【2024年】「文化人類学」のおすすめ 本 72選!人気ランキング

この記事では、「文化人類学」のおすすめ 本 をランキング形式で紹介していきます。インターネット上の口コミや評判をベースに集計し独自のスコアでランク付けしています。
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目次
  1. これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門
  2. よくわかる文化人類学[第2版] (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)
  3. 現代エスノグラフィー: 新しいフィールドワークの理論と実践 (ワードマップ)
  4. 生のものと火を通したもの (神話論理 1)
  5. 改訂版 エスノグラフィー入門: 〈現場〉を質的研究する
  6. 人類学のコモンセンス: 文化人類学入門
  7. ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと
  8. 文化人類学入門 (中公新書 560)
  9. ラダック懐かしい未来
  10. フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門
他62件
No.1
100
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No.3
81

◆街へ出る前に、フィールドへ行く前に◆ フィールドワーク、エスノグラフィー(民族誌)について、手紙の書き方、ノートの取り方から機器の扱い方まで、手取り足取り解説した本は多くあります。J・クリフォードらの『文化を書く』以来、文化を誰が、どこから、どう書くのか、という政治性が指摘されていますが、本書はそのような問題意識を組み入れながら、ポジショナリティ、自己再帰性、表象の政治、当事者研究などの基本概念を詳述し、介護、障害、ボランティアなどの新しい対象分野を取り上げ、さらにはフィールドに出たときに調査者が出会う初歩的な問題についても、体験をとおした適切なアドバイスをしています。これからのフィールドワークに必携の「思想的」ガイドブックといえましょう。 ワードマップ 現代エスノグラフィー─目次 はじめに 「新しい」アプローチ一覧 第一部 現代エスノグラフィーの展開 エスノグラフィー現場を内側から経験し記述する  『文化を書く』エスノグラフィー批判の衝撃  自己再帰性他者へのまなざし、自己へのまなざし  ポジショナリティ誰が、どこから、どう見るのか  ■コラム 厚い記述 表象の政治語る、語られる、語りなおす  ポスト構造主義とポストモダニズム「知識」の断片性・不完全性・文脈依存性  第二部 エスノグラフィーの「新しい」アプローチ アクティヴ・インタヴュー質問者と回答者が協働する  フェミニスト・エスノグラフィー「女」が「女」を調査する  ネイティヴ・エスノグラフィー「内部者」の視点から調査する  当事者研究「自分自身でともに」見いだす  アクション・リサーチ協働を通して現場を変革する  チーム・エスノグラフィー他者とともに調査することで自らを知る  ■コラム チームでの実践を振り返る ライフストーリー個人の生の全体性に接近する  オートエスノグラフィー調査者が自己を調査する  オーディエンス・エスノグラフィーメディアの利用を観察する  マルチサイテッド・エスノグラフィーグローバルとローカルを繋ぐ  第三部 応用研究 アイデンティティ「なる」「する」様態に迫る  ジェンダー・セクシュアリティ男/女の線びきを問いなおす  人種・エスニシティ越境する人々の意味世界を理解する  学校教師と生徒のまなざしを明らかにし、変えていく  医療・看護病いとケアの経験を記述する  障害経験される世界に接近する  生/ライフ「生き方」を主題化し表現する  社会運動・ボランティア「参与」しながら観察する メディア・大衆文化メディアが受容される文脈をさぐる 第四部 フィールドで出会う問題 調査の説明と同意 フィールドに入るときに 権力 フィールドのただなかで 親密性 フィールドのただなかで 守秘義務と匿名性 フィールドを後にするときに 利益 フィールドで得たもののゆくえ ■フィールドからの声 話してもらえる私になる 『ギャルとギャル男の文化人類学』の現場から お嬢様がお嬢様を調査するジレンマ 恋愛感情にまつわることからは逃れられない おわりに ブックガイド 事項索 人名・書名索引 装幀―加藤光太郎

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No.4
75

生のものと火を通したもの (神話論理 1)

クロード・レヴィ=ストロース
みすず書房
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No.5
75

介護・福祉・教育等ヒューマンサービスの現場のみならず、マーケティング分野でも必須の調査手法をきめ細かく紹介した基本図書。 人々が生きる現場をどう内側から理解し深めていくか。医療・介護・福祉・教育等、ヒューマンサービスの現場のみならず、マーケティング分野でも必須の調査手法をきめ細かく紹介し、実践に役立つ方法論を提示。長らく最適な入門書として幅広く支持されてきた名著。 エスノグラフィーをはじめよう 改訂版まえがき プロセス・マップ 1 エスノグラフィーとは 2 実例から学ぶ 3 エスノグラフィーのプロセス 4 現場を選ぶ 5 マナー・倫理・安全 6 現場に入る 7 概念力をきたえる 8 研究計画を立てる 9 現場調査(フィールドワーク)をする 10 分析する 11 発表する 12 社会へとひらく 実例 ミニエスノグラフィー 付録 索引 参照文献

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No.6
69
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No.7
69

ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」とのフィールドワークから見えてきたこと。豊かさ、自由、幸せとは何かを根っこから問い直す、刺激に満ちた人類学エッセイ! 「奥野さんは長期間、継続的にプナン人と交流してきた。そこで知り得たプナン人の人生哲学や世界観は奥野さんに多くの刺激と気づきをもたらした。この書を読み、生産、消費、効率至上主義の世界で疲弊した私は驚嘆し、覚醒し、生きることを根本から考えなおす契機を貰った。」 ――関野吉晴氏(グレートジャーニー)

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No.8
67
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No.9
67

ラダック懐かしい未来

ヘレナ ノーバーグ・ホッジ
山と溪谷社
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No.10
67
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No.12
66
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No.13
66
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No.14
65
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No.15
65

グローバル・ネットワークが地球を覆い尽くす「人新世」時代においてその網の目からこぼれ落ちる他者の営みに人類の可能性を見出す。 近代のプロジェクトが推し進めてきたグローバル・ネットワークが、地球全体を覆い尽くす「人新世」時代と呼ばれる今日。近代化の網の目からこぼれ落ちる、過剰なる他者たちの営みから、人類の想像力の可能性を見出す。 近代化の網の目からこぼれ落ちる、過剰なる他者たちの営みから、いかに人類の想像力の可能性を見出すか――。 総勢12名の人類学者が対話・インタビュー形式で「人新世」時代を語る、最新の研究動向に迫る論集。 近代のプロジェクトが推し進めてきたグローバル・ネットワークは、地球全体を覆い尽くすまでに拡大した今日。それは、もはや地球の存在そのものが危ぶまれる、「人新世」時代へと突入したと呼ばれるようになった。 このような21世紀初頭の時代において、人類のさまざまな文化のあり方をつぶさに研究してきた文化人類学もまた、大きな岐路に立たされている。文化人類学という学問が、80億人に達した人類について、その過去と現在を問い、その未来の限界と可能性を探究するという壮大な規模の問題を扱う実践である以上、その担い手である人類学者の立場も関心も見解も多様にならざるをえないだろう。 本書は、こうした豊かな多様性を孕みつつ共通の感性でゆるやかにつながれた文化人類学という学問の実情をできる限りそのままに提示する試みた、文化人類学者たち自身による文化人類学という学的実践の実験的な民族誌である。  対話の形式で紡がれる本書は、現在進行中の文化人類学の実践の目的、対象、方法、意義などの一端が、地域・フィールドを異にする文化人類学者たち自身によってさまざまに語られると同時に、問答を応酬しながら相互に触発し合うことで、新たなパースペクティヴの予感を宿しながら未来の可能性を孕む種子や胚を懐胎してゆく姿を提示していく。 はじめに 序 章 「人新世」時代の文化人類学の挑戦(大村敬一) 第Ⅰ部 グローバル・ネットワークの外部からの挑戦 第1章 多重に生きる ―― カナダ・イヌイトの挑戦(大村敬一) 第2章 先住民運動の挑戦 ―― 新たな政治制度を目指して(深山直子) 第3章 アナーキズム社会の挑戦 ―― マダガスカルのヴェズの戦術の可能性(飯田卓) 第Ⅱ部 変質しゆくグローバル・ネットワーク 第4章 科学技術と気候変動の人類学――近代の「自然/人間」の二元論の再考(森田敦郎) 第5章 グローバル・エコノミーの隙間からの挑戦(中川 理) 第6章 プラネタリーヘルスの挑戦 ――「人新世」時代の医療と公衆衛生(モハーチ ゲルゲイ) 第Ⅲ部 変質しゆく人類 ―― 非人間との出会い 第7章 災害の人類学 ―― 近代を凌駕する他者の力に向き合う(木村周平) 第8章 人類の可変性 ―― 非人間とのもつれ合いのなかで(モハーチ ゲルゲイ/久保明教) 第Ⅳ部 人類の創造力の可能性 第9章 芸術 ―― 「仮構作用」の創造力(中谷和人) 第10章 日常に潜む「生きる力」 ―― 人類社会の根っこにある宗教(土井清美) 第11章 進化史のなかの人類 ―― 人類の創造性と可変性の進化史的基盤(入來篤史/河合香吏) 終 章 人類と地球の未来―― 多様性の苗床になる(大村敬一)

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No.16
65

ビデオ・エスノグラフィーという手法の意義=概観= 〈社会モデルの洗練〉という社会学の理論的課題 〈器用仕事の発見〉という社会学の理論的課題 インフォームド・コンセントのビデオ・エスノグラフィー 医学教育のビデオ・エスノグラフィー リーガル・コミュニケーションのビデオ・エスノグラフィー 在宅療養のビデオ・エスノグラフィー 音楽療法のビデオ・エスノグラフィー ビデオ・エスノグラフィーの基盤と未来

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No.17
65
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No.18
65

人類学とは何か

ティム・インゴルド
亜紀書房

他者と“ともに”学ぶこと—— 他者と向き合い、ともに生きるとは、どういうことか。 人類学は、未来を切り拓くことができるのか。 現代思想、アートをはじめ、ジャンルを超えた影響と挑発をあたえつづけるティム・インゴルド。 世界の知をリードする巨人が語る、人類学と人類の未来。 世界が直面する未曾有の危機にどう立ち向かうべきか。 インゴルドの思想の核心にして最良の人類学入門。 第1章 他者を真剣に受け取ること 第2章 類似と差異 第3章 ある分断された学 第4章 社会的なるものを再考する 第5章 未来に向けた人類学 解説 原注 読書案内

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No.19
65

文化人類学への誘い、ふたたび ファーストコンタクト再演 媒介としての文化 村のなかのテント 見晴らしのよい場所 民族誌のメイキングとリメイキング 未完のフィールドワーク 私の野蛮人 民族誌を再演する 文化への焦点化 首狩の理解から自己の解放へ いま、フィールドで何が起きているか

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No.20
64

ラインズ 線の文化史

ティム・インゴルド
左右社

旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的に注目されるインゴルドの代表作待望の邦訳!〈線〉から開かれる知的興奮にみちた人類学。 マリノフスキーからレヴィ=ストロースへという未開の地の探索という人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作。文字の記述から道路まで、〈線〉という切口から、新鮮な開かれる知的興奮。 人類学とは、人間がこの世界で生きてゆくことの条件や可能性を問う学問である! マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳! 文字の記述、音楽の棋譜、道路の往来、織物、樹形図、人生… 人間世界に遍在する〈線〉という意外な着眼から、まったく新鮮な世界が開ける。知的興奮に満ちた驚きの人類学! 管啓次郎解説・工藤晋訳(原著LINES a brief history, Routledge, 2007) 日本語版への序文 謝辞 序論 第1章 言語・音楽・表記法 第2章 軌跡・糸・表面 第3章 上に向かう・横断する・沿って進む 第4章 系譜的ライン 第5章 線描・記述・カリグラフィー 第6章 直線になったライン 人類学の詩的想像力 訳者あとがき 工藤晋 さわやかな人類学へ 解説に代えて 管啓次郎 文献一覧

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No.22
64

暴力の人類史 上

スティーブン・ピンカー
青土社
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No.23
64
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No.24
64
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No.25
64

質的研究のためのエスノグラフィーと観察 目次 編者から(ウヴェ・フリック) 「SAGE質的研究キット」の紹介 質的研究とは何か 質的研究をどのように行うか 「SAGE質的研究キット」が扱う範囲 本書について(ウヴェ・フリック) はじめに 1章イントロダクション─エスノグラフィーと参与観察  エスノグラフィーを用いた研究小史  社会文化理論とエスノグラフィー  エスノグラフィー─基本原理  定 義  方法としてのエスノグラフィー  産物としてのエスノグラフィー  スタイルと文脈としての参与観察 2章エスノグラフィーの有効性─エスノグラフィーの方法によって、 どのようなトピックを効果的かつ効率よく研究できるのか  エスノグラフィーの方法─その一般的有効性  エスノグラフィーによる研究の実例  エスノグラフィーの方法─研究上の特有の課題  エスノグラフィーの方法─研究の場面 3章フィールドサイトの選定  自己目録作りから始める  フィールドサイトを選ぶ  ラポール 4章フィールドでのデータ収集  「事実」と「現実」  メモ:応用的エスノグラフィーについて  3つの主要な技法の領域  観 察  インタビュー  文書研究 5章観察について  観察の定義  観察研究のタイプ  観察研究の課題  観察研究のプロセス  妥当性の問題  観察者のバイアス  公共の場所での観察  倫理と観察研究 6章エスノグラフィー・データの分析  パターン  データ分析のプロセス  メモ:エスノグラフィー・データの分析における     コンピューターの使用について 7章エスノグラフィー・データの表現方略  伝統的な学術的形式でのエスノグラフィー・データの表現  文書形式でのエスノグラフィー・データの他の表現方法  文書を超えて 8章倫理的配慮  研究に関係する倫理的配慮のレベル  制度的機構  研究倫理の個人的次元  結 論 9章21世紀のエスノグラフィー  変化しつつある研究文脈─テクノロジー  変化しつつある研究文脈─グローバリゼーション  変化しつつある研究文脈─バーチャルな世界 訳者あとがき 用語解説 文 献 人名索引 事項索引   装幀=新曜社デザイン室

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No.28
64
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No.29
64

民俗研究映像「盆行事とその地域差」 葬儀は誰がするのか、してきたのか? 祖霊とみたまの歴史と民俗 葬法と衛生観念 自動車社会化と沖縄の祖先祭祀 列島の民俗文化と比較研究 討論

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No.33
64

近代社会が適切な養育の前提としてきた「家庭的な養育環境」とは。フィールドワークを通じ問題のメカニズムを社会学的視点から検討。 近代社会が適切な養育の前提としてきた「家庭的な養育環境」とは。フィールドワークを通じ問題のメカニズムを社会学的視点から検討。濃密なフィールドワークを基に児童養護施設に住む小学生の多様性、行為の意味が持つ複数性を分析、施設における生活実践とそこで生じる子ども集団の問題を浮かび上がらせ、その社会学的なメカニズムを描き出す。ケア環境の形態のみに焦点化した家庭─非家庭の二項対立を超え、施設における実践を家族社会学の視座から緻密に分析する。

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No.34
64
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No.35
64
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No.36
64

野生の思考

クロード・レヴィ=ストロース
みすず書房
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No.37
64

柳田國男の生い立ちと学問的背景 柳田國男旧蔵考古資料とは? 柳田國男はどんな考古資料を収集したのか 柳田考古遺物の採集地はどこか? 1 明治後期における柳田國男の旅行先 柳田考古遺物の採集地はどこか? 2 樺太紀行の旅程 柳田考古遺物の採集地はどこか? 3 南樺太の領有と当時の人類学者たちの動向 柳田考古遺物の採集地はどこか? 4 「樺太紀行」以後のサハリン島における考古学の展開 お雇い外国人の活躍と一八八〇年代の「日本人種論」 日本人研究者による人種論の始まり 柳田國男の考古遺物収集と山人論の形成 古代史学者喜田貞吉の日本民族論と柳田國男との関係 鳥居龍蔵の固有日本人論 形質人類学者による日本人種論 柳田國男はなぜ考古学を批判し、考古学と決別したのか 自然科学と文学 柳田國男と南方熊楠との交流 山人論から稲作民俗論へ 文学との決別が柳田民俗学を生んだのか 民俗学の誕生と考古学への意識 まとめ

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No.38
64
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No.39
64

東アジア各地域におけるレコード史が、日本と関わりを持ちながら展開してきた点に言及し、普及した背景等をSPレコードを軸に探求。 東アジア各地域におけるレコード史が、日本と関わりを持ちながら展開してきた点に言及し、レコードが東アジアに普及した背景や、日本が音楽の伝承に与えた影響などを、音盤(SPレコード)を軸に様々な角度から探求した。 19世紀に誕生した蓄音機は、20世紀に入りアジアでも急速に普及した。西洋のクラシック音楽の輸入盤ばかりでなく、日本、中国、台湾、朝鮮でもさまざまな録音が行われ、多くの音盤(SPレコード)が発売された。本書では、東アジア各地域におけるレコード史が、日本と関わりを持ちながら展開してきた点に言及し、レコードが東アジアに普及した背景や、複雑な構造の中で日本が音楽の伝承に与えた影響などが論じられている。当時、欧米の外資系を含む日本のレコード会社は、東アジア各地に積極的に進出し、録音、販売を行った。こうした東アジアのレコード産業の歴史は、グローバリゼーションのひとつの例と見ることができる。さらに、台湾と朝鮮半島のレコード産業の発展は中国とは異なり、日本の植民地支配の影響も大きかった。日本のレコード産業と植民地の歴史には、グローバリゼーションや資本主義、植民地主義が複雑に交錯している。また本書が音盤(レコード)を扱いながらも、書名に「音楽」ではなく「声」を用いているのは、当時のこれらのレコードの内容が音楽にとどまらず、歌はもちろんのこと、演説や映画説明、戯劇など、多様な声の表現にわたっていたものだからだ。東アジアの歴史を、音盤を通して様々な角度から探求した一冊。 総説 蓄えられた声を百年後に聴く──私たちはなぜこの百年のレコード史を追っているのか(劉 麟玉) 第1部 東アジアのレコード産業――声の近代  第1章 日本の円筒録音時代――声の再生、模倣、保存(細川 周平)  第2章 日本統治時代における台湾レコード産業と「台湾盤」の市場メカニズム(黃 裕元/訳:岡野〔葉〕翔太)  第3章 台湾テイストを作り出す――日本蓄音器商会の台湾レコード制作の戦略を探る(王 櫻芬/訳:長嶺 亮子)  第4章 「新譜発売決定通知書」を通してみる台湾コロムビアレコード会社と日本蓄音器商会の間の「対話」──戦争期のレコード発売状況の調査を兼ねて(一九三〇〜一九四〇年代)(劉 麟玉)  第5章 写音的近代と植民地朝鮮、一八九六~一九四五(山内 文登) 第2部 東アジアのレコード音楽の諸相――声の平行と交錯  第6章 草津節――お座敷からレコードへ、そして外地へ(福岡 正太)  第7章 戦前・戦中台湾のコロムビアレコードの音から――歌仔戯(ゴアヒ)と新興劇の音楽の繋がりをさぐる(長嶺 亮子)  第8章 清朝末期から中華民国期の崑曲SPレコード──吹込者と録音内容にたどる近代伝統劇界の変遷(尾高 暁子)  第9章 義太夫節・パンソリ・蘇州弾詞の歴史的音源に聴く演奏様式の変容(垣内 幸夫)

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No.40
64

「日本では何もできない」。夫の国である日本に移住したものの、日本語が自在に操れず、孤立していた子育て中の外国人女性のことばである。出自国と日本との経済格差により弱い立場に置かれることも多く、社会で活躍するチャンスも奪われ、人的ネットワークも築けない。そのような結婚移住女性たちのコミュニケーションの力を、いかに育てればよいのか。日本語教師である著者が立ち上げた、結婚移住女性と日本人女性が交流する親子参加型サークルでの実践研究をもとに、地域日本語教育の在り方を考える。コミュニケーションの力が育つ過程で〈ことばの学び〉がどのように促されるのか、エスノグラフィーを通して浮かび上がらせる。 【目次】 第1章 本研究の目的と研究課題 第2章 先行研究と理論 第3章 研究方法 第4章 【エスノグラフィーⅠ】自分なりのリテラシーを生成・活性化するナルモンさん 第5章 【エスノグラフィーⅡ(1)】コミュニティへの周辺参加から十全参加に向かうリンさん 第6章 【エスノグラフィーⅡ(2)】メンタルヘルスの問題を抱え、「対話」を求めるレイラさん 第7章 【エスノグラフィーⅡ(3)】親密圏の中で人的ネットワークを構築するアンさん 第8章 結婚移住女性にとっての〈ことばの学び〉 第9章 日本人にとっての〈ことばの学び〉 ──再考・子育て中の女性にとっての地域日本語教育 第10章 生活者のLife を支える〈ことばの学び〉を促すための地域日本語教育

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No.45
63
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No.48
63

浅草の初夏を熱狂の渦に巻き込む三社祭。その花形である三基の本社神輿を担いでるのは誰なのか。神輿の棒を激しい争奪戦で勝ち取ってきた有名神輿会に飛び込んだ著者が、祭りの狂騒と闘争をリアルに描き出すエスノグラフィー。 下町・浅草の初夏を熱狂の渦に巻き込む三社祭。 その花形である三基の本社神輿を担いでるのは誰なのか? 神輿の棒を激しい争奪戦で勝ち取ってきた有名神輿会に飛び込んだ著者が、祭りの狂騒と闘争をリアルに描き出すエスノグラフィー。 序章 神輿渡御を闘争として分析する 第一章 民俗学の(複数の)新しい方向性の提示を目指して 一 民俗学的研究の三つの方針 二 「非公式」的祭礼研究宣言 第二章 神輿渡御をどう理解するのか──本書の分析視角 一 東京圏の神輿渡御の社会的背景 二 祭礼研究の地図──分析視角の批判的考察 三 闘争からみる浅草の神輿渡御 四 浅草地域と三社祭 第三章 モノの観点からみる東京圏の神輿渡御 一 神輿とは何か 二 神輿渡御とは何か 三 「江戸前」の美学と標準化した祭礼運営の手法 四 本書は神輿渡御をどのように理解するか 第四章 江戸・東京の祭礼史 一 前史──天下祭における形式性と周辺祭礼における乱痴気騒ぎの時代 二 第一期──町神輿の登場と町会による権威的配分の時代 三 第二期──町会と神輿会との闘争の時代 四 第三期──権威的配分の再成立と社会─祭礼関係の時代 五 町神輿は何をもたらしたか──京都市域の神輿渡御と比較して 第五章 神輿会のエスノグラフィー 一 神輿会の概要 二 A神輿会の概要 三 祭礼の場におけるA神輿会 四 A神輿会内部における人間関係 五 A神輿会の男性性と女性会員 六 A神輿会と他の神輿会の関係 七 神輿会と伝統・宗教 八 A神輿会の社会階層 九 神輿会にとって神輿担ぎとは何か 第六章 町会・青年部による祭礼運営のエスノグラフィー 一 町会の概要 二 B睦会による祭礼運営 三 祭礼運営における論点 四 町会・青年部にとって神輿渡御とは何か 第七章 神輿渡御における地域的共同性はいかにして達成されるか 一 神輿渡御における〈資源配分をめぐる闘争〉 二 「棒振り」と資源の権威的配分 三 〈右肩の会〉と〈左肩の会〉 四 神輿渡御の三者関係 五 地域的共同性の再成立と地域の再統合 第八章 「江戸前」の美学の創造・拡大・定着 一 神輿渡御における「美学」をめぐる闘争 二 「江戸前」以前の美学 三 「江戸前」の美学の創造・拡大・定着 四 「江戸前」スタイルの意味するもの 第九章 神輿を担ぐことの文化政治 一 神輿渡御における神聖化戦略をめぐる闘争 二 三社祭における神聖化戦略をめぐる闘争 三 神輿パレードにおける神聖化戦略をめぐる闘争 四 〈イベントから「伝統」へ〉 結章 まとめと展望 一 本書の要約 二 本書の目的はどこまで達成されたか 三 残された課題 補論 コロナ禍の三社祭を歩く 文献一覧 あとがき 初出一覧 索引

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No.49
63

人類の誕生と進化の歴史、日本列島に渡来したホモ・サピエンスの活動などをわかりやすく解説する。 これまでの科学的学説を紹介し、現在定説化しているものを基本にしながら、人類学、遺伝学(分子人類学)の流れを整理。人類の誕生と進化の歴史、日本列島に渡来したホモ・サピエンスの活動などをわかりやすく解説する。 ヒトはどこから来たのか――。 これまでの科学的学説を紹介し、現在定説化しているものを基本にしながら、人類学、遺伝学(分子人類学)の流れを整理。人類の誕生と進化の歴史、日本列島に渡来したホモ・サピエンスの活動などをわかりやすく解説する。   はじめに 第一部 人類の起源  第一章 霊長類の誕生とダーウィンの挑戦   ●第一節 ビッグバンから地球と人類の誕生まで   ●第二節 ダーウィンの『種の起源』と進化論   ●第三節 人類のアフリカ起源説と多地域進化説   ●第四節 DNAと分子人類学の発展  第二章 人類の進化   ●第一節 チンパンジーとの分岐と猿人の出現   ●第二節 ホモ属の出現と原人、旧人   ●第三節 ネアンデルタール人とデニソワ人   ●第四節 アフリカでのホモ・サピエンス  第三章 出アフリカから世界への拡散   ●第一節 ホモ・サピエンスの「出アフリカ」   ●第二節 ユーラシア大陸への展開   ●第三節 ホモ・サピエンスのオセアニアへの拡散   ●第四節 最後の大陸・南北アメリカへ    第四章 古代農業革命と歴史時代への移行   ●第一節 古代の農業革命   ●第二節 農業革命と戦争・ゲノムの変化   ●第三節 歴史時代のさまざまな変革と限界   ●第四節 人類と言語について  第五章 今後の人類の課題   ●第一節 自然現象と関連した課題   ●第二節 植民地主義と核兵器の廃絶   ●第三節 「人新世」の提起   第二部 日本人の起源    第一章 日本の後期旧石器時代   ●旧石器時代の地理的、歴史的特徴  第二章 縄文時代の一万二〇〇〇年   ●第一節 分子人類学からの視点   ●第二節 縄文の名称と特徴、一万二〇〇〇年の長さ   ●第三節 縄文人の衣食住確保と食生活   ●第四節 縄文時代の主要な道具   ●第五節 三内丸山遺跡、上野原遺跡などの事例  第三章 弥生時代の水田稲作と金属器など   ●第一節 弥生時代の定義とDNAの変化   ●第二節 階級社会の成立と戦争、金属器の普及   ●第三節 琉球列島集団、北海道集団の成立と弥生時代   ●第四節 崎谷満氏の「縄文主義」と「長江文化神話」批判  第四章 古墳時代から飛鳥時代へ   ●第一節、古墳時代の王権確立と人口増加   ●第二節 飛鳥時代の変化  第五章 日本の歴史時代を縦断する   ●第一節 歴史時代の日本の「革命」   ●第二節 日本史の時代区分について   ●第三節 日本が直面した危機的事件  第六章 日本語の起源について   ●第一節 日本語の起源についての代表的な説   ●第二節 縄文語の探求と太平洋沿岸言語圏   ●第三節 日本語の起源に関するさまざまな説   ●第四節 最近の国際研究チームの発表   ●第五節 日本語のルーツに関する今後の課題  第七章 日本人起源論の系譜   ●第一節 明治初頭の外国人の「日本人起源論」   ●第二節 大学アカデミーと日本人起源説   ●第三節 分子人類学者らの「二重構造説」批判  第八章 今後の課題   おわりに   参考文献 ■第一部コラム 宇宙~人類略史年表/チャールズ・ダーウィンの年譜/DNAのコンタミネーション/主な遺跡の発見年表/人類進化の系統表/ネアンデルタール人関連略史/虫歯の人類史/ヒトとチンパンジーの成長期間/英国のビルトダウン人事件/シルクロードと東西交流 ■第二部コラム 沖縄で発見された主な旧石器時代遺跡/日本の五大火山爆発/アイヌ人と和人の戦いと近年の法的措置/太安万侶の墓

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No.52
63

文化概念の再考を迫る名著、待望の邦訳。著者インタヴューと解説「批判人類学の系譜」(太田好信)を収録。 純粋なものが、狂ってゆく 第1部 言説(民族誌的権威について 民族誌における権力と対話-マルセル・グリオールのイニシエーション ほか) 第2部 転置(民族誌的シュルレアリスムについて 転置の詩学-ヴィクトル・セガレン ほか) 第3部 収集(部族的なものと近代的なものの歴史 芸術と文化の収集について) 第4部 歴史(『オリエンタリズム』について マシュピーにおけるアイデンティティ)

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No.53
63

息を「吹く」しぐさと「吸う」しぐさ 指を「隠す」しぐさ 指を「弾く」しぐさ 股のぞきと狐の窓 「後ろ向き」の想像力 虫の動きを封じるしぐさ 祟りと摂食行為 エンガチョと斜十字 ハナヒからクサメへ クシャミの由来譚 一声と二声の俗信 片道と往復の俗信 「同時に同じ」現象をめぐる感覚と論理 しぐさと呪い

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No.56
63

社会的背景 理論的背景 オートエスノグラフィーの構成 〈研究1〉教員志望学生のキャリア選択過程 〈研究2〉大学教員による日常的なキャリア支援 〈研究3〉成長の瞬間を生み出す「よいキャリア支援」の意味感覚 総合考察

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No.57
63

ルーツ: 20世紀後期の旅と翻訳

ジェイムズ クリフォード
月曜社
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No.58
63

音楽にはヒト、モノ、空間を結びつける力がある。この動態とプロセスを、人類学者や作曲家らが協力して描く、新たな音楽の民族誌。 世界各所で音楽や芸能に向き合ってきた人類学者、音楽教育の実践者や作曲家らが、「音が生み出される場」の豊かな描出を通じて、「音楽の力とは何なのか」という問いに言葉を与えようと模索する、新たな音楽の民族誌。 「音楽」は、一つの楽曲を意味する言葉にとどまらないだろう。 「音楽」には、作品そのものに本来備わる特質・構造・意味/メッセージだけでなく、それがあらゆるアクター(表現者・オーディエンス・空間や環境・音楽プレイヤーや音響機材・人間の身体/心情や音をめぐるコンテクストなど)をつなぎ合わせ、一つの塊のように統合させようとする力があるからだ。 本書では、このようにさまざまなものを編み込んでいく音楽の力(=サウンド・アッサンブラージュ)を包括的に表現し、「音楽」の持つ意味を大きく拡張していく。 世界各所で音楽や芸能に向き合ってきた人類学者、音楽教育の実践者や作曲家らが、「音が生み出される場」の豊かな描出を通じて、「音楽の力とは何か」という問いに言葉を与えようと模索する、新たな音楽の民族誌。 〈序章〉「音楽の力」を取り戻すための試論           小西公大 第1部 つながる(媒介)    〈第一章〉音が編み込む力         —インド・タール沙漠の芸能世界が教えてくれたこと            小西公大     〈第二章〉「見せる場」から「音楽とともにいる場」へ         —ウガンダの学校と盛り場で           大門碧     〈第三章〉音を継ぎ合わせる「視線」          —インドの歌舞踊ラーワニーの舞台実践から           飯田玲子 第2部 うみだす(創造)    〈第四章〉醸される島の音の力         —三宅の声と太鼓が生み出すアッサンブラージュ           小林史子    〈第五章〉つながりを手繰り寄せる/選り分ける         —社会的存在としてのチベタン・ポップ           山本達也    〈第六章〉調を外れて響き合うトーンチャイム         —サウンド・アッサンブラージュの授業風景           石上則子 第3部 つたえる(継承)    〈第七章〉制度と情動をめぐる相剋         —東北タイのモーラム芸能にみる暴力・性・死           平田晶子      〈第八章〉一切をつむぎ、交感するアッサンブラージュの力         —高知におけるガムランプロジェクトの実践を通して           宮内康乃    〈第九章〉媒介、愛着、継承         —ソロモン諸島アレアレにおける在来楽器アウをめぐって          佐本英規    〈補論〉  仮想空間で音楽になること          小西公大     おわりに

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No.59
63
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No.60
63

世界を変えるための「最古の科学」が「儀式」だった! 火渡りの祭礼から卒業式まで、儀式の秘密と活用のヒントを探究する空前の書。 世界を変えるための「最古の科学」が「儀式」だった――。 生活や価値観が猛スピードで変化する現代。昔からある「儀式」は単調で、退屈で、無意味にみえる。でも、ほんとうに? 認知人類学者の著者は熱した炭の上を歩く人々の心拍数を測り、インドの祭りでホルモンの増減を測定。フィールドに実験室を持ち込んで、これまで検証されてこなかった謎めいた儀式の深層を、認知科学の手法で徹底的に調査する。ハレとケの場、両方にあふれる「儀式」の秘密と活用のヒントを探究する空前の書。 ジョセフ・ヘンリック(人類学者、ハーバード大教授) 「ギリシャの火渡りからアマゾンの恐ろしい祭礼まで、認知人類学者の著者は、リズム、ダンス、音楽、苦痛、犠牲などから成る、一見すると無意味で反復的で因果関係が不明瞭な〈儀式〉を、人類がどのように、なぜ行うのかを探求する。民族学的なデティール、個人のナラティヴ、認知科学の成果が盛り込まれた本書は、QOLや健康状態の改善、地域社会の構築のために、古代からの知恵であり最新の科学でもある〈儀式〉をどのように活用できるかを教えてくれる」 第1章 儀式のパラドックス 第2章 儀式と種 第3章 秩序 第4章 接着剤 第5章 沸騰 第6章 強力接着剤 第7章 犠牲 第8章 幸福 第9章 儀式の力の活用

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No.61
63

Among histories Indigenous articulations Varieties of indigenous experience Ishi's story Hau'ofa's hope Looking several ways Second life : the return of the masks Epilogue

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No.62
63

アメリカ映画の文化副読本

渡辺将人
日経BP 日本経済新聞出版

知米派の政治学者が、日本でも人気の映画やドラマを数多く取り上げ、作品の背景にあるアメリカ社会の本質を語り尽くす異色の解説書。 〈7つの文化〉で紐解いていく「アメリカ」。お馴染みの著名作品から日本では劇場未公開の知られざる個性派作品、Netflixオリジナル作品やAmazonプライムなど配信系オリジナルの映画ドラマまで数多くの作品を幅広く紹介。巻末にはアメリカのメディアや選挙現場の実務から「フィールド」を知る政治学者の著者による異色「コラム」も収録。アメリカ文化解説、映画レビュー、政治分析が折り重なった注目作。「日本の読者として何に受け入れがたいアレルギーが残り、どんな部分に知られざる再評価できそうな面白さが眠っているか。アメリカを自然体でお伝えすることに専心し、なるべくアメリカの映画やドラマが楽しくなるような文化解説を心がけた」(本文より)文化がわかるとドキドキや泣き笑いが真に迫る! すべての映画・ドラマファン必読の一冊。著者からのメッセージ:「ネット動画配信プラットフォームの浸透で、日本国内でのアメリカの映画ドラマ消費は、質量ともに新たなフェイズに突入している。「配信革命」とも言える波のなかで、映画ドラマ好きの目はますます肥えつつある。ざっくりしたストーリー消費に飽き足らず、キャラや設定の背景も知りたい人が増えていることを肌で感じるようになった。(中略)ハリウッドの映画やドラマでもこの「泣き笑い」を心から愉しみたいという視聴者が増えている。見えない文化差はビジネスや生活習慣に遍在するやっかいな代物だが、押さえておけば映画ドラマを数倍愉しめる。自己啓発書やビジネス書など海外発の翻訳書の「読み方」にもメリハリがつく。「スタンフォード流」「ハーバード流」など、アメリカ人著者が「彼らの文化」だけを前提にしたベストセラーでも、「文化変換」の回路を通すことで日本の生活や仕事に役立てる工夫の手がかりにも近づける。文化の「カフェイン」入りの本格派で堪能するお手伝いができないか。そう考えてアメリカの映画ドラマについての「文化ネイティブ」へのジャンプシューズないしは3Dメガネの企画を練った。しかも、自文化との「差分」も二段階でエンジョイできるのは我々外国人だけの特権的ボーナスでもある。初回はアメリカ文化を意識しないで視聴するのも一興。文化を知ってから味わうと「なるほど」感や面白さも格段だ」(本文より抜粋) 1 都市と地域 2 社交と恋愛 3 教育と学歴 4 信仰と対抗文化 5 人種と民族 6 政治と権力 7 職業とキャリア

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No.63
63

広大なネット社会を見極める方法  協力者の生活の「現場」に参加・観察し記述する。これが人類学の代表的な参与観察研究法です。しかし、デジタル機器やインターネットに媒介される現代のコミュニケーションは現場に参与・観察できず、研究法は変革を求められています。そこで著者が提唱するのが、定性・定量の両面から迫り、多時的・多所的なデータ、干渉型・非干渉型の組合せという複数の意味をもつハイブリッド・エスノグラフィーです。本書ではその可能性が、机上の理論ではなく、日米デジタルネイティブの比較調査、モバイル機器利用から見るデジタルデバイド調査、日本最大のニュースサイトのコメントというビッグデータを用いたオンラインエスノグラフィーなどの着実な知見をもたらす実践で明らかになります。今後のネットワークコミュニケーション研究の道標となる分析としても、ビジネス界でニーズの高まる研究法、エスノグラフィーの大胆な革新としても読むことができる著者の集大成です。 ハイブリッド・エスノグラフィー 目次 はじめに Ⅰ ネットワークコミュニケーション/エスノグラフィー/ハイブリッド・エスノグラフィー 第1章 ネットワークコミュニケーション研究   1―1 「ネットワークコミュニケーション」   1―2 本書が対象とする「ネットワークコミュニケーション研究」   1―3 技術の社会的形成―――本書における技術と社会との関係の捉え方 第2章 ネットワークコミュニケーションの特性   2―1 5つの軸   2―2 関与者数   2―3 クローン増殖性と記憶・再生・複製・伝播様式   2―4 時間軸・空間軸における離散性・隣接性   2―5 「物理的存在」(オフラインの存在)/「論理的存在」(オンラインの存在)と社会的手掛かり   2―6 秩序形成への欲求とメディアイデオロギーの形成 第3章 NC研究におけるエスノグラフィーアプローチの展開   3―1 エスノグラフィー・質的研究への高まる関心   3―2 人類学におけるNC研究   3―3 サイバーエスノグラフィー研究 第4章 「ヴァーチュアル・エスノグラフィー」と「デジタル人類学」のあいだ   4―1 「エスノグラフィー」の危機   4―2 「ヴァーチュアル・エスノグラフィー」   4―3 「ヴァーチュアル・エスノグラフィー」と「デジタル人類学」のあいだ 52   4―4 エスノグラフィー革新の必要性 第5章 デジタル世界における対称性の拡張知識産出様式としてのエスノグラフィー革新の方向性   5―1 デジタルメソッド   5―2 知識産出様式における〈対称性(シンメトリー)〉の拡張   5―3 デジタル空間における「定量/定性」の対称性と「フィールド」概念の変容     5―3―1 デジタル空間における「定量/定性」の対称性     5―3―2 SNA・ネットワーク科学とエスノグラフィーとの接合「定性/定量」対称性方法論として     5―3―3 「干渉型参与観察」特権化の瓦解   5―4 「ビジネス/学術」の対称性     5―4―1 CUDOSからPLACE     5―4―2 ネットワークに埋め込まれる人々の活動とIT企業     5―4―3 「ビジネスエスノグラフィー」と「デジタル人類学」 第6章 ハイブリッド・エスノグラフィーの方法論的基礎   6―1 リサーチプロセスから規定する「エスノグラフィー」   6―2 「アブダクション(仮説生成的推論)」―――エスノグラフィーの中核的力   6―3 「ヒューリスティクス(発見法)」―――HEの中核的力 第7章 ハイブリッド・エスノグラフィーの具体的遂行と課題   7―1 エスノグラフィー調査の具体的遂行過程   7―2 つながりとしての「フィールド」とサイバーエスノグラフィー・アプローチ3類型     7―2―1 つながりとしての「フィールド」     7―2―2 焦点となる〈つながり〉からみたサイバーエスノグラフィー・アプローチ3類型     7―2―3 論理的存在/物理的存在の分離がもたらす方法論的課題   7―3 調査倫理     7―3―1 ケアの原則(principle of care)     7―3―2 調査研究許諾の確認と説明研究機関およびvenue毎の必要性      7―3―3 関係形成のダイナミズム   7―4 フィールドワークにおけるデータ収集法     7―4―1 観察、インタビュー、保存記録     7―4―2 インタビューの多元性   7―5 質的/量的をいかに組み合わせるかHEにおけるMMの具体的展開法   7―6 HEが展開される空間     7―6―1 NC研究の多層性・多元性     7―6―2 NC研究の重層的空間 Ⅱ ハイブリッド・エスノグラフィーの実践 第8章 VAP(Virtual Anthropology Project)ソーシャルメディア利用の日米デジタルネイティブ比較   8―1 VAP(Virtual Anthropology Project)とデジタルネイティブ研究     8―1―1 VAP(Virtual Anthropology Project)     8―1―2 「デジタルネイティブ」論と「デジタルネイティブ」概念の脆弱性     8―1―3 日本社会において「デジタルネイティブ」研究の持つ意味   8―2 HEとしてのVAPリサーチデザイン―――3つの観点   8―3 デジタル現在(digital present)―――観察・アーカイブ・インタビューの融合     8―3―1 デジタル現在(digital present)――HEにおける「民族誌的現在」の革新     8―3―2 VAPにおけるデジタル現在(digital present)   8―4 TML(Translational Multi―Level)デザイン       ―――インフォーマント集団をより大きな社会文化集団に定位する方法     8―4―1 アンケート調査との並行・継起デザイン     8―4―2 VAP―Iでの実践     8―4―3 TML(Translational Multi―level)デザイン           ――定性調査の弱点克服とウェブ調査のバイアス   8―5 VAP―V(北米調査)―――社会文化間比較に拡張したTMLデザイン     8―5―1 VAP―Vのリサーチデザイン     8―5―2 国際比較、異文化間比較研究     8―5―3 VAP―Vにおける日米ウェブ調査モニター・インフォーマントの偏り   8―6 TMLデザインによる日米比較     8―6―1 インターネット利用全般     8―6―2 ケータイメール・SMS利用の規範意識、気遣い     8―6―3 ブログ・BBS・SNS情報発信・交流・自己開示   8―7 SNS利用と社会的ネットワーク空間の構造      8―7―1 日本社会におけるSNSの普及せめぎ合う3つの「つながり原理」     8―7―2 「世間」の支配力     8―7―3 対人関係空間の構造     8―7―4 SNSの考古学 第9章 ワイヤレス・デバイドユビキタス社会の到来と新たな情報格差   9―0 本章の位置づけ   9―1 データ通信カードと「モバイルデバイド」本章の主題   9―2 デジタルデバイド研究   9―3 データ通信カードの普及   9―4 グループインタビューによる定性的調査   9―5 ウェブアンケートによる定量的調査   9―6 「魚の目」の重要性 第10章 ネット世論の構造   10―0 本研究の問題意識と主題   10―1 日本社会における「ネット世論」の形成回路とYahoo!ニュースの位相     10―1―1 ニュース産出流通回路の変革     10―1―2 「ネット世論」=「拡散」「炎上」の図式を越える必要   10―2 本研究データの概要   10―3 投稿者識別IDクラスタリング   10―4 投稿者ID―IPアドレス、親コメント―子コメントとの関係   10―5 非マイノリティポリティクス「ヤフコメ」に通底する社会心理     10―5―1 PRSに現れるネット世論の関心     10―5―2 投稿者マジョリティに現れるネット世論の関心     10―5―3 非マイノリティポリティクスと道徳基盤理論   10―6 ポスト・リベラルの社会デザイン おわりに 参考文献 索引    装幀 荒川伸生

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No.65
63
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No.66
63

暴力を止めて平和を始める新たなアプローチとは? 12の地域で調査をおこなってきた平和構築者が、20年間の学びを伝える! ★紛争研究会が選ぶ「2022年ブック・オブ・ザ・イヤー賞」最終候補作★寄せられた賛辞の一部「平和は可能だがむずかしい。…大きなアイデアと現場のファクト、その両方を知る専門家に耳を傾けることが欠かせない。『平和をつくる方法』は人類の最も崇高な試みについて新たな洞察を与えてくれる」──スティーヴン・ピンカー(『暴力の人類史』著者)「セヴリーヌ・オトセールは、コンゴであれ、コロンビアであれ、アメリカであれ、日々、地域社会で暴力を減らすために努力している普通の女性や男性の物語を語る。読者に行動を促す、魅惑的で感動的な物語だ」──デニ・ムクウェゲ(2018年ノーベル平和賞受賞者)「『平和をつくる方法』は、ありふれた国際政治の本ではない。まわりの世界の見方を変える一冊だ」──リーマ・ボウイー(2011年ノーベル平和賞受賞者)★内容平和構築という言葉は、私たちが何度も耳にした物語を想起させるかもしれない。ある地域で暴力が発生すると、国連が介入し、ドナーが多額の支援を約束し、紛争当事者が協定に署名して、メディアが平和を称える。そして数週間後、ときには数日後に、暴力が燃えあがる──そのような物語。はたして、私たちに持続可能な平和を築くことなど可能だろうか? 可能だとすればどのように? そうした問いに答えるのが本書である。著者は、善意にもとづくが本質的な欠陥を抱える「ピース・インク」と彼女が名付けるものについて──その世界に身を浸しながら(参与観察)──考察する。最も望ましくない状況であっても平和は育まれることを証明するために。そのため、従来とは異なる問いの立て方もする。つまり、〈不思議なのは…紛争解決の取り組みが失敗するのはなぜか、ではない。ときどき大成功を収めるのはなぜか、だ〉。そう、多くの政治家や専門家が説くのとは反対に、問題に大金を投じても解決策になるとはかぎらない。選挙で平和が築かれるわけではないし、民主主義はそれ自体が黄金のチケットではないかもしれない(少なくとも短期的には)。では、ほんとうに有効だったものは何か。国際社会が嫌う方法だが、一般市民に力を与えることだ。地元住民主導の草の根の取り組みにこそ暴力を止めるヒントがある。そしてそれは、私たち自身の地域社会やコミュニティ内での対立の解決にも役に立つ。本書は、20年間の学びがつまった暴力を止めて平和を始めるための実践的ガイドである。 序文(リーマ・ボウイー、2011年ノーベル平和賞受賞者) まえがき 戦争、希望、平和 第一部 可能な和平 第一章 平和の島 第二章 ロールモデル 第二部 ピース・インク 第三章 インサイダーとアウトサイダー 第四章 デザインされた介入 第三部 新しい平和のマニフェスト 第五章 一つひとつの平和 第六章 役割を変える 第七章 自国の前線 謝辞 附録 参考資料 読書会での議論の手引き 授業の手引き

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No.67
63
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No.69
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アジア発酵紀行

小倉 ヒラク
文藝春秋
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No.70
63

異文化接触に伴う緊張のなかでも、衝突をかわし、差別を避けながら、ともに生きていく人類の知恵とは。狩猟、婚姻、紛争などの人類学の基本的なテーマを、日本で編まれた民族誌を基礎に丁寧に解説。 序論:民族と世界 はじめに 1.文化人類学の歴史 2.文化とは 3.世界の変容、文化人類学の変貌 第1章 バリ島民:伝統舞踊と社会変化 はじめに 1.バリ島の概況 2.歴史 3.バリ・ヒンドゥー文化 (1)インドとバリのヒンドゥー文化(2)民俗方位(3)悪魔払いの儀礼(4)稲の精霊信仰 4.観光人類学 おわりに 第2章 ナバホ族:ネイティブ・アメリカンの歴史と宗教 はじめに 1.ネイティブ・アメリカンの移住と分布 2.ナバホ族の歴史 3.ナバホ族の世界観 4.伝統医療とアルコール依存症 おわりに 第3章 アラスカ・エスキモーの社会 はじめに 1.エスキモーの地域文化 2.環境の対比と双分社会 (1)夏の居住形態(2)冬の居住形態 3.社会 (1)家族(2)霊魂観 4.捕鯨エスキモーの事例 おわりに 第4章 アフリカ・ナイル上流のヌエル族:牧畜・血族・内戦 はじめに 2.ヌエル族の概況 (1)エヴァンズ=プリチャード(2)ヌエル・ランド 3.ヌエル族の社会 (1)政治体系(2)リネージの分節 4.婚姻 (1)年齢組と成人男性(2)インセスト・タブーと花嫁代償(3)生物学的父≠法的父の婚姻形態 5.スーダン内戦 おわりに 第5章 中央アフリカ:ピグミーの狩猟 はじめに 1.アフリカの概況 (1)自然(2)アフリカの狩猟民 2.ピグミーの歴史 (1)民族名称(2)歴史 3.ピグミーの社会 (1)バンド(2)社会組織(3)宗教と病気 4.狩猟 (1)伝統狩猟(2)ネット・ハンティング(3)農耕民との共生 5.独立後の混乱と内乱による環境破壊 おわりに 第6章 イスラム世界:モロッコ・フェズの社会生活と聖信仰 はじめに 1.民衆イスラム 2.イスラム教の教義 (1)コーランの教え(2)本質(3)信仰 3.聖者信仰 (1)聖者(2)聖者の霊力(3)現世利益と「取りなし」理論 4.モロッコの古代都市フェズ (1)モロッコの概況(2)フェズの概況(3)家庭生活 5.聖者祭り (1)ムーセム(Musem)(2)日程(3)場所·祭祀空間(4)祭りの参加者(5)部族対立の調停 6.「聖者」の役割 おわりに 第7章 トロブリアンド諸島の母系社会とクラ交易 はじめに 1.マリノフスキー 2.メラネシアの概況 3.クラ交易 (1)クラ交易の概説(2)クラ交易の社会的機能(3)クラ研究の展開 4.社会と母系制 (1)性肯定社会(2)結婚の意義(3)母系制(4)タブー(5)性と夢 おわりに おわりに

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No.71
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