構造,物質循環,エネルギー流第III部 行動生態学第21章 動物行動学の歴史,行動心理学の形成第22章 動物行動学の発展第23章 血縁選択説と行動生態学の登場,真性社会性動物,子殺し行動第24章 最適戦略理論,ゲーム理論とESS第25章 性選択理論と配偶者選択行動第26章 父権の確保と精子競争第27章 性の進化,性に関する諸問題第28章 性比に関する諸問題,性比進化の仮説第29章 動物の配偶形態第IV部 環境と保全の生物学第30章 地球環境問題;地球環境問題各論第31章 生物多様性問題;森林破壊・生態系の破壊と生物多様第32章 外来種問題第33章 生物保全問題の別視点;流域思考と都市の生態系保全など終章 日本の進化学や生態学周辺の話 序章 進化生態学を解説するにあたっての前書き 第I部 生物の進化学 第1章 生物の進化とは 1.1 生物の進化の説明 1.2 進化現象の概略 1.3 進化は観察できる 1.4 現代の遺伝学と進化学の簡潔なまとめ 第2章 細胞分裂,染色体,メンデル遺伝 2.1 細胞分裂と染色体 2.2 メンデルによる遺伝の法則の発見 第3章 連鎖,エピスタシス作用,性の決定と伴性遺伝 3.1 連鎖と組換え 3.2 いろいろな遺伝とエピスタシス作用 3.3 伴性遺伝 第4章 量的遺伝と計量遺伝学,遺伝分散 4.1 量的遺伝と計量遺伝学 4.2 量的遺伝をもたらすものとしての遺伝子分散 第5章 遺伝子の本体DNA,遺伝子の翻訳とタンパク質合成 5.1 遺伝物質としてのDNA 5.2 DNA構造の解明と複製方法 5.3 DNA遺伝情報の発現のメカニズム 第6章 変異と突然変異 6.1 変異と突然変異 6.2 染色体突然変異 6.3 DNA情報の突然変異 第7章 集団遺伝 7.1 集団遺伝学 7.2 ハーディー・ワインベルグの法則 第8章 種とは何か 8.1 変異とは何か 8.2 生物における種の定義 8.3 生殖隔離 8.4 生物の分類学 第9章 自然選択説 遺伝子プール理論による進化の再定義 9.1 生物の進化と自然選択 9.2 遺伝的浮動,中立説,分子進化 第10章 自然選択の実例・進化の総合説 10.1 自然選択 10.2 自然選択の研究例 10.3 社会進化論 第11章 種分化理論 11.1 種分化の様式 11.2 異所的種分化 11.3 側所的種分化 11.4 同所的種分化 11.5 種分化が成立するまでに要する時間 11.6 その他の種分化モデル 第II部 進化から見た動物生態学 第12章 生態学とはどのような学問分野だろうか 12.1 階層構造で構成された観察単位 第13章 個体群における個体数の増加,種内競争,大卵少産・小卵多産,rK-選択 13.1 個体群動態 13.2 生活史の進化;繁殖方法の戦略 13.3 生活史形質の適応的表現可塑性 第14章 動物の生理生態 14.1 動物の資源としての食物 14.2 動物の時間制御:休眠,生物時計 第15章 種間競争,競争排除則,ニッチ分化,空間利用 15.1 資源としての食物・空間・時間 15.2 ニッチ分割と形質置換 第16章 捕食-被捕食,メタ個体群,個体群のサイクル変動 16.1 異なった栄養段階の動物の種間関係 16.2 個体数の変動とその要因,非周期的な爆発的増加 第17章 種間関係:寄生,共生,共種分化 17.1 動物の種間相互作用としての寄生と共生 17.2 生物間相互作用としての共生 17.3 送粉共生と共種分化,擬態 第18章 種間相互作用,栄養段階と食物連鎖,生物群集の種多様性 18.1 生物群集と種間相互作用 18.2 生物群集の生物多様性 第19章 生物地理学 19.1 古典的な生物地理学 19.2 島の生物群集をモデルとした現代の生物地理学 第20章 生態系の構造,物質循環,エネルギー流 20.1 生態系の基本構造 20.2 エネルギー流と物質循環 第III部 行動生態学 第21章 動物行動学の歴史,行動心理学の形成 21.1 日本における行動学分野の流行の推移 21.2 動物行動学の歴史 第22章 動物行動学の発展 22.1 ドイツにおける行動心理学の発達 22.2 闘争行動と闘争の儀式化の発見,宥和行動とあいさつ行動 22.3 行動心理学の発展的解消 第23章 血縁選択説と行動生態学の登場,真性社会性動物,子殺し行動 23.1 行動生態学の成立と血縁選択説 23.2 子殺し行動の発見と血縁選択説による再評価 第24章 最適戦略理論,ゲーム理論とESS 24.1 最適行動戦略理論 24.2 相互扶助行動とゲーム理論 24.3 代替戦略と生活史多型 第25章 性選択理論と配偶者選択行動 25.1 性選択理論の登場 25.2 配偶者選択行動 25.3 配偶者選択行動の進化に関する仮説 第26章 父権の確保と精子競争 26.1 父権の確保 26.2 交尾ガード 26.3 精子競争 第27章 性の進化,性に関する諸問題 27.1 何故有性生殖が進化したのだろうか? 27.2 何故性は2種類(メスとオス)型が圧倒的に多いのだろうか? 27.3 性の決定様式 第28章 性比に関する諸問題,性比進化の仮説 28.1 何故メスとオスの性比は1:1であることが多いのだろうか 28.2 フィシャー性比とは異なる理由で性比が0.5からずれる事例 第29章 動物の配偶形態 29.1 動物の配偶形態とは 29.2 動物の一夫一妻の説明 29.3 動物のその他の婚姻形態 第IV部 環境と保全の生物学 第30章 地球環境問題;地球環境問題各論 30.1 IGBPと地球環境問題 30.2 生態系サービスとSDGs 30.3 人新世 第31章 生物多様性問題;森林破壊・生態系の破壊と生物多様 31.1 生物多様性の3要素 31.2 気候変動と森林破壊の影響 31.3 絶滅危惧にある動物種 第32章 外来種問題 32.1 外来種問題の現状:外来種問題の5要素 32.2 外来種問題の対策と外来種の管理 第33章 生物保全問題の別視点;流域思考と都市の生態系保全など 33.1 別な視点からの外来種問題 33.2 極相林の思考と,日本土着思考としての里山運動 33.3 流域思考と都市生態系 終章 日本の進化学や生態学周辺の話
環境と生活史,競争と共存,群集と生態系 構成を大きく組みかえ,新たに800もの研究成果を取り入れた,待望の最新版 本書のねらい はじめに 第1部 生 物 第1章 環境の中の生物――その進化的背景 第2章 環境条件 第3章 資 源 第4章 生活,死,生活史 第5章 種内競争 第6章 分散・休眠とメタ個体群 第7章 個体および単一種の個体群レベルでの生態学の応用――復元,生物安全保障,保全 第2部 相互作用 第8章 種間競争 第9章 捕 食 第10章 捕食と個体群動態 第11章 分解者とデトリタス食者 第12章 寄生と病気 第13章 共生と相利 第14章 個体数――生物の存在量 第15章 個体群間相互作用に生態学を応用する――有害生物防除と収穫管理 第3部 群集と生態系 第16章 群集の本質―空間と時間 第17章 群集内のエネルギーの流れ 第18章 生物群集における物質の流れ 第19章 群集構造への種間相互作用の影響 第20章 食物網 第21章 種の豊富さのパターン 第22章 群集と生態系についての生態学の応用―― 遷移,食物網,生態系機能,生物多様性の理論に基づく管理 引用文献 訳者あとがき 生物名(学名)索引 生物名(和名)索引 事項索引 著者・訳者紹介
生物と環境の相互作用の中で起こる進化。進化と群集と生態系の交差から生まれるこれからの生態学を展望、地球と生命の未来を考える。 自己複製の担い手たる遺伝子は,生命の多様性を育て,その多様性が物質とエネルギーの流れを生み出す.そして出来上がった自然こそが,生態系という新たな生命の揺籠となる.遺伝子と生態系をつなぐ自然原理を目指し,生態学者の新たな挑戦が幕を開ける. まえがき 序 章 遺伝子・多様性・循環の科学とは [門脇浩明・立木佑弥] 第 I 部 進化と生物群集をつなぐ 第1章 進化から群集へ,群集から進化へ ──階層間相互作用の意義 [内海俊介] 第2章 チョウ類とそれを取り巻く生物群集 ──急速な進化と断続平衡 [大崎直太] 第3章 外来種における生態と進化の相互作用 ──外来種管理への応用は可能か [深野祐也] 第4章 代替生活史戦術と個体群動態 ──行動学的基盤の視点から [立木佑弥・堀田淳之介・小泉逸郎] コラム 1 小進化動態と生態的動態 ──生態的適応度から考える [高橋佑磨] 第 II 部 生物群集と生態系をつなぐ 第5章 生物多様性と生態系機能 ──実験系から自然群集・生態系へ [佐々木雄大] 第6章 湖沼生態系における生物と物理環境の相互作用 ──正のフィードバック・履歴現象・中位捕食者の解放 [西嶋翔太] 第7章 環境汚染による攪乱が及ぼす微生物生態系への影響 ──群集機能・多様性と環境応答 [濱村奈津子] 第8章 植物と土壌微生物のフィードバック ──その成り立ちとしくみ [門脇浩明] 第9章 地球システムにおける陸上生態系 [伊勢武史] コラム2 1 万年目の農業 [舩橋真俊] 第 III 部 進化,群集,生態系をつなぐ 第10章 生態系とダーウィン・マシーン ──マイクロコズムから見た適応進化 [中島敏幸] 第11章 呼吸の多様性が駆動する元素循環 [瀬戸繭美] 第12章 生態化学量論から読み解く進化と生態のフィードバック [山道真人] 第13章 海洋島陸産貝類の群集と進化 ──小笠原諸島を例として [千葉 聡] 終 章 生態学の領域融合へ [門脇浩明・立木佑弥] テクニカルノート1 数理モデリングとその解析 [立木佑弥] テクニカルノート2 生態系・群集生態学的解析法 [福森香代子・門脇浩明] あとがき 参考図書 引用文献 索 引
SDGsを見据え将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」。人類による地球公共財の収奪・独占を脱し、相利共生を実現する構図を示す。 SDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」とは? 地球公共財をめぐる収奪・独占という利益第一主義を脱し、相利共生を実現する構図を示す。 SDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」とは? 地球公共財をめぐる収奪・独占という利益第一主義を脱し、相利共生を実現する構図を示す。
生物学を学ぶ学生にとって必須の生物実験を解説したテキストの改訂版.遺伝子増幅から電気泳動,顕微鏡観察,細胞分裂から植物の生殖,動物の初期発生,ザリガニやカエルの解剖,骨格筋の力学的性質など,17実験を詳細に解説する.付録には材料の入手方法や試薬の調整法なども詳述. まえがき 実験をはじめる前に 第I編 生体物質 実験1 DNAと形質発現――大腸菌の生育とPCR法による遺伝子の増幅 実験2 電気泳動による光合成関連タンパク質の分離 第II編 細胞の動的構造と機能 実験3 顕微鏡の操作と細胞の観察 実験4 体細胞分裂と減数分裂の観察 実験5 単細胞生物の構造と細胞小器官の機能――ゾウリムシの観察 実験6 繊毛運動と生体エネルギー――ゾウリムシの細胞モデル 第III編 植物組織の構造と機能 実験7 植物の多様性と生殖(I)――クラミドモナスの接合 実験8 植物の多様性と生殖(II)――シダ植物の世代交代 実験9 植物の多様性と生殖(III)――テッポウユリの花粉管伸長 実験10 被子植物の維管束構造 第IV編 動物組織の構造と機能 実験11 動物の受精と初期発生(I)――ウニ 実験12 動物の受精と初期発生(II)――アフリカツメガエル 実験13 動物の諸器官の構造と機能(I)――フサカ幼虫の観察 実験14 動物の諸器官の構造と機能(II)――ザリガニの解剖 実験15 動物の諸器官の構造と機能(III)――ウシガエルの解剖(内臓) 実験16 動物の諸器官の構造と機能(IV)――ウシガエルの解剖(脳・神経) 第V編 生体の運動 実験17 骨格筋の力学的性質 付録1 生命科学実験の基礎技術 付録2 誤差と測定 付録3 実験材料の入手および調製
何よりも,死なずに,食べられずにどう成長するか? 稚魚の体の構造とその生態の本然は,これにつきる.か弱い存在に見える稚魚だが,その生残戦略には,生命の本質が凝縮しているのだ.困難とされた魚類の生活環の解明に成功した著者が,分子レベルの知見も加え,今世紀の食料生産の柱である水産学と,それを支える生物学に新風を吹き込む.
臨機応変に維持される鳥の群れの仕組みを,社会生物学の知見から鳥類学者が柔らかい語り口でひもとくよみもの。全国群れマップ・野鳥調査ガイド付き! 臨機応変に維持される鳥の群れの仕組みを,社会生物学の知見から鳥類学者が柔らかい語り口でひもとくよみもの。【科学のとびら10 鳥はなぜ集まる?(1990年刊)】の改訂版。全国群れマップ・野鳥調査ガイド付き! 1. いろいろな群れ 2. ねぐらはエサの情報センター? 3. 鳥は寝る前に集まる 4. みんなで食べるとどうなるか 5. 弱い鳥でもみんなで防衛 6. 目の数を増やすか,うすめるか 7. 一羽と群れとどっちがいい? 8. 群れは利己性の産物? 9. 警戒声は誰のため? 10. 小鳥は昼間に仇討ち ―モビングの行動学 11. 群れの中にも不平等 12. 鳥たちの寄合所帯 13. みんなで通ればこわくない 14. 寄らば混群のかげ 15. 群れの中でもだましあい 16. 行動生態学から群れを考える
外来種問題を問いなおす――「新しい生態系(ニュー・ワイルド)」とはなにか。外来種問題の誕生から生物多様性条約までの歴史を丹念にたどりながら、世界自然遺産の島じまや本土の外来動物対策について詳述し、これからの生物多様性保全について考える。 はじめに 第1章 外来種とはなにか 1 外来種の起源 2 生物多様性条約と外来種問題 3 外来生物法の誕生 第2章 島嶼部の外来動物対策 1 自然遺産――小笠原諸島 2 自然遺産――奄美・琉球 3 普通の島 第3章 本土部の外来動物対策 1 産業飼育から生まれる問題 2 趣味の飼育から生まれる問題 第4章 正しい選択 1 ニュー・ワイルド論 2 二十二世紀の生物多様性を想像する 3 アダプティブな外来動物対策 おわりに/参考文献
改訂版ではめざましく進歩するバイオテクノロジーを随所に記載し、呼吸と光合成、免疫、神経、生物多様性、進化のしくみ等を充実。 改訂版では、次世代シーケンサーや、再生医療で活躍する間葉系幹細胞など、めざましく進歩するバイオテクノロジーを随所に記載した。また、呼吸と光合成、免疫、神経の興奮伝達、生物多様性、進化のしくみの内容を充実させた。 本書は2017年の初版刊行以来、幸いにも多くの大学などで教科書として採用されてきた。 2023年の改訂版では、次世代シーケンサーや、再生医療で活躍する間葉系幹細胞など、めざましく進歩するバイオテクノロジーを随所に記載した。また、呼吸と光合成、免疫、神経の興奮伝達、生物多様性、進化のしくみの内容を充実させた。 本書の内容をより深く理解できるように、著者による講義動画をYouTubeで公開した。 本書で学んだ生物学の基本概念を、健康で平和で豊かで持続的な人間社会を築くために役立てていただきたいと願っている。 1.生体を構成する物質 2.タンパク質の立体構造と機能 3.細胞の構造 4.酵素 5.代謝 6.さまざまな生命活動にかかわるタンパク質 7.細胞分裂と細胞周期 8.遺伝子 9.遺伝子操作 10.生殖 11.発生 12.恒常性 13.環境応答 14.生命を支える地球環境 15.生物の系統分類と進化
木を伐ると何が起きるのか、都会の自然はどう変容するか、生物多様性はなぜ大事か。長年の玉川上水の科学的調査から伝える。 東京・玉川上水沿線で、ある日ケヤキが皆伐された!木を伐ると、何が起きるのか、都会の自然はどう変容するか、生物多様性はなぜ大事か。長年、玉川上水の自然観察を行ってきた生物学者が、玉川上水で何が起きているかを伝える 東京・玉川上水沿線(小金井市)で、ある日ケヤキが皆伐された!理由は、小金井桜を育てるために他の樹木は邪魔になるため、だった。木を伐ると、何が起きるのか、都会の自然にはどういう意味があるのか、生物多様性の保護はなぜ大事なのか―。長年、玉川上水の自然観察を市民とともにおこなってきた生物学者が、自然に対する敬意をもちながら、科学的な調査をもとに玉川上水で何が起きているかを、わかりやすく伝える。「神宮外苑1000 本の樹木を切らないで」運動など、一連の木を伐らないでという市民の懇願の動きが盛り上がっているいま、読んでおきたい一冊。 スケッチイラスト、写真、図表など多数! ◆第I 部 野草を記録する 第1章 花マップ活動の経緯 第2章 花ごよみ 第3章 玉川上水の歴史 ◆第Ⅱ部 伐採の衝撃 第4章 ケヤキ皆伐の衝撃 第5章 初めての行政との折衝……第7章 行政との折衝etc… ◆第Ⅲ部 立ち上がる ◆第Ⅳ部 よりよい玉川上水のために 第13章 生物多様性の考え方etc…
人-自然-生物の相互依存的な関係がいかにして生じ、どんな問題に見舞われてきたかをわかりやすく綴ったエッセイ。 生態学と生物多様性を専攻する著者は、フィールドワークで訪れた上伊那郡飯島町で、ミヤマシジミが群をなしてとぶ光景に驚嘆する。近くには白い花を一面に咲かせるソバ畑があった。本書は、人-自然-生物の相互依存的な関係がいかにして生じ、どんな問題に見舞われてきたかをわかりやすく綴ったエッセイ。 はじめに 第1章 人と自然の歴史 生物としての「ヒト」から社会を創る「人」へ 「自分とは」の問から始めよう ヒトという生物の一種 氷期のヒト、自然、メガファウナ 縄文期の人と森、草原 稲作がもたらした自然と社会 明治維新からの近代化の波 脱自然とアンダーユース 脱自然が人にもたらしたもの 衛生仮説とその発展 あらためて脱自然化の功罪を問う 第2章 里山の多様な生物 景観-生物-人間活動の相互作用について 親自然の暮らし 「生態系」とはなんだろう 里山という景観、モザイク性 米の生産力 里山の生物 モザイク性と鳥類 里山と野生動物 房総のシカ シカはなぜ減らないのか? 里山の外来種 生息地のネットワーク 下総台地のジャノメチョウ ネットワークの影 島のネコ問題と景観 第3章 ソバとシジミチョウ 共に生き活かされる「つながり」の不思議 記憶の場所での新たな出会い ミヤマシジミとは何者? ソバの実りとのコラボ ミヤマシジミの生息地はどこに ミヤマシジミの見つけ方 アリとの共生 寄生バエ もう一つの寄生者センチュウ 最適な草刈りを探る 適切な管理の成果 生息地のネットワーク 河川の生息地 再導入の挑戦 偽穀物としてのソバ ソバの花に来る昆虫たち 多様な昆虫の意味 畔の植物とソバの実り 景観モザイク性の意味 ソバとミヤマシジミ 第4章 人と自然のリアルな関係 人工資本で充満した世界からの脱却 小さな持続性に気づくこと SDGsとハーマン・E・デイリー 自然と社会の関係図 「場」としての自然-生物-人
長良川の鵜飼の奥深い世界 最後の1艘で守る夜川網漁 80歳現役漁師が見た「ばばちい川」 憧れの川漁師、知られざる川の世界 なぜ天然アユが準絶滅危惧種に? 長良川のアユと河口堰 河口堰による生態系の変化 温暖化が長良川にもたらしたもの 長良川に「健全な水循環」を取り戻す なぜ今、河口堰の「最適運用」なのか 気候変動と大地震への備え 長良川治水の「これまで」と「これから」 河口堰開門で塩水はどこまで遡上するか 伊勢湾の漁業・環境と河口堰 社会経済構造の変化に対応した水の使い方 異常渇水にも対応できる新しい水利用秩序へ 世界の河口堰の先進事例に学ぶ
え、そうだったの⁉「進化論の今」を知る最適の一冊!これが「ほんとうの進化論」です!実証と反証を繰り返してきた進化論の歴史、遺伝子工学が炙り出した「ネオダーウィニズム」の矛盾、「構造主義進化論」という新たなアプローチまで語り尽くす、知的テンターテインメント!「ネオダーウィニズム」とは、「ある生物の遺伝子に突然変異が起こり、環境により適応的な変異個体が自然選択によって集団内に広がり、その繰り返しで生物は環境に適応するように進化する」という理論です。19世紀の半ばにダーウィンが提唱した「進化論」に修正を加え、メンデルの「遺伝学説」やそのほかのアイデアを合わせたこの理論を、多くの人はいまだに信奉し続けていますが、この理論で進化のすべては絶対に説明できません。メディアでおなじみの生物学者、池田清彦が、進化論の歴史をたどりながら、ネオダーウィニズムの矛盾を突き、最新の知見にもとづいた「もっと本質的な進化論=リアル進化論」をわかりやすく解説します。サイエンスに興味があるビジネスパーソンから学生まで、進化論の入門としても、学び直しとしてもピッタリの一冊。知的好奇心をくすぐり、誰かに話したくなる要素が満載です!●「進化」という概念を初めて論じたラマルク●ダーウィンの「進化論」に影響を与えたマルサスの「人口論●「用不用説」と「自然選択説」の違いとは?●「ネオダーウィニズム」という折衷説●分子レベルの変異に自然選択はかからない●「遺伝子を取り巻く環境の変化」で形質は大きく変わる●生物の劇的な多様化は地球環境激変の時期に起きている●大進化はアクシデントで起こる……etc.
生物多様性のメカニズムを解き明かす群集生態学.さまざまなスケールの群集にスポットをあて,それぞれの動態や構造について,陸域から水域まで最新の知見を紹介しながら,わかりやすく解説.生態学を学ぶ人たちや生物の保全に携わる人たち必読の教科書. 第1章 生態学と生物群集 第2章 種間相互作用の基本概念 第3章 機能群の共存機構 第4章 種多様性 第5章 食物網 第6章 群集生態学の応用
生物間に張りめぐらされた網の目は,食うー食われる関係や競争と共生,生態系の物理的改変などを通じて,時間的にも空間的にも遠く離れたもの同士に影響を及ぼしている.調節・間接の相互作用を介した複雑な世界の動態を,観察・野外実験・数理モデルなど,さまざまな手法を駆使して解き明かす.
ゲノム解読技術の発展と,野生アズキの耐塩性研究 ゲノム情報から迫るハワイフトモモの種内多様化プロセス 植物の雌しべが花粉を選び分けるしくみ 大量ゲノム情報時代の植物育種 なぜ青いバラは咲かないのか 接木の科学によって,技術をさらに使いこなす 赤外分光法によるヤセイカンランのクチクラの構造解析 作物生産科学におけるC3型個葉光合成とその変動光応答 ウキクサを光らせて概日時計を視る 植物におけるゲノムワイド関連解析の落とし穴 植物3次元形態のデータ化,定量化,モデル化
生物多様性の基礎 生態系サービスの持続的利用 生態系サービスの経済評価 生態系サービスの経済価値 生態系サービスの経済価値評価の応用 農業に関する生態系サービスへの支払いと経済評価 生物多様性保全における支払意思 幸福度と環境保護への支払意思の関係性 生態系と生物多様性の生産性分析 生態系サービスの管理手法 経済モデルを用いた持続可能な森林利用政策の影響評価 REDDプラスの資金メカニズム オフセット制度の経済実験 米国と豪州の生物多様性オフセット・バンキングシステムの比較 PESの制度設計に向けて 水田での環境直接支払い事例 結論 生物多様性の保全に向けて
生命と非生命をわけるもの、それは「増える」ことである。増える能力は生命を悩める存在へと変えた――人間観がゆさぶられる一冊! 生命と非生命をわけるもの、それは「増える」ことである。増える能力は生命を悩める存在へと変えてしまった――生命の起源と未来を見つめる知的問答の書。 生命と非生命をわけるもの、それは「増える」ことである。増える能力は生命を悩める存在へと変えてしまった――生命の起源と未来を見つめる知的問答の書。
不思議な生物ダニ——あらゆる環境や栄養を利用するこの小さな生きものが織り成す世界は驚くほど多様である.急速な進歩を遂げつつあるダニ学の最前線を気鋭の研究者たちがたくみにとらえた.現代生物学は,はたしてどのようなダニの生物像を描いたのか. I 生態 第1章 雄と雌 第2章 精子競争 第3章 ダニの社会性 第4章 ハダニが植物をえり好みする理由 第5章 天敵ダニ 第6章 マダニの吸血活動 II 生化学 第7章 コナダニ目の情報化学物質 第8章 ササラダニ類の分泌物 第9章 DNA分析 III 遺伝 第10章 遺伝子 第11章 地理的変異 IV 病気 第12章 ライム病 第13章 古くて新しいツツガムシ病 第14章 住居内のダニ類による疾病 第15章 アレルギー性喘息とダニ対策 第16章 アトピー性皮膚炎 V 多様性 第17章 海のダニ 第18章 土のダニ 第19章 鳥のダニ 第20章 アザラシ類のダニ 第21章 ミツバチのダニ 第22章 水泳プールのダニ
菌類や線虫などの微生物がかかわるさまざまな生命現象を,微生物を介した‘生物相関学’として体系化し,微生物と他の生きものたちとのさまざまな出会いや,共生関係を維持するための仕組みを軸として,著者たちが自らの研究の過程で肌で感じてきた生命現象の面白さや,生きものの奥深さのようなものが活きいきと描き出す. はじめに [二井一禎] 付録CD-ROM について 第1部 森の菌類──微小な菌の見逃せない生態(山中高史) 第1章 マツ針葉の内生菌 [畑 邦彦] ──見えざる共生者 1.1 内生菌とは ? 1.2 日本のマツに内生菌はいるのか ? 1.3 マツバノタマバエと針葉の内生菌の関係 1.4 マツの分類群と内生菌の関係 1.5 季節変動 1.6 内生菌の抗菌作用 1.7 まとめ 第2章 ともに旅する樹木とキノコ [広瀬 大] ──ゴヨウマツとともに生きるベニハナイグチの自然史 2.1 DNA レベルで解き明かすキノコの生き様 2.2 ゴヨウマツ植栽林における定点観察──研究材料との出会いと生活史の推測 2.3 ゴヨウマツ天然集団における生活史──旅する胞子と居座る菌糸 2.4 室内実験から宿主の好みを知り,分布を予測する 2.5 日本の五葉マツ類に常にお供しているのか ? 2.6 ゴヨウマツとともに旅をしてきたのか ? 2.7 最後に──日本における菌類系統地理学の発展に向けて 第3章 植物の定着に関わる菌類 [谷口武士] ──海岸クロマツ.ニセアカシア林における菌根共生 3.1 日本の海岸クロマツ林 3.2 クロマツと菌根菌 3.3 海岸クロマツ林で菌根研究をはじめる 3.4 ニセアカシアはマツの実生更新に影響するのか ? 3.5 ニセアカシアはマツ実生の菌根共生に影響を与えるのか ? 3.6 共生する菌根菌はなぜ変化したのか ? 3.7 菌根菌種の変化と機能的特性 3.8 植物と菌根菌と病原菌の相互作用 3.9 植生の定着や種構成への菌根菌の影響 第4章 クロマツの根圏で起こる微生物間相互作用 [片岡良太] ──細菌がカビを助ける! 4.1 クロマツ菌根における細菌相 4.2 ヘルパー細菌の探索 4.3 ヘルパー細菌の菌根菌特異性 4.4 細菌密度とヘルパー効果 4.5 ヘルパーメカニズム 第5章 糞生菌のはなし [吹春俊光] 5.1 糞の登場 5.2 糞生菌とは 5.3 糞生菌の種類と日本における研究 5.4 糞生のヒトヨタケ類(担子菌門ハラタケ目) 5.5 糞生菌の観察・培養 第6章 アンモニア菌 [山中高史] ──森の清掃スペシャリスト 6.1 アンモニア菌が出現する土壌の特徴 6.2 菌の出現(子実体形成)と栄養菌糸の増殖の関係 6.3 アンモニア菌が有する特異な生育様式 6.4 アンモニア菌の増殖と遷移のメカニズム 6.5 窒素が与えられていないときのアンモニア菌のすがた 6.6 動物の排泄物や死体の分解跡土壌の浄化 第2部 線虫たち──小さくても個性派です(神崎菜摘) 第7章 昆虫嗜好性線虫の生活 [神崎菜摘] ──進化も生態も媒介昆虫が決めている? 7.1 クワノザイセンチュウの生活史 7.2 クワノザイセンチュウとキボシカミキリの共種分化 7.3 この研究に関する後日談──反省点とさらなる解析の可能性 7.4 遺伝子研究材料としてのBursaphelenchus 属 第8章 キノコと昆虫を利用する線虫たち [津田 格] 8.1 ヒラタケでの線虫の生活 8.2 線虫を運んでいるのは何か ? 8.3 伝播者であることの証明 8.4 線虫の生活史とキノコバエとの関係 8.5 いろいろなキノコを調べる 8.6 キノコを利用するさまざまな線虫たち 8.7 Iotonchium 属線虫と Deladenus 属の線虫 第9章 植物の敵は地下にも存在する [藤本岳人] ──植物寄生線虫 9.1 植物寄生線虫とは 9.2 農業と植物寄生線虫との関係 9.3 サツマイモネコブセンチュウの生活環 9.4 現在の防除法とその問題点 9.5 植物の巧妙な防御メカニズム 9.6 植物ホルモンを防除に応用できるか 9.7 植物体内における防御メカニズムの解明 9.8 今後の植物寄生線虫の防除に関して 第10章 線虫が切り拓く生物学 [長谷川浩一] ──そしてモデル生物から非モデル生物へ 10.1 線虫って何 ? 10.2 線虫の研究と線虫を使った研究 10.3 線虫,というよりモデル生物である 10.4 エレガンスの遺伝学 10.5 マツノザイセンチュウの胚発生 10.7 RNAi が効かない 10.8 マツノザイセンチュウの研究これから 第3部 マツ枯れ──生き物たちのややこしい関係(竹内祐子) 第11章 敵か味方か相棒か [前原紀敏] ──マツノザイセンチュウ.菌.カミキリムシ間相互作用 11.1 線虫はどうやってマツの中で増えるのか 11.2 線虫の餌になる菌,ならない菌 11.3 線虫にも餌の好き嫌いがある 11.4 線虫を餌にする菌 11.5 マツノマダラカミキリが保持する線虫の数の重要性 11.6 マツノマダラカミキリの保持線虫数に菌が影響するのか 11.7 人工蛹室を作りたい 11.8 マツノザイセンチュウの生活環 11.9 リニット教授 11.10 ついに菌の影響を解明 11.11 兵糧攻め 11.12 なぜマツノマダラカミキリだけが線虫を運ぶのか 11.13 マツノマダラカミキリと菌の直接の関係 11.14 マツノザイセンチュウ近縁種とカミキリムシの関係 11.15 敵か味方か相棒か 第12章 環境激変 [Rina Sriwati /竹本周平] ──マツが枯れるとマツノザイセンチュウを取り巻く生物相も大騒動 12.1 マツ枯れを再現する 12.2 マツ材線虫病に感染したマツの木の中での線虫相の変化 12.3 感染したマツの中での線虫相とマツノザイセンチュウ個体群動態 12.4 感染したマツの木の中の菌類相の変化 12.5 マツノザイセンチュウの分布と増殖に対する各菌種の影響──量的な評価 12.6 感染木内のマツノザイセンチュウと各菌種の分布の同所性──質的な評価 12.7 おわりに 第13章 感染しても枯れない? [竹内祐子] ──白黒つかないマツと線虫の関係 13.1 病気に罹るか罹らないか──相性を決めるもの 13.2 準備は OK ──備えあれば憂いなし? 13.3 見えざる感染 13.4 宿主の運命はだれの手に ? 第14章 何もせずにいいとこ取り? [新屋良治] ──マツノザイセンチュウの巧みな寄生戦略 14.1 生物のゲノム情報って何 ? 14.2 マツノザイセンチュウにおける分子生物学研究の幕開け 14.3 マツノザイセンチュウのタンパク質を解析する 14.4 マツノザイセンチュウはどのように寄生性を獲得してきたのか ? 14.5 おわりに 第15章 進化と系統で読みとく病原力のふしぎ [竹本周平] 15.1 少年期に見たマツ枯れ 15.2 線虫の病原力 15.3 どうして(Why)病気を起こすのか ? ──病原力を決める進化的要因 15.4 マツ枯れは枯れなきゃ伝染らない 15.5 弱い線虫の系譜 15.6 個体群の病原力は遺伝子の頻度で決まる 15.7 強い者が勝ち残るのか 15.8 進化を計算する 15.9 弱さがしたたかさに変わるとき 15.10 ふたたび,どうして(How)? 15.11 ややこしいからおもしろい! 第4部 ナラ枯れ──病気を森にまき散らす昆虫(山崎理正) 第16章 探索は闇雲じゃなく精確に [山崎理正] ──微小な昆虫による宿主木の探し方 16.1 街中の人と森の中の虫 16.2 小さな虫が木を枯らす 16.3 相性のいい木の探し方 16.4 皆で襲えばこわくない 16.5 穴はどこに掘るべきか 16.6 多様な森で生きのびる 第17章 親子二世代の連係プレー [Hagus Tarno /山崎 理正] ──木屑が語る坑道の中の社会的な生活 17.1 穴の中の様子を探るには 17.2 穴から排出されるフラス 17.3 繊維状と粉末状のフラス 17.4 フラスが語る木の好適性 17.5 変動するフラスの質と量 17.6 入口が傾いている意義は 17.7 坑道の中の社会的な生活 第18章 ‘神々の食べ物’とは何か? [遠藤力也] ──カシノナガキクイムシと菌類の共生系 18.1 菌類と密接に関わる養菌性キクイムシ 18.2 カシナガの共生菌は何か? 18.3 ‘神々の食べ物’とは何か? 18.4 ナガキクイムシ.菌類の共生系 18.5 今後の展望 第19章 仲間もいれば敵もいる [斉 宏業/二井一禎] ──カシノナガキクイムシを取り巻く微生物 19.1 拡大をつづけるナラ枯れ被害 19.2 ナラ枯れ被害に打つ手はあるのか 19.3 昆虫病原性微生物の探索 19.4 カシナガから分離した微生物の昆虫病原性 19.5 他の候補微生物の昆虫病原力は 用語解説 おわりに [肘井直樹] 索引
なぜ進化生物学を学ぶのか? それは過去から現在までを知り、生物多様性を生み出した普遍的なメカニズムを明らかにして、さらに生物の本質を知るためである。ネズミ、アシカ・アザラシ、そしてパンダまで、さまざまな動物たちの進化の謎に迫る。 はじめに 第1章 美しい島 1.1 多島海/1.2 素朴な疑問/1.3 記録媒体/1.4 遺伝的変異/1.5 島のネズミと地史/1.6 第1章のまとめ 第2章 日本列島と進化 2.1 進化の仕組み/2.2 有限がもたらす進化/2.3 日本列島の特殊性/2.4 どこからきたのか?/2.5 なぜそこにいないのか?/2.6 第2章のまとめ 第3章 進化の痕跡 3.1 大進化/3.2 パンダではあるがパンダではない/ 3.3 分類論争/3.4 収斂進化・平行進化/3.5 地球環境と進化/3.6 第3章のまとめ 第4章 退化の痕跡 4.1 退化と遺伝子の死/4.2 味覚の意義/4.3 味覚の退化/4.4 発見/4.5 味覚喪失の意味/4.6 第4章のまとめ 第5章 テクノロジーと進化 5.1 DNAの増幅/5.2 DNAの解読/5.3 シークエンス技術の革新/5.4 第2世代DNAシークエンサーを使った進化生物学/5.5 テクノロジーとの付き合い方/5.6 第5章のまとめ 第6章 なぜ進化生物学を学ぶのか 6.1 進化の面白さ/6.2 生物の本質/6.3 役に立つのか/6.4 危機にある社会/6.5 進化生物学と歩む/6.6 第6章のまとめ さらに学びたい人へ 引用文献 索引
全球一次生産の約半分を担い、生物圏の全呼吸量の半分以上を占めると言われる微生物。地球上で最も数が多く、多様性にあふれる彼らの世界を、微生物が関わる“プロセス”を軸に体系化。陸域および水域の、またウィルスから細菌、古細菌、原生生物、藻類、菌類まで主要な微生物グループを網羅し、環境中で重要な役割を果たす微生物代謝や群集動態、環境影響について丁寧に論じる。生物情報科学の発展による最先端の知見も紹介され、研究者や実務家の参考書としても必備の一冊。 序言 日本語版のための序文 訳者はしがき Chapter 1 イントロダクション 微生物とは何か? なぜ微生物生態学を研究するのか 微生物は人間を含めた大型生物の病気の原因になる 私たちの食糧の多くは微生物に依存する 微生物は汚染物質を分解し無毒化する 微生物は生態学や進化学の一般原理を研究するうえでの有用なモデル・システムになりうる ある種の微生物は地球の初期に現れた生命や、もしかしたら地球以外の惑星の生命の姿を示している 微生物は地球の気候に影響を及ぼす多くの生物地球化学的プロセスを媒介する 微生物はどこにでもいて、ほとんどあらゆることをやっている 自然界の微生物をどのようにして研究するのか? 生命の 3ドメイン:細菌、古細菌、真核生物 微生物の機能群(functional group) 独立栄養 vs 従属栄養 光栄養 vs 化学栄養 関連する教科書の紹介 Chapter 2 元素、生化学物質、および微生物の構造 微生物の元素組成 生物地球化学研究における元素比 さまざまな微生物の C:N および C:P 比 細菌の生化学的組成 真核微生物の生化学的組成 元素比を説明する 微生物細胞の構造 微生物の細胞膜と能動輸送 原核生物と真核生物の細胞壁 バイオマーカーとしての微生物細胞の構成成分 細胞外の構造 微生物の細胞外ポリマー 鞭毛と繊毛 Chapter 3 物理化学環境と微生物 水 温度 反応速度に対する温度の影響 pH 塩と浸透圧バランス 酸素と酸化還元ポテンシャル 光 圧力 「小さく在る」ことの帰結 自然水圏環境における微生物の暮らし 運動性と走性 水圏環境における Submicron および micron スケールでの不均一性 土壌での微生物の生活 土壌の含水量 土壌における温度と含水量の相互作用 バイオフィルム環境 Chapter 4 微生物の一次生産と光栄養 一次生産と光合成の基礎 光と藻類の色素 無機炭素の輸送 二酸化炭素固定酵素 一次生産、総生産、純生産 陸上高等植物による一次生産と水圏微生物 春のブルームと植物プランクトンの増殖 ブルームを引き起こす主な植物プランクトン 珪藻 円石藻と生物ポンプ フェオシスティスと硫化ジメチル ジアゾ栄養糸状シアノバクテリアおよびその他の群体性シアノバクテリア ブルームの後:ピコプランクトンとナノプランクトン 制限栄養素をめぐる競争 球状シアノバクテリアによる一次生産 海洋における光従属栄養 藻類による有機物の取り込み 好気的酸素非発生型光合成細菌 光従属栄養細菌におけるロドプシン 光従属栄養の生態学的および生物地球化学的なインパクト Chapter 5 有機物の分解 さまざまな生態系における有機物の無機化 地球上の呼吸の大部分はだれによってなされているのか? 炭素循環における速い経路と遅い経路 デトリタス有機物の化学的特性 溶存有機物 デトリタス食物網 DOM と微生物ループ 高分子有機化合物の加水分解 リグニンの分解 低分子有機化合物の取り込み:回転とリザーバーの大きさ 化学組成と有機物分解 無機栄養物質の放出とその制御 有機物の光酸化 難分解性有機物 Chapter 6 微生物の増殖、現存量、生産、および、それらの支配要因 細菌は生きているのか死んでいるのか? 土壌や堆積物における細菌の活性状態 土壌菌類の活性状態 微生物の増殖と生産 実験室内での純粋培養の増殖:回分培養 実験室内での純粋培養の増殖:連続培養 自然界での増殖と生産の測定 水圏環境中での細菌の生産速度 水圏環境における細菌の増殖速度 土壌における細菌と菌類の増殖 自然環境中において微生物の生産と増殖を決めるものは何か? 増殖と炭素循環に対する温度の影響 土壌の菌類と細菌に対する温度の効果 有機炭素による制限 無機栄養物による制限 共制限と支配要因間の相互作用 生物間の競争と化学コミュニケーション Chapter 7 摂餌と原生生物 水圏環境における細菌食と植食 土壌や堆積物中での細菌や菌類の摂餌者 原生生物の摂餌メカニズム 摂餌に影響を及ぼす要因 餌の数と摂餌者—餌サイクル 摂餌者と餌のサイズの関係 化学的認識と組成 摂餌に対する防衛 摂餌が餌生物の増殖に及ぼす影響 繊毛虫と渦鞭毛藻の摂餌 水圏生態系の植食者としての繊毛虫 土壌や堆積物中の繊毛虫 従属栄養渦鞭毛藻 微生物食物網から高次栄養段階へのフラックス 混合栄養原生生物と内部共生 食作用、細胞内共生、藻類の進化 Chapter 8 ウィルスの生態学 ウィルスとは何か ウィルスの複製 自然環境中の溶原性ウィルス 分子スケールにおける宿主とウィルスの接触 自然環境中におけるウィルス数 プラーク法によるウィルス計数 顕微鏡によるウィルスの計数 自然環境中でのウィルス数の変動 ウィルスによる細菌の死亡 感染頻度 ウィルス減少法 細菌死亡率に対するウィルスと摂餌者の寄与 ウィルス生産速度と回転時間 ウィルスの不活化と消失 植物プランクトンのウィルス ウィルスと摂餌者の生態学的な役割の違い ウィルス分流と DOM 生産 ウィルスとその宿主の個体群動態 ウィルスが媒介する遺伝的交換 Chapter 9 自然環境中における微生物の群集構造 分類学と遺伝子による系統学 16S rRNA に基づく方法の紹介 種の問題 細菌群集の多様性 プランクトンのパラドックス 培養された微生物と培養されていない微生物の違い 土壌、淡水および海洋における細菌の種類 非極限環境の古細菌 Everything is everywhere?(すべてのものが、どこにでも?) 何が多様性のレべルと細菌群集構造を支配するか 温度、塩分、pH 湿度と土壌微生物群集 有機物と一次生産 摂餌とウィルスによる溶菌 16S rRNAを分類および系統遺伝的なツールとして用いることの問題点 原生生物やその他の真核生物の群集構造 自然環境中における原生生物とその他の真核微生物の種類 プロセスの理解と群集構造の関連 Chapter 10 微生物とウィルスのゲノムおよびメタゲノム ゲノム解析あるいは環境ゲノム解析とは何か ゲノムの塩基配列をゲノム情報に変える 培養された微生物からの教訓 rRNA 遺伝子の類似性・ゲノムの非類似性 ゲノムサイズ 真核生物と原核生物のゲノム構成 増殖速度とゲノム解析 染色体、プラスミド、レプリコン 遺伝子水平伝播 培養されていない微生物のゲノム情報:メタゲノム解析 メタゲノム解析法 プロテオロドプシン物語その他 酸性鉱山廃水中の単純な群集のメタゲノム解析 メタゲノム解析と活性スクリーニングから得られる有用化合物 メタ RNA 発現解析とメタプロテオミクス プロテオミクスとメタプロテオミクス ウィルスのメタゲノム解析 RNA ウィルス Chapter 11 嫌気的環境におけるプロセス 嫌気呼吸とは 電子受容体の順番 さまざまな電子受容体による有機炭素の酸化 濃度と供給による制約 化学形態の影響 嫌気食物連鎖 発酵 種間水素伝達と栄養共生 硫酸還元 硫酸還元の電子供与体 硫黄酸化とそれ以外の硫黄循環 非光栄養硫黄酸化 酸素非発生型光合成による硫化物の酸化 硫黄酸化細菌の炭素源 メタンとメタン生成 メタン栄養細菌 好気的メタン分解 嫌気的メタン酸化 嫌気性真核生物 Chapter 12 窒素循環 窒素固定 ニトロゲナーゼ・窒素固定のための酵素 酸素問題の解決 自然環境中での窒素固定 窒素固定の制限要因 アンモニウムの同化、再生およびフラックス 嫌気環境中でのアンモニウムの排出 アンモニウムの取り込み、排出、不動化および可動化 アンモニア酸化、硝酸イオンの生成、および硝化 細菌による好気的アンモニア酸化 古細菌によるアンモニア酸化 好気的アンモニア酸化の支配要因 硝化の第二段階としての亜硝酸酸化 嫌気的アンモニア酸化 異化的硝酸還元と脱窒 異化的硝酸還元によるアンモニウム生成 脱窒対アナモックス 一酸化二窒素の発生源と吸収源 N 損失と窒素固定のバランス Chapter 13 地球微生物学への招待 細胞表面電荷、金属吸着および微生物付着 金属吸着 シデロフォアやその他の金属リガンドに媒介された鉄の取り込み 表面への微生物の付着 微生物によるバイオミネラリゼーション 炭酸塩鉱物 リン鉱物 酵素が関与しないプロセスを介しての鉄鉱物の生成 磁鉄鉱と走磁性細菌 マンガン酸化細菌および鉄酸化細菌 鉄酸化 マンガン酸化細菌 微生物による風化と鉱物の溶出 酸および塩基の生成による溶解 低分子および高分子リガンドによる溶解 化石燃料の地球微生物学 Chapter 14 共生と微生物 脊椎動物を住処とする微生物 微生物と昆虫の共生 シロアリの微生物共生者 アブラムシとブフネラの共生 アリと菌類の共生関係 海洋の無脊椎動物に見られる共生微生物 ガラパゴスハオリムシの内部共生者とその他の硫黄酸化共生微生物 海洋における生物発光共生微生物 微生物—植物共生 ジアゾ栄養細菌と植物の共生 菌類と植物の共生 結語 参考文献 索引(事項・生物名)