【2024年】「行動心理学」のおすすめ 本 139選!人気ランキング
- 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
- 今日から使える行動心理学 (スッキリわかるシリーズ)
- 影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
- マンガでわかる! 心理学超入門
- 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)
- リーダーのための経営心理学 ―人を動かし導く50の心の性質
- 使える行動分析学: じぶん実験のすすめ (ちくま新書)
- 行動分析学 (有斐閣アルマ > Specialized)
- 限りなく黒に近いグレーな心理術
- アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
理論と実践の双方向から「行動分析学」を体系的に解説。幅広い内容をコンパクトに収めた決定版。各種ツールも充実。 「行動分析学」を初めて学ぶ方に向けた概説テキスト。行動の分析を一つの軸に,基礎理論と臨床・日常場面への応用をリンクさせる一冊です。演習問題や事例紹介など,充実のツールで学びをサポート。医療福祉の現場に立つ方にもおすすめ。 第1章 心とは何か──行動分析学から接近する 第2章 観察法と実験法──行動を科学するために 第3章 生得性行動──経験によらない個体の行動とは 第4章 レスポンデント──環境の機能を変える方法を知る 第5章 オペラント──行動やその出現機会を作り出す方法を知る 第6章 強化随伴性──行動変容のための諸変数と規則 第7章 刺激性制御──はじめての環境に個体が出会うとき 第8章 反応遮断化理論と選択行動──強化と価値を考える 第9章 言語行動と文化随伴性──行動分析学から展望する
心理学の定番入門書がそのままのコンパクトさで生まれ変わりました。「心理学の仕事」「研究法」「研究倫理」などのトピックが加わりいっそう社会に生きる心理学を感じられる内容に。ブックガイドも充実した心理学の必携書。公認心理師を目指す方にも。 序 章 心理学ってなんだ?──心理学の仕事とテーマ 第Ⅰ部 身近に感じる心理学 第1章 心理に関する支援を行う──臨床心理学 第2章 性格は変えられるか──性格と個人差の心理学 第Ⅱ部 心理学で日常生活を読み解く 第3章 身近な人や社会との関係──社会的行動の心理学 第4章 人が生まれてから死ぬまで──発達心理学 第5章 心を測る──心理学的アセスメント 第Ⅲ部 心理学のコアな原理 第6章 世界をどうとらえるか──知覚・認知・記憶の心理学 第7章 あなたはなぜそのように行動するのか──行動と学習の心理学 第Ⅳ部 心理学の歴史と方法 第8章 心はどう探究されてきたか──心理学の歴史 第9章 データから心を探る──心理学の研究法
「認識」について,実験の醍醐味に触れながら,基礎的な内容から新しい知見までをカバーした,コンパクトで読みやすい入門書。 人間は世界をどのように認識しているのか。当たり前になしえている「認識」の背後にからみ合う複雑な営みを,1つ1つ解き明かしていく実証的・科学的手法の醍醐味を堪能してほしい。初版刊行後の新しい知見も盛り込んだ,コンパクトで読みやすい入門書。 第1章 認知心理学の誕生と変貌――情報工学から機能的生物学へ=道又 爾 第2章 知覚の基礎――環境とのファーストコンタクト=北〓崎充晃 第3章 高次の知覚――見ることから理解することへ=道又 爾 第4章 注 意――情報の選択と資源の集中=大久保街亜・道又 爾 第5章 表 象――こころの中身,その形式=大久保街亜 第6章 記 憶――過去・現在・未来の自己をつなぐ=今井久登 第7章 言 語――成長する心の辞書システム=山川恵子 第8章 問題解決と推論――普遍性と領域固有性の間で=黒沢 学
中高生のほとんどは,心理学とはどういうものかを知らないが,いろんなイメージはもっている。高校の教室で行った大学教授の授業から,現代の心理学の姿を描く。「総合学習で学ぶ心のしくみとはたらき」と題した付録冊子付き。 日本では心理学が学校の教科になっていない。そのために,多くの中高生は心理学がどういうものかを知らずに,さまざまなイメージをえがいているのが現状だ。本書では,高校1年生のクラスで行なった大学教授の授業という形式で,現代の心理学の全体像とその姿をえがいていく。心理学の本当のおもしろさにふれられます。 1章 心理学で人の心が読める? 操れる? 1 心理学ってすごい? こわい? 2 人の心を読むことはできる? ウソ発見器はウソを見破れるか 心理カウンセラーの仕事 心理学の法則は統計的なもの 3 人の心を変えることはできる? 悪徳商法とカルト教団の手口 人間の心理的傾向がうまく利用されている 人が説得されやすいとき 4 質問の時間 2章 心理学ってうさんくさい? 1 心理学は占いのようなもの? 2 知能検査というもの ビネーの知能検査 知能検査のその後 知能検査の思い出 知能検査は信頼できるか――代表性と再現性 知能検査は役に立つか――診断力と予測力 3 性格検査というもの 類型論と特性論 質問紙による性格検査の作り方 投影法と作業検査法による性格検査 性格検査の有効性 4 質問の時間 3章 心理学は常識的なことばかり? 1 心のことなんて,もう知ってる? 2 心理学は何を研究するの? 意識と内観 心理実験――錯視を例に 心に代わって「行動」を研究する 無意識の存在と防衛機制 3 心理学の理論と方法って? 意識だけでは心のしくみはわからない 心理学では理論とデータが大切 学習意欲の出なくなったM君をどう理解するか 4 質問の時間 4章 心理学を学びたい人に 1 心理学にはどんな分野があるの? 2 心理学を学ぶには(1)――本を読む 3 心理学を学ぶには(2)――大学に行く 4 心理学を生かせる仕事は?
本文二色刷にカラー口絵付。豊富な図表,読書案内,練習問題,最新トピック紹介等により,高い学習効果を備えた決定版テキスト。 最新の研究知見を取り入れつつ,基本的な考え方,用語,概念の理解を目指し,豊富な図表と厚みのある解説を施した本格テキスト。第一線の研究者による最新トピック紹介,本文2色刷とカラー口絵,読書案内,練習問題などにより,高い学習効果を備えた決定版! 第Ⅰ部 認知心理学の基礎:感性・注意・記憶 第1章 認知心理学の歴史とテーマ/第2章 視覚認知/第3章 感性認知/第4章 注意/第5章 ワーキングメモリ/第6章 長期記憶/第7章 日常認知/第8章 カテゴリー化 第Ⅱ部 高次の認知心理学:言語・思考・感情 第9章 知識の表象と構造/第10章 言語理解/第11章 問題解決と推論/第12章 判断と意思決定/第13章 認知と感情 第Ⅲ部 認知心理学の展開:進化・社会・文化 第14章 認知進化と脳/第15章 認知発達/第16章 社会的認知/第17章 文化と認知/第18章 メディア情報と社会認識
ヒトは未完成な状態として生まれ「学習」に依って「人」となる。このようにヒトが人となるために必要な学習機能についてまとめる。育児や保育ならびに学校での教育実践(教育領域),適応的行動の形成や不適応行動の改善(臨床領域),学習機能に障害を持つ人々のサポート(障害領域)に資する基礎的研究や実践的研究を解説。 ◆◆◆おもな目次◆◆◆ 第1章 学習心理学へのいざない 第2章 学習の基礎研究:動物を使って学習の仕組みを探る 第3章 記憶のプロセスの研究:知識獲得のメカニズム 第4章 メタ認知:知識による行動の制御 第5章 学習意欲の研究とその応用 ◎現場の声1 学ぶ意欲をはぐくむ学級経営と授業 ◎現場の声2 定時制高校ではぐくむ学ぶ意欲 第6章 心理臨床と学習心理学 ◎現場の声3 病気の子どもと家族を支える ◎現場の声4 産業領域に活きる学習心理学の理解 第7章 学習指導と学習心理学 ◎現場の声5 授業はカレー。理論がルウで,実践知が具。煮込むほど美味しくなる ◎現場の声6 小学校5年生,勉強に悩みはじめる ◎現場の声7 小学校3年生,算数の考え方を説明し,次に生かす 第8章 一人ひとりの特性に応じた指導と学習心理学 ◎現場の声8 通級指導教室での子どもに応じた指導 ◎現場の声9 「学習に困難」がある子どもたちがおかれている現状 ◆◆◆シリーズ心理学と仕事 全20巻 ラインナップ紹介◆◆◆ 1感覚・知覚心理学/2神経・生理心理学/3認知心理学/4学習心理学/ 5発達心理学/6高齢者心理学/7教育・学校心理学/8臨床心理学/ 9知能・性格心理学/10社会心理学/11産業・組織心理学/12健康心理学/ 13スポーツ心理学/14福祉心理学/15障害者心理学/16司法・犯罪心理学/ 17環境心理学/18交通心理学/19音響・音楽心理学/20ICT・情報行動心理学 心理学を活かした仕事を目指す高校生・大学生・社会人,そして, 進路指導や心理学教育に携わる教育関係者に向けて,多彩な心理学ワールドを紹介。 実際に働く人々の「現場の声」も交えながら,シリーズ総勢 300名以上の執筆陣が, 心理学の今を伝える。 心理学って面白そう! どんな仕事で活かされている? 国家資格として「公認心理師」が定められ, 心理学と仕事とのつながりに関心が高まる中,シリーズ[全20巻]刊行! 監修のことば はじめに 第1章 学習心理学へのいざない 1節 学習心理学とは 2節 学習心理学の展望と本書の構成 第2章 学習の基礎研究:動物を使って学習の仕組みを探る 1節 はじめに 2節 学習を効率的に行う訓練法(1):古典的条件づけ 3節 学習を効率的に行う訓練法(2):オペラント条件づけ 4節 条件づけでは説明のできない動物の行動変化 5節 最後に 第3章 記憶のプロセスの研究:知識獲得のメカニズム 1節 知識獲得(学習)のメカニズム 2節 知識の構造と記憶の区分 3節 記憶の過程 第4章 メタ認知:知識による行動の制御 1節 知識による行動の制御のメカニズム 2節 メタ認知の仕組み 3節 メタ認知の指導 第5章 学習意欲の研究とその応用 1節 学習意欲のとらえ方 2節 学習意欲の測定法:学習理由と有能感ではかる 3節 自律的な学習意欲の育て方 ◎現場の声1 学ぶ意欲をはぐくむ学級経営と授業 ◎現場の声2 定時制高校ではぐくむ学ぶ意欲 第6章 心理臨床と学習心理学 1節 心理臨床の実際 2節 心理臨床に生かす「学習心理学」の理論 3節 学習心理学に基づく認知行動療法の技法 4節 心理臨床における「学習心理学」のさらなる応用 ◎現場の声3 病気の子どもと家族を支える ◎現場の声4 産業領域に活きる学習心理学の理解 第7章 学習指導と学習心理学 1節 長期記憶にするための学習方法 2節 学ぶ-振り返る-生かす 3節 アクティブ・ラーニング 4節 学習の評価 ◎現場の声5 授業はカレー。理論がルウで,実践知が具。煮込むほど美味しくなる ◎現場の声6 小学校5年生,勉強に悩みはじめる ◎現場の声7 小学校3年生,算数の考え方を説明し,次に生かす 第8章 一人ひとりの特性に応じた指導と学習心理学 1節 学習障害とは 2節 学習障害と社会参加 3節 学びを保障する特別支援教育 4節 特別支援教育と学習心理学 ◎現場の声8 通級指導教室での子どもに応じた指導 ◎現場の声9 「学習に困難」がある子どもたちがおかれている現状 付録 さらに勉強するための推薦図書 文献 人名索引 事項索引
相互に影響しながらも独自の特徴を持つ知覚と感性を実験心理学の立場から総合的に考察する。多感覚統合,感性の脳内基盤,知覚と感性の発達,芸術,言語,身体知といった多彩なテーマを取り上げつつ,心理物理学的測定法や感性評価などそれらに迫るための方法論も詳しく説明し,この研究領域の全体像を浮き彫りにする。 まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 感性認知―アイステーシスの実証科学として― 1節 はじめに 2節 アイステーシス 3節 アイステーシスとしての知覚特性 4節 「感性」の定義と背景 5節 感性の位置づけ 6節 アイステーシスへの接近――知覚と感性をともに考える研究テーマ 7節 おわりに 文献 第2章 多感覚統合と感性 1節 はじめに 2節 共感覚 3節 多感覚情報の時空間統合 4節 日常経験する事象における多感覚統合 5節 触覚と身体の感性 6節 五感による食経験 7節 五感と感情へのアプローチ 8節 嗅覚とマルチモダリティ 9節 まとめ 文献 第3章 感性の基本次元と脳内基盤 1節 はじめに 2節 SD法からわかる感性特性 3節 感性次元の感覚関連性 4節 感性次元と脳活動の対応関係 5節 おわりに 文献 第4章 知覚と感性の発達 1節 はじめに 2節 色の知覚の発達 3節 形の知覚の発達 4節 動きによって促進される感性――形と空間の知覚 5節 おわりに 文献 第5章 感性研究の方法論 1節 はじめに 2節 感性の測定 3節 さまざまな測定方法 4節 SD法に基づく印象形成過程の検討 5節 感性心理学研究の展開 文献 第2部 展開と実践 第6章 絵画と仮想 1節 はじめに 2節 絵画時間の仮想 3節 画家の時間と鑑賞者の空間 4節 仮想の反転 文献 第7章 感性言語―擬音語・擬態語と脳― 1節 はじめに 2節 感覚尺度としての擬音語・擬態語 3節 感覚・知覚と擬音語・擬態語 4節 五感と共感覚 5節 感性語 6節 擬音語・擬態語の脳内表現――fMRIによる実験 7節 擬音・擬態語の構造と機能 8節 まとめ 文献 第8章 音響感性情報としての「間」 1節 はじめに 2節 「間」の感性 3節 「間」を科学する――音楽・朗読の「間」 4節 意図の表現と理解に関わる「間」 5節 会話の「間」 6節 コミュニケーションの基盤としての「間」 7節 音響情報の感性 文献 第9章 身体知―習熟と伝承― 1節 はじめに 2節 身体知を身につける 3節 身体知を学習する 4節 「場」から学習する 5節 まとめ 文献 第10章 好みの形成―単純接触効果と広告― 1節 はじめに 2節 単純接触効果の分類 3節 単純接触効果の理論 4節 単純接触効果と広告効果 5節 まとめ 文献 第11章 情報のデザイン 1節 はじめに 2節 情報のデザイン 3節 情報デザインの事例 4節 おわりに 文献
実証的知見を踏まえつつ, 教育的介入を意図した実践的研究の紹介に力点を置く。 言語力や推論能力,動機づけなど学習にかかわる主要な認知活動とその発達に関する基礎理論,実証的知見を踏まえつつ,学校での教科の学習を中心に教育的介入を意図した実践的研究の紹介に力点を置く。メタ認知や学習観の形成,文章理解,数学的問題解決,科学的概念の獲得など,具体的な教育実践に多大な示唆を与える。 ◆執筆者一覧(執筆順) 秋田喜代美 東京大学大学院教育学研究科 第1章 針生悦子 東京大学大学院教育学研究科 第2章 藤村宣之 東京大学大学院教育学研究科 第3章 山 祐嗣 大阪市立大学大学院文学研究科 第4章 村山 航 University of Munich 第5章 遠藤利彦 東京大学大学院教育学研究科 第6章 植阪友理 東京大学教育学研究科学校教育高度化センター 第7章 犬塚美輪 大正大学人間学部 第8章 瀬尾美紀子 日本女子大学人間社会学部 第9章 湯澤正通 広島大学大学院教育学研究科 第10章 今井むつみ 慶應義塾大学環境情報学部 第11章 佐治伸郎 日本学術振興会/慶應義塾大学 第11章 市川伸一 編者 第12章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 認知心理学は学習・教育の実践と研究に何をもたらしたか 1節 はじめに 2節 学習観の転換と理解過程や知識への注目 3節 社会文化的なコミュニティへの参加による学びあう過程の解明 4節 まとめにかえて 文献 第2章 言語力の発達 1節 はじめに 2節 話しことばの発達 3節 書きことばへの移行 文献 第3章 数量概念の獲得過程 1節 はじめに 2節 数量概念獲得の現状 3節 手続き的知識とスキルの発達 4節 概念的理解の発達 5節 数量概念獲得の微視的プロセス 6節 数量概念獲得の促進可能性 7節 数量概念獲得に関わる社会的要因 文献 第4章 推論能力の発達 1節 はじめに 2節 演繹推論の発達 3節 帰納推論の発達 4節 領域固有性対領域普遍性 5節 まとめ 文献 第5章 認知と動機づけ 1節 はじめに 2節 動機論 3節 認知論 4節 動機づけ研究における認知論とは 5節 認知と動機づけに関する研究――認知論を超えて 6節 おわりに 文献 第6章 感情と情意理解の発達 1節 はじめに 2節 認知的評価の視座から見る感情の発達 3節 情意理解の礎としての社会的感性 4節 視線と表情の理解が拓く発達的可能性 5節 「心の理論」と情意理解の深化 6節 結びとして 文献 第2部 展開と実践 第7章 メタ認知・学習観・学習方略 1節 はじめに 2節 メタ認知・学習観・学習方略とは 3節 メタ認知・学習観・学習方略を支援する試み 4節 結びにかえて――今後の課題 文献 第8章 文章の理解と産出 1節 はじめに 2節 文章の理解 3節 文章の産出 4節 文章理解と産出の教育に関する新しい課題 5節 まとめ 文献 第9章 数学的問題解決とその教育 1節 はじめに 2節 数学的問題解決の認知過程 3節 数学的問題解決を説明する要因 4節 数学的問題解決の学習と指導――認知心理学から教育実践への提案 5節 おわりに――今後の課題 文献 第10章 科学的概念の発達と教育 1節 はじめに 2節 3タイプの科学のイメージ 3節 論理的推論としての科学的思考・概念の発達 4節 理論の変化としての科学的概念の発達 5節 科学的概念の発達と適用を支える文脈 文献 第11章 外国語学習研究への認知心理学の貢献―語意と語彙の学習の本質をめぐって― 1節 はじめに 2節 語彙学習の重要性 3節 言語のカテゴリーと認識の関係――色名の多様性を例に 4節 語と語の関係を理解することの重要性 5節 基本的な動作の名前のつけかたの違い 6節 学習者は複雑な意味領域の意味地図をどのように学習するのか 7節 本章のまとめと結論 文献 第12章 認知心理学は教育実践にどう関わるか 1節 はじめに 2節 認知心理学が提供する人間観・学習観 3節 児童・生徒の現実に関わる 4節 教育関係者との関わり 5節 認知心理学の転換期――状況論,PDP,そして認知神経科学 6節 認知心理学を生かした授業と評価 7節 認知心理学のどこをどう教育に生かすのか 文献 人名索引 事項索引
最近「認知バイアス」という言葉が注目を集めています。認知バイアスとは,私たちの誰もがもつ「思考の偏り」や,「考え方のクセ」のことです。私たちの毎日の行動は,無意識のうちに認知バイアスの影響を受けています。 たとえば,限定品と書かれると,それまで欲しくなかった商品もつい買いたくなってしまいませんか? これは「希少性バイアス」という認知バイアスの一種です。また,災害で危険がせまっているのに「まだ大丈夫」と思いこんでしまうのも,「正常性バイアス」というものです。私たちは,さまざまな心のクセによって,合理的でない判断や行動をしているのです。 本書では,さまざまな認知バイアスについて,生徒と先生の対話を通してやさしく解説します。認知バイアスについて知れば,思いこみや偏見のない判断ができ,日々の生活や人間関係の役に立つにちがいありません! 認知バイアスの世界をお楽しみください! 1時間目:誰の心にもひそむ考え方のクセ STEP1. 知覚と認識のバイアス 認知バイアスって何? 脳がつくりだす「見えている」世界 人は「目の前の変化」を見落とす A型の人が几帳面に見えるのはなぜ? 単純なのにまちがえる「2-4-6課題」 占いの結果は誰にでもあてはまる? 「成功から学ぶ」だけでは見落としがある STEP2. さまざまな問題につながる認知のゆがみ 悪いことがおきた人は「悪い人」なのか 自分の不幸は「社会のせい」ではない? 他人の失敗は実力のせい? 人は無意識に自分を正当化する 慣習や知識が「ちがう使い方」を見えなくする 2時間目:思わぬ危機をまねく思いこみや先入観 STEP1. 悪い状況なのに変えたくない心理 「まだそれほど危険じゃない」には要注意 ! 損切りできない「サンクコスト効果」 失敗を恐れ挑戦を避ける「現状維持バイアス」 聞き方次第で答えが変わる「フレーミング効果」 STEP2. 想像以上に変化しやすい私たちの記憶 「後出し」で記憶を修正する 記憶は言葉一つで,簡単に変わってしまう 後からつくられる「過誤記憶」の恐ろしさ 人は「中断されたこと」をより覚えている 3時間目:知っておきたい判断と行動のバイアス STEP1. 言葉や情報に影響される「判断」 「○○について考えるな」と言われると……? 「協力」より「競争」と考えるのはなぜか レアものや限定品がほしくなるワケ 具体的な数字を示されると,それが基準になる STEP2. 「好き」と思う意外な理由 ドキドキするのは「つり橋が揺れる」から? 「何度も見る」と好きになるのはなぜ? 誤った情報でも,くりかえし接すると……? STEP3. 思いこみやイメージで変わる「行動」 人は「イメージ」で評価しがち 確率が低いのに「もっともらしい」ほうを選ぶ理由 期待されると,成績はほんとうに上がる? 手間ひまかけると「同じモノ」でも価値が上がる 偽薬でも症状が改善する「プラセボ効果」 4時間目:無意識が影響する集団と人間関係 STEP1. 正しいと思っているのは自分だけ? 認識をゆがめる「固定概念」 他人は思ったより「あなた」に興味がない? あなたの気持ち,意外と見抜かれていないかも 自分だけは「偏向報道」の影響を受けていない? 思いだしやすいものが「実際に多い」とは限らない STEP2. 要注意! 対人関係が悪化する論法 相手が攻撃しているのは「わら人形」かもしれない 人格攻撃にも利用される「お前だって論法」 同じことをいっているだけなのに,なぜか説得される 白か黒かだけではない「二分法の誤謬」 STEP3. 「集団」が生みだすさまざまな心理 自分が属さない集団の人は,みな同じに見える 自国チームの勝利は実力,相手チームの勝利は運? 他者の行動に合わせたくなるのはなぜか 集団の意見に合わせてしまう理由 少数でも「一貫した人」には合わせることがある STEP4. 集団ならではの「便乗」と「無責任」 勝ち馬に乗って,自分も勝者になりたい ! 権威のある人には無条件にしたがってしまう!? 人がたくさんいると「傍観者」になる? 集団だと極端な結論がみちびかれやすい なぜ誰も望んでいない旅行に出かけたのか 5時間目:数字にまつわる思いこみや勘ちがい STEP1. 直感とことなる「確率」や「統計」 5回連続で黒が出たら,次は赤の確率が高い? 選択を変えたほうが確率が上がる!? 「精度99%の検査で陽性」のほんとうの意味とは ビールが売れると水難事故が増える? 「全体」と「部分」でことなる結論になる
考え方・基本理論の理解から実践につなげることを目指した入門書。公認心理師カリキュラム・出題基準に対応。 健康・医療心理学をはじめて学ぶ人,医療現場で働く心理職を目指す人に向けて,考え方・基本理論の理解から実践につなげることまでを意識した入門書。最新の統計データ・学説を盛り込み,公認心理師カリキュラムにも対応。 第1部 健康・医療心理学とは何か 第1章 健康とウェルビーイング 第2章 健康リスクへのアプローチ 第3章 健康心理学と臨床心理学 第2部 ウェルビーイングの心理学 第4章 ストレスとウェルビーイング 第5章 食生活とウェルビーイング 第6章 身体活動と睡眠とウェルビーイング 第3部 健康リスクと支援の心理学 第7章 感情と健康リスク 第8章 行動と健康リスク 第9章 発達・加齢に伴う健康リスクと支援 第10章 働く人の健康リスクと支援 第4部 健康・医療心理学の課題 第11章 医療における行動と心理 第12章 健康・医療心理学の臨床的展開 第13章 医療におけるコミュニケーションと課題 第14章 災害による健康リスクと支援 第15章 医療制度と心理職の社会的役割
認知心理学の核をなすような形で発展してきた記憶研究の到達点を概観し,今後の方向性を展望する。ワーキングメモリ,長期記憶,意識,記憶の脳内メカニズム,記憶の生涯発達などの重要テーマを網羅する一方で,今後さらなる解明が期待される日常場面や臨床場面における記憶のはたらきについて詳細に論じる。 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 記憶研究の歴史と現状 1節 はじめに 2節 科学的研究のはじまり 3節 認知心理学の誕生と発展 4節 今日の研究状況 文献 第2章 ワーキングメモリ 1節 はじめに 2節 ワーキングメモリの成立 3節 ワーキングメモリの個人差 4節 ワーキングメモリの脳内機構 5節 ワーキングメモリの個人差とその脳内機構 文献 第3章 長期記憶Ⅰ―エピソード記憶と展望記憶― 1節 はじめに 2節 エピソード記憶 3節 展望記憶 文献 第4章 長期記憶Ⅱ―知識としての記憶― 1節 はじめに 2節 知識の記憶研究の概観 3節 知識の記憶に関する最近の研究動向 4節 おわりに 文献 第5章 記憶と意識 1節 はじめに 2節 潜在記憶 3節 想起意識と処理の二重性 4節 記憶の再体験と想起意識 5節 まとめ 文献 第6章 記憶の脳内メカニズム 1節 はじめに 2節 シナプス可塑性 3節 記憶に関わる脳領域 4節 まとめ 文献 第7章 記憶の数理モデル 1節 はじめに 2節 時系列規則の記憶――潜在学習 3節 エピソード記憶 4節 意味的知識の記憶 5節 記憶の再生と再認のモデル 参考 ニューロン特性と学習アルゴリズム 文献 第2部 展開と実践 第8章 自己と記憶 1節 はじめに 2節 実験室的な記憶・学習課題と自己 3節 自伝的記憶 4節 自己・他者・私たちと記憶 5節 研究を展開するうえでの留意点 文献 第9章 日常記憶 1節 はじめに 2節 実験室的研究と日常記憶研究 3節 日常記憶研究をめぐるトピックス 4節 日常記憶研究の課題と今後の方向性 文献 第10章 記憶の変容 1節 はじめに 2節 出来事の記憶は言葉で変わる 3節 記憶は他者からの情報で変わる――記憶への社会的影響 4節 まとめ 文献 第11章 記憶の生涯発達 1節 はじめに 2節 記憶の生涯発達に関する研究動向と視点 3節 年齢区分別に見た記憶機能の特徴 4節 今後の研究課題 文献 第12章 臨床と記憶 1節 はじめに 2節 臨床的問題における記憶を論じる前提 3節 トラウマの記憶 4節 強迫性障害(確認症状)と記憶 5節 統合失調症と記憶 6節 解離性同一性障害と記憶 7節 うつ病と自伝的記憶の抽象性 8節 記憶の制御と臨床的問題 9節 治療過程における記憶の問題 10節 まとめ――各障害の特徴が記憶にも現れる 文献
現代の社会的認知研究をベースに 社会的場面での認知の問題,認知と感情の関係性を検討。 現代の社会的認知研究をベースに,社会的場面における認知の問題,認知と相互に影響し合う感情の問題を検討する。適応的行動を生み出すメカニズム,自動的過程と意識的過程の役割,感情情報処理と認知情報処理との関係性などの視点を軸に,現実の幅広い現象を取り上げながら社会的認知の本質に多面的に迫る。 ◆執筆者一覧(執筆順) 森 津太子 放送大学教養学部 第1章 尾崎由佳 東海大学チャレンジセンター 第2章 榊 美知子 University of Southern California 第3章 藤島喜嗣 昭和女子大学大学院生活機構研究科 第4章 田中知恵 明治学院大学心理学部 第5章 村田光二 編者 第6章 工藤恵理子 東京女子大学現代教養学部 第7章 北村英哉 東洋大学社会学部 第8章 唐沢かおり 東京大学大学院人文社会系研究科 第9章 遠藤由美 関西大学社会学部 第10章 唐沢 穣 名古屋大学大学院環境学研究科 第11章 沼崎 誠 首都大学東京大学院人文科学研究科 第12章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 社会的認知過程のモデル 1節 はじめに 2節 社会的認知とは 3節 社会的認知過程モデルにおける人間観の変遷 4節 古典的モデルと社会的認知過程モデル――印象形成の二過程モデル 5節 現代の社会的認知過程モデル 文献 第2章 社会的判断と行動の自動性 1節 はじめに 2節 自動性現象とそのメカニズム 3節 自動的過程の機能 4節 自動性と意識 文献 第3章 自己知識とそのはたらき 1節 はじめに 2節 自己知識の構造と機能――抽象度による分類 3節 自己知識の構造と機能――知識の内容による分類 4節 自己知識の限界 5節 おわりに 文献 第4章 自尊感情と自己関連動機に基づく推論の歪み 1節 はじめに 2節 自尊感情 3節 自己関連動機に基づく推論の歪み 4節 おわりに――今後の展望 文献 第5章 感情とその制御 1節 はじめに 2節 感情の役割 3節 感情制御 4節 感情価と感情制御 5節 おわりに 文献 第6章 感情予測 1節 はじめに 2節 感情予測の正確さと誤り 3節 感情予測のインパクトバイアス 4節 感情予測が果たす役割 文献 第2部 展開と実践 第7章 他者の心的状態の推論のメカニズム 1節 はじめに 2節 自分の心的状態の利用 3節 他者の心的状態の推論の特別なケース――行為者によるメタ推論 4節 他者の心的状態の推論に用いられる(自分の心的状態以外の)道具 5節 他者の心的状態の推論における自己の主観的経験の特別視・例外視 6節 正確さをめざした場合の帰結 文献 第8章 認知と感情のダイナミズム 1節 はじめに 2節 認知・感情システムと適応 3節 感情と認知――感情の認知への影響 4節 認知的感情理論 5節 感情とコミュニケーション 6節 おわりに 文献 第9章 援助場面での社会的認知過程 1節 はじめに 2節 傍観者効果と援助行動研究 3節 援助を動機づける認知――原因帰属 4節 援助を受ける側の心的過程と援助をめぐる相互作用 5節 おわりに 文献 第10章 関係性と適応 1節 はじめに 2節 社会的動物としての人間 3節 関係性認知――こころのなかの他者像・関係像 4節 関係性の脅威・阻害――関係の糸が結べない時 5節 実在人物以外との関係 6節 親密二者関係のダイナミズム 7節 まとめと将来の課題 文献 第11章 認知の社会的共有とコミュニケーション 1節 はじめに 2節 社会的認知の共有過程 3節 集団表象の共有 4節 社会的認知と言語表現 5節 認知と言語の文化的基盤 6節 おわりに 文献 第12章 ステレオタイプと社会システムの維持 1節 はじめに 2節 ステレオタイプの機能 3節 社会システムとステレオタイプの内容 4節 システム正当化 5節 展望――ステレオタイプと社会 文献 人名索引 事項索引
応用行動分析学は、広くヒューマンサービスに関わる現場の問題を解決することができる学問である。その成り立ちや、基本的な方法論・考え方などをキーワード仕立てとし、幅広い読者に興味を持っていただけるような実践例を交えてわかりやすく解説。 応用行動分析学 目次 まえがき 第Ⅰ部 応用行動分析学の誕生と発展 1 応用行動分析学のはじまり 実験室から街へ出た若き心理学者たち 2 応用行動分析学のそれからと今 社会問題を解決する行動科学としての発展 3 科学的な根拠に基づいた実践 ヒューマンサービスにおけるEBP 4 応用行動分析学の進め方 問題を解決しながら科学する 5 応用行動分析学の七大原則 エビデンスに基づいたヒューマンサービス実践の礎 第Ⅱ部 応用行動分析学の研究法 6 行動の測度 誰のどのような行動をどうやって測定するのか 7 インターバル記録法とタイムサンプリング法 数えにくい行動を客観的に数量化する 8 行動観察の信頼性 質的研究を客観的に行うために 9 記録用紙 データの信頼性を確認するアナログ的工夫 10 シングルケースデザイン法 事例研究で因果関係を同定する 11 目視分析 ローデータを最大限に活用する 12 AB法 侮れない基本のき 13 ABA法(反転法) シンプルにわかりやすく効果検証 14 多層ベースライン法 時差で再現、複数の参加者にも対応可 15 条件交替法 将来有望、意外な伏兵 16 基準変化法 スモールステップ法との相性抜群 17 シングルケースデザイン法の評価基準 エビデンスを伝えるための数量化と標準化 第Ⅲ部 行動の諸法則 18 行動随伴性と機能分析 人はなぜそのように行動するのか 19 行動の定義 死人にできないことすべて 20 刺激の定義 反応に影響することすべて 21 先行事象としての刺激作用 行動を引き起こす、行動を抑える 22 後続事象としての刺激作用 行動を増やす、行動を減らす 23 オペラント条件づけ 行動を自発している原因はここにあり 24 レスポンデント条件づけ 行動が誘発されている原因はここにあり 25 確立操作 三項随伴性から四項随伴性へ 26 生得性確立操作 系統発生的な動機づけ要因 27 習得性確立操作 個体発生的な動機づけ要因 28 強化スケジュール 温故知新。ゲームやウェブで大活躍 29 選択行動と対応法則 ノーベル賞で出ています 176 30 遅延割引とセルフコントロール 「自制心」か、我慢する技能か 31 言語行動論 ことばも行動 32 言語行動の機能的分類と多重制御 ことばはみかけによらず 33 刺激等価性と関係フレーム理論 関係に制御される行動 34 ルール支配行動 人を人たらしめている行動 35 行動変容の諸技法 職人的な技を誰にでもできる技術へ 第Ⅳ部 科学的根拠に基づいた実践プログラム 36 「不安だから行動しない」から「不安でも行動する」へ マイナス思考も受け入れて行動(act)にコミット 37 チンパンジー、宇宙へ NASAで活躍した行動分析家 38 命を救うネズミたち 実験室から戦場へ 39 殺処分ゼロを目指して 人と動物との幸せな暮らしを支援する 40 学校に風を吹かせる ポジティブな行動支援をスクールワイドで 41 ストップ!万引き 行動は観察しなくても変えられる 42 しごきも根性も、もういらない 行動的コーチングで技をみがく 43 ママケアで乳がんを早期発見する 医療における行動変容プログラム 44 職場の安全を確保する 安全行動マネジメントで事故を減らす あとがき 事項索引 引用文献 引用URL一覧 ■装幀=加藤光太郎
理解を促し楽しく学べる工夫が満載。基礎から応用まで心理学の世界の考え方・理論のエッセンスをコンパクトに解説。 誰もがもつ素朴な疑問から読み進められる構成で,WHITEBOARDやPOINTツール等,読んで・見て・考えながら学べる工夫が満載。基礎~応用まで広い心理学の世界を概観でき,それぞれの考え方・理論のエッセンスがつまったコンパクトな入門テキスト。 序 章 心は目に見えない─計量心理学 第1部 さまざまな心のとらえ方 第1章 目は心の一部である─知覚心理学 第2章 心は見えないが行動は見える ─学習心理学 第3章 ヒトの心の特徴 ─進化心理学 第4章 心は脳のどこにあるのか ─神経心理学 第5章 それぞれの人にそれぞれの心 ─個人差心理学 第2部 さまざまな心のメカニズム 第6章 心は機械で置き換えられるのか ─認知心理学 第7章 ヒトは白紙で生まれてくるのか ─発達心理学 第8章 感情はどのような役割を果たしているのか─感情心理学 第9章 いい人? 悪い人?─社会心理学 第3部 心の問題のとらえ方 第10章 なんだかいやな気持ち─ストレスと心の病気 第11章 発達の偏りと多様性─発達障害 第12章 心の問題へのアプローチ ─アセスメントと支援
モデルに基づくアプローチを重点的に取り上げ, 基礎研究と応用研究の最新動向を解説! 概念モデルや計算モデルなどのモデルに基づくアプローチを重点的に取り上げ,思考と言語に関する認知心理学の基礎研究・応用研究の最新動向を解説する。推論,問題解決,概念などの基本的テーマから,意思決定と行動経済学,批判的思考と高次リテラシー,比喩理解と身体化認知などの発展的テーマまで,研究の最前線へ誘う。 ◆執筆者一覧(執筆順) 服部雅史 立命館大学文学部 第1章 鈴木宏昭 青山学院大学教育人間科学部 第2章 坂本康昭 Stevens Institute of Technology 第3章 都築誉史 立教大学現代心理学部 第4章 山岸侯彦 東京工業大学大学院社会理工学研究科 第5章 楠見 孝 編者 第6章 岡田 猛 東京大学大学院教育学研究科 第7章 横地早和子 東京未来大学こども心理学部 第7章 小島隆次 滋賀医科大学医学部 第8章 岸 学 東京学芸大学教育学部 第9章 平 知宏 大阪市立大学・大学教育研究センター 第10章 米田英嗣 京都大学白眉センター 第11章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 演繹推論と帰納推論 1節 はじめに 2節 規則とシンボル操作 3節 スキーマ,モジュール,認識論的効用 4節 確率的アプローチ 5節 カテゴリ帰納 6節 因果帰納 7節 まとめ 文献 第2章 問題解決 1節 はじめに 2節 問題解決の定義 3節 ヒューリスティクスによる問題解決 4節 スキーマによる問題解決 5節 類推による問題解決 6節 身体,外的資源と問題解決 7節 創造的問題解決 8節 まとめと今後の課題 文献 第3章 概念とカテゴリ化 1節 はじめに 2節 カテゴリ化学習と概念の獲得 3節 規則ベースの理論 4節 類似性ベースの理論 5節 まとめ 文献 第4章 言語と思考に関するコネクショニストモデル 1節 はじめに 2節 コネクショニストモデルの概要 3節 言語理解のモデル 4節 思考のモデル 5節 まとめと今後の展望 文献 第2部 展開と実践 第5章 意思決定と行動経済学 1節 はじめに 2節 行動経済学と心理学 3節 意思決定心理学の分類 4節 確率判断の非合理性 5節 処方的決定理論 6節 近年の動向 7節 おわりに――初学者の誤解 文献 第6章 批判的思考と高次リテラシー 1節 はじめに 2節 批判的思考の定義 3節 批判的思考のプロセス 4節 高次リテラシーと批判的思考 5節 批判的思考の教育と測定 6節 まとめ 文献 第7章 科学と芸術における創造 1節 はじめに 2節 創造性の心理学的研究の流れ 3節 科学と芸術の創造をとらえる枠組み 4節 科学における創造 5節 美術における創造 6節 結論 文献 第8章 空間表現理解と実践的応用 1節 はじめに 2節 空間表現理解研究における基本事項 3節 空間表現の分類 4節 空間表現理解に関わる幾何的・視覚的要因 5節 対象に関する知識や状況がもたらす空間表現理解への影響 6節 空間表現理解研究の実践的応用のためのモデル 7節 空間表現理解に関わるさまざまな問題点と今後の展望 文献 第9章 説明文・マニュアルの理解と表現 1節 はじめに 2節 宣言的説明文の理解と表現 3節 手続き的説明文・マニュアルの理解と表現 4節 非連続型テキストを含む説明文(文書)の理解 5節 おわりに――これからの展開と応用 文献 第10章 比喩理解と身体化認知 1節 はじめに 2節 比喩理解の過程 3節 比喩の理解の効果 4節 概念の比喩性と身体化認知 5節 まとめ 文献 第11章 物語理解と社会認知神経科学 1節 はじめに 2節 近年の物語理解研究 3節 社会認知神経科学の一分野としての物語研究 4節 今後の課題 5節 おわりに 文献 人名索引 事項索引
内面のドラマともいうべき、無意識的な心の変遷過程をたどる。ユング思想の全体を浮かびあがらせる絶好の入門書。 集合的無意識の概念を紹介し、個性化過程の考えを打ちだし、ユング心理学の基礎を築き上げた初期代表作。内面のドラマともいうべき、無意識的な心の変遷過程を個々の例を挙げながら分りやすく説くという点で、ユング思想の全体像を浮かびあがらせる入門書。 第一部 意識におよぼす無意識の諸作用 第一章 個人的無意識と集合的無意識 第二章 無意識の同化作用のおこす後続現象 第三章 集合的心の一部としてのペルソナ 第四章 集合的心からの個性解放の試み A ペルソナの退行的復元 B 集合的心との同一化 第二部 個性化 第一章 無意識の機能 第二章 アニマとアニムス 第三章 自我と無意識の諸形象とを区別する技術 第四章 マナ=人格 訳者解説 無意識とユング
一般知能や情動,進化,遺伝,脳内機構といった 基礎的テーマを軸に研究の現在を一望。 教育や医療,産業など現実の多様な場面でその知見が求められている認知の個人差研究の現在を一望する。一般知能や情動的知性,認知の個人差にかかわる進化的・遺伝的基盤や脳内機構といった基礎的テーマを手厚く論じながら,社会的認知能力,認知のエイジングなどの応用的テーマ,認知の個人差の測定法まで幅広く取り上げる。 ◆執筆者一覧(執筆順) 箱田裕司 編者 第1章 小松佐穂子 徳山大学福祉情報学部 第1章 第2章翻訳 Gerald Matthews University of Cincinnati 第2章 菱谷晋介 北海道大学名誉教授 第3章 平石 界 慶應義塾大学文学部 第4章 安藤寿康 慶應義塾大学文学部 第5章 八田武志 関西福祉科学大学健康福祉学部 第6章 大橋智樹 宮城学院女子大学学芸学部 第7章 若林明雄 千葉大学文学部 第8章 権藤恭之 大阪大学大学院人間科学研究科 第9章 石岡良子 東京都健康長寿医療センター研究所 第9章 中村知靖 九州大学大学院人間環境学研究院 第10章 光藤崇子 Ecole de psychologie Universite Laval 第10章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 認知の個人差の理論 1節 はじめに 2節 メンタルスピードの個人差と知能――IT 論争 3節 情動の個人差の理論――IQとEQ 4節 認知スタイルと大域情報処理・局所情報処理 5節 まとめと展望 文献 第2章 情動的知性と知能 1節 はじめに 2節 情動的知性の背景 3節 情動的知性の定義および概念 4節 情動的知性の評価 5節 情動的知性の理論と研究 6節 おわりに 文献 第3章 イメージ能力の個人差 1節 はじめに 2節 なぜ個人差か 3節 個人差の測定 4節 理論・モデルに基づいた個人差の測定 5節 最後に 文献 第4章 認知の個人差の進化心理学的意味 1節 はじめに 2節 進化的人間行動研究――進化心理学と人間行動生態学 3節 自然淘汰理論 4節 個人差への進化的視点 5節 実証研究の解釈――一般認知能力の個人差 6節 最後に 文献 第5章 認知の個人差と遺伝 1節 はじめに 2節 遺伝学の基礎――メンデル遺伝学と分子遺伝学 3節 行動遺伝学の理論と方法 4節 認知能力の遺伝と環境 5節 最後に 文献 第6章 認知の個人差の脳内機構 1節 はじめに 2節 認知の性差の特徴とその範囲 3節 認知の性差の規模と特性 4節 認知の性差をもたらすもの――性ホルモン 5節 性ホルモン――閉経の影響と月経周期の影響からの検証 6節 認知の個人差の分散と規模 7節 認知の個人差をもたらす脳内機構――神経心理学的説明 8節 おわりに 文献 第2部 発展と実践 第7章 視覚認知特性の個人差測定に基づく事故予防 1節 はじめに 2節 適性とは何か 3節 産業における適性検査の実践事例 4節 適性検査の要素 5節 事故予防のための個人差測定の展望 文献 第8章 社会的認知能力の個人差 ―自閉症スペクトラムから認知スタイル・モデルへ― 1節 はじめに 2節 心の理論と自閉性障害 3節 自閉症傾向の個人差から認知的傾向の個人差へ 4節 E-S理論と認知スタイル 5節 認知的特徴の個人差を生み出す神経生理学的基盤 6節 結論 文献 第9章 高齢者の生活環境,ライフスタイルと認知機能 1節 はじめに 2節 認知のエイジングとライフスタイル研究 3節 環境やライフスタイルが認知機能に影響するメカニズム 4節 認知機能維持のための介入研究 5節 今後の研究の方向性 6節 最後に 文献 第10章 項目反応理論から見た認知の個人差 1節 はじめに 2節 項目反応理論 3節 認知心理学における項目反応理論の応用例 4節 まとめと展望 文献 人名索引 事項索引
ラポール、それはあらゆる人間関係を動かす最強の心理術! テロリストや犯罪者など危険人物たちの心を開かせた画期的な手法を紹介! ◎テロリストや犯罪者など 「危険人物たち」の心を開かせた、 画期的な手法! CIAやFBI、軍関係者にも指導している 心理学者が編み出した対人スキルの決定版! どんな戦略をとれば、人の心を開かせ 話を引き出すことができるのか。 その答えが、人間関係を動かす最強の心理術 RAPPORT(ラポール)! ラポールを身につけるための4つの基本原則、 人とのやり取りで活かすための 4つの会話スタイルを、豊富な事例とともに紹介。 どんな相手とも融通をきかせることができ、 人間関係が格段にうまくいく!
人間の認識のしくみとその「不思議さ」に迫る認知心理学の魅力が満載の,考えながら体感しながら学べる新しいタイプの入門テキスト。 私たちは本当に自分自身を正しく認識しているだろうか。毎日目にしていても思い出せないことがあるのはなぜか。記憶や感覚,思考といった認識のしくみの科学であり,「人間の賢さと愚かさ」に迫る認知心理学の魅力を発見しながら考えながら学べる体験型入門テキスト。 第1章 「誤り」から見る認知心理学 第2章 感じる─感覚 第3章 捉える─知覚 第4章 覚える─記憶の基礎 第5章 忘れる─記憶の展開 第6章 わかる─知識の成り立ち 第7章 考える─問題解決と推論 第8章 決める─判断と意思決定 第9章 気づかない─潜在認知 第10章 認知心理学の歩み
生涯にわたる発達において,ワーキングメモリはどのような役割を果たすのか。 成功(専門知識の獲得)や失敗(嗜癖行動,不適切な意思決定)との関係を明らかにし, 日常生活に与える影響を示す。トレーニングの利点も言及。 ワーキングメモリ――情報の意識的な処理――は,知性における最も重要なものの一つとしてますます認識されてきている。・・・ 本書では,一流の心理学者たちがワーキングメモリに関する最新の研究をレビューし,ワーキングメモリが人の発達や生涯においてどのような役割をしているかについて考察している。豊かなワーキングメモリがどのように成功(学術的に,そして専門知識の獲得に)と関係し,乏しいワーキングメモリが失敗(嗜癖行動や不適切な意思決定)と関係しているのかが明らかにされているのである。寄稿論文はまた,ワーキングメモリが私たちの認知的な進化においてどのような役割を果たしているか,そして日常生活の諸事,例えば何を食べ,どのくらい眠るかといったことがワーキングメモリの機能にどのように影響するかといったことを示している。最後に,ワーキングメモリトレーニングの利点に関するエビデンスについて探求している。(「認知心理学のフロンティア・シリーズ」紹介文より引用) ◇目次 第I部 ワーキングメモリ:新しい知性 第1章 ワーキングメモリ:序論 第2章 ワーキングメモリと知能:展望 第3章 ワーキングメモリの進化 第II部 生涯にわたるワーキングメモリ 第4章 発達におけるワーキングメモリ 第5章 ワーキングメモリの階層モデルと健康な高齢者のその変化 第III部 ワーキングメモリと専門知識 第6章 熟達者のワーキングメモリ:伝統的なワーキングメモリ概念との質的な相違 第7章 ワーキングメモリ容量と音楽の技能 第IV部 ワーキングメモリと身体 第8章 ワーキングメモリと食習慣 第9章 断眠とパフォーマンス:ワーキングメモリの役割 第10章 ワーキングメモリと嗜癖行動 第V部 ワーキングメモリと意思決定 第11章 ワーキングメモリと不安:個人差と発達の相互作用を探る 第12章 情動と認知的制御の統合 第13章 ワーキングメモリと瞑想 第VI部 ワーキングメモリの将来:トレーニング 第14章 ワーキングメモリをトレーニングする 第15章 ワーキングメモリトレーニング:神経イメージングからの洞察 第Ⅰ部 ワーキングメモリ:新しい知性 第1章 ワーキングメモリ:序論 第2章 ワーキングメモリと知能:展望 第3章 ワーキングメモリの進化 第Ⅱ部 生涯にわたるワーキングメモリ 第4章 発達におけるワーキングメモリ 第5章 ワーキングメモリの階層モデルと健康な高齢者のその変化 第Ⅲ部 ワーキングメモリと専門知識 第6章 熟達者のワーキングメモリ:伝統的なワーキングメモリ概念との質的な相違 第7章 ワーキングメモリ容量と音楽の技能 第Ⅳ部 ワーキングメモリと身体 第8章 ワーキングメモリと食習慣 第9章 断眠とパフォーマンス:ワーキングメモリの役割 第10章 ワーキングメモリと嗜癖行動 第Ⅴ部 ワーキングメモリと意思決定 第11章 ワーキングメモリと不安:個人差と発達の相互作用を探る 第12章 情動と認知的制御の統合 第13章 ワーキングメモリと瞑想 第Ⅵ部 ワーキングメモリの将来:トレーニング 第14章 ワーキングメモリをトレーニングする 第15章 ワーキングメモリトレーニング:神経イメージングからの洞察
心と体の生涯発達への心理学的アプローチの方法から,乳幼児期の認知・自己・感情・言語・社会性・人間関係の発達の詳細,学童期〜高齢期の発達の概要,発達障害への対応まで,子どもにかかわるすべての人に必要な発達心理学の基礎が身に付くようガイドする.幼稚園教諭・保育士養成課程にも対応. はじめに(開) I 発達のとらえ方 1 発達心理学とは(齋藤) 2 遺伝と環境(佐々木掌子) 3 生涯発達の視点(齋藤) II 乳幼児期の発達をくわしく知る 4 胎児期・周産期(新屋裕太・今福理博) 5 感覚・運動の発達(伊村知子・白井 述・島谷康司) 6 愛着の発達(蒲谷槙介) 7 自己と感情の発達(森口佑介) 8 認知の発達(旦 直子) 9 言語の発達(小林哲生) 10 社会性・道徳性の発達(奥村優子・鹿子木康弘) 11 遊び・仲間関係(野嵜茉莉) III 発達を支える 12 学習の理論(後藤和宏) 13 障害と支援(浅田晃佑) 14 心と行動の問題および児童虐待(出野美那子) IV 学童期以降の発達を概観する 15 学童期〜青年期(林 創・松島公望) 16 成人期〜老年期(久保南海子) コラム1 女に育てたから女になるのか? コラム2 虐待の要因を探る サルの里子実験 コラム3 早産児の認知発達 コラム4 妊娠中の母親の食事と胎児の味覚的嗜好 コラム5 風船を持たせることによる乳幼児の歩行支援 コラム6 各愛着タイプのその後 コラム7 空想の友達 コラム8 赤ちゃんも計算ができる? コラム9 統語的手がかりを用いた動詞学習 コラム10 ヒトの視線のパワー コラム11 乳幼児の道徳性の発達 コラム12 きょうだい関係の役割 コラム13 生活習慣の獲得 コラム14 神経多様性 コラム15 遊びに現れる子どもの心 コラム16 子どもの嘘への対応 コラム17 日本人の宗教性とアイデンティティ コラム18 サルのサクセスフルエイジング? おばあちゃんザルの知恵 Introduction to Development Psychology Kazuo HIRAKI and Atsuko SAITO, Editors
注意が認知機能において果たす基礎的な役割から,高齢化やヒューマンエラーとの関係,産業・医療領域における研究まで幅広く紹介。 注意が認知機能において果たす役割から, 産業・医療領域における研究まで幅広く紹介。 「注意」は,記憶や意思決定といった認知機能とは違い,人間の認知機能全体を明らかにする可能性を秘めた研究領域と言える。本書は,「注意」が果たす基礎的な役割から,脳科学やワーキングメモリ,高齢化やヒューマンエラーとの関係,さらには,産業・医療領域における応用研究まで幅広く紹介。注意研究の現在を一望する。 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 注意の理論とその歴史(岩崎祥一) 1節 はじめに 2節 注意の古典的研究 3節 初期選択説と後期選択説 4節 近代的注意研究 5節 注意制御の仕組み 6節 まとめ 文献 第2章 注意と脳科学(熊田孝恒) 1節 はじめに 2節 注意の神経科学的基盤 3節 ヒトの注意機能の脳機能イメージング 4節 実践研究への展開 5節 最後に 文献 第3章 注意とワーキングメモリ(齊藤 智) 1節 はじめに 2節 ワーキングメモリの概念と測定 3節 日常的な逸脱現象とワーキングメモリ 4節 注意課題の成績とワーキングメモリ機能の関係 5節 注意制御におけるワーキングメモリの役割 6節 まとめと今後の課題 文献 第4章 注意と行動・眼球運動(木村貴彦・三浦利章) 1節 はじめに 2節 実験室実験からの諸知見 3節 行動的実験からの諸知見 4節 まとめ 文献 第5章 注意と発達(板倉昭二) 1節 はじめに 2節 注意と乳児の認知――視覚的注意の4つの機能 3節 物理的注意 4節 社会的注意 5節 注意と実行機能の発達 6節 今後の展望 文献 第2部 展開と実践 第6章 注意・制御と高齢化(原田悦子・須藤 智) 1節 はじめに 2節 注意の実験的研究に見る高齢化の効果 3節 認知的高齢化に関するモデル 4節 日常的文脈での活動に見られる注意・制御・高齢化 5節 まとめ――注意の高齢化研究に必要な要件 文献 第7章 注意・安全とメンタルワークロード(芳賀 繁) 1節 はじめに 2節 メンタルワークロードとは何か 3節 メンタルワークロードの評価指標 4節 メンタルワークロードと注意の関係 5節 メンタルワークロードと技術開発 文献 第8章 注意とヒューマンエラー―交通安全と注意問題を中心として―(篠原一光) 1節 はじめに 2節 ヒューマンエラーに関連する注意概念 3節 焦点的注意とヒューマンエラー 4節 分割注意とヒューマンエラー 5節 エラー分類と注意の関係 6節 まとめ 文献 第9章 産業安全におけるヒューマンエラーと違反(臼井伸之介) 1節 はじめに 2節 労働場面での事故の統計的現状 3節 ヒューマンエラーの発生メカニズム 4節 違反とリスクテイキング 5節 これからの安全に求められるもの 文献 第10章 医療安全と認知(松尾太加志) 1節 はじめに 2節 専門的リスクによる事故 3節 作業リスクによる事故 4節 患者自身による事故とリスク認知 5節 事故防止 文献 第11章 複雑な人間-機械系における状況認識と安全・注意(高橋 誠) 1節 はじめに 2節 自動化システムにおける認知機能の役割 3節 状況認識の定義とモデル 4節 状況認識アプローチの重要性 5節 状況認識概念の有効性と課題 文献 追補 注意の神経心理学(熊田孝恒) 人名索引 事項索引
注意,学習,記憶という認知プロセスと感情を含む動機づけのプロセスとの関係について,最新の研究状況を俯瞰し,解説する。 動機づけと認知の相互依存性に関心をもつ研究者必携のハンドブック。 心理学と神経科学の融合分野の現在を一望する。 動機づけが認知を,あるいは,認知が動機づけを支えるメカニズムは,どのようになっているのだろうか? また,その際の相互作用は? 注意,学習,記憶という認知プロセスと感情を含む動機づけのプロセスとの関係について最新の研究状況を俯瞰し,認知心理学と神経科学との融合分野として,今後の研究のあり方も含め解説する。 ◆主な目次 第1章 動機づけと認知コントロール:序論 ●第I部 認知処理と目標指向的行動に及ぼす報酬の影響 第2章 視覚情報処理における動機づけの役割 第3章 注意に対する報酬の影響:動機づけを超えて 第4章 刺激と報酬の連合についての試行内効果 第5章 認知コントロールへの動機づけの影響:報酬処理の役割 第6章 認知コントロールに及ぼす報酬の効果の構造解析 第7章 目標指向的行動の観念運動メカニズム ●第II部 認知的自己調整の感情の源泉と動機づけの源泉 第8章 目標は行動をどのようにコントロールするのか:行為-結果と報酬情報の役割 第9章 感情,動機づけ,認知範囲 第10章 嫌悪信号としての葛藤:感情調整役割におけるコントロール適応の動機づけ 第11章 活力と疲労:感情の多様性はいかにして効果的な自己コントロールの基盤になるか 第12章 努力を要するコントロールにおける老廃物処理問題 ●第III部 認知的動機づけにおける年齢に関連した変化 第13章 十代の脳:誘惑抵抗における「発育停止」 第14章 適応的な神経認知的表象の生涯発達:認知と動機づけの互恵的相互作用 第15章 健常加齢における動機づけ-学習の3要因理論に向けて 第16章 認知的関与,動機づけ,および行動におけるコストの加齢変化の関係 第17章 動機づけの加齢変化:成人期と高齢期にわたる動機づけの加齢変化は情動経験に影響するのか 日本語版『動機づけと認知コントロール』の読者のみなさんへ 推薦文 第1章 動機づけと認知コントロール:序論 1節 動機づけと認知コントロール 2節 広範な視点 3節 本書の必要性 4節 重要な研究テーマと本書の構成 1.認知処理と目標指向的行動に及ぼす報酬の影響 2.認知的自己調整の感情の源泉と動機づけの源泉 3.認知的動機づけにおける年齢に関連した変化 5節 要約と結論 第I部 認知処理と目標指向的行動に及ぼす報酬の影響 第2章 視覚情報処理における動機づけの役割 1節 はじめに 2節 視覚処理への動機づけの初期の影響と後期の影響 3節 課題関連刺激に対する注意選択の動機づけによる促進 4節 過去の報酬による視覚的注意の調節 1.注意選択への動機づけの短期的な影響 2.注意選択への動機づけの持続的な影響 3.注意選択への持続的な動機づけの影響の神経基盤 5節 動機づけと注意の関係 6節 動機づけの関連性についての情報は視覚領域にどのように到達するのか 7節 結論と展望 第3章 注意に対する報酬の影響:動機づけを超えて 1節 外的報酬が注意を調節するという証拠 2節 価値駆動型注意:目標と価値が葛藤している場合 3節 報酬に基づく動機づけと価値駆動型注意の分離 1.価値駆動型注意がない場合の報酬に基づく動機づけ 2.報酬に基づく動機づけがない場合の価値駆動型注意 4節 報酬が注意にバイアスをかけるというさらなる証拠 5節 価値駆動型注意:動機づけられた認知の意義 第4章 刺激と報酬の連合についての試行内効果 1節 はじめに 2節 手がかりのない試行内報酬操作 3節 反応性コントロールの寄与の可能性とボトムアップ型のプロセス 4節 結論と展望 第5章 認知コントロールへの動機づけの影響:報酬処理の役割 1節 はじめに 2節 人間の脳における報酬処理 3節 認知コントロールへの報酬の影響 4節 動機づけ要因としての報酬 5節 ストレス:動機づけ要因か抑制要因か 6節 ストレス暴露は認知プロセスと報酬回路を調節する 7節 抑うつと神経報酬システムの調節障害 8節 おわりに:報酬処理の認知コントロール 第6章 認知コントロールに及ぼす報酬の効果の構造解析 1節 はじめに 2節 報酬の構造解析 3節 認知コントロールの構造解析 4節 認知コントロールに対する報酬の効果の構造解析 1.認知コントロールに及ぼす報酬の快楽効果:探索 2.認知コントロールに及ぼす報酬の学習効果:活用 3.認知コントロールに及ぼす報酬の動機づけ効果:予期 5節 いくつかの決定要因 1.報酬信号:報酬の顕著性と刺激の持続時間 2.報酬スケジュール:手がかりの存在と遂行随伴性 6節 今後の研究のための指針 7節 結論 第7章 目標指向的行動の観念運動メカニズム 1節 目標指向的行動 2節 観念運動理論 1.刺激-行為結果の転移 2.刺激-行為結果の適合性 3節 行為と習慣の神経生物学 4節 動機づけと誘因学習 5節 動機づけコントロールの実行 6節 結論 第II部 認知的自己調整の感情の源泉と動機づけの源泉 第8章 目標は行動をどのようにコントロールするのか:行為-結果と報酬情報の役割 1節 はじめに 2節 認知コントロールの方向づけ開始点としての行為-結果表象 3節 認知コントロールの活性開始点としての報酬信号 4節 行為における結果と報酬の情報 5節 研究意義と将来の方向性 第9章 感情,動機づけ,認知範囲 1節 はじめに 1.定義 2節 動機づけと認知との相互作用(行動面からの検討) 1.時間知覚 2.注意 3.記憶 4.カテゴリー化 5.課題遂行 3節 認知範囲に及ぼす動機づけ強度の影響の神経相関 1.非対称的な前頭皮質の活動 2.事象関連電位 3.ベータ波の抑制 4節 結論 第10章 嫌悪信号としての葛藤:感情調整役割におけるコントロール適応の動機づけ 1節 認知コントロールのトップダウン型の調整とボトムアップ型の調整 2節 なぜ反応葛藤はコントロール適応を引き起こすのか 3節 動機づけ理論における葛藤の役割 4節 葛藤の動機づけの影響 5節 反応葛藤の嫌悪的性質 6節 嫌悪的葛藤とは何か 7節 嫌悪信号は系列的処理調整を引き起こすのか 8節 葛藤によって引き起こされた感情的逆調整 9節 葛藤信号の意識経験 1.断片的研究知見の統合 第11章 活力と疲労:感情の多様性はいかにして効果的な自己コントロールの基盤になるか 1節 情動エピソードとしての自己コントロール 1.エラーと葛藤はネガティブ感情傾向をもつ 2.遂行モニタリング 3.感情処理,前帯状皮質,および遂行モニタリング 2節 情動エピソードとしての自己コントロール:コントロールの調整 1.警報信号としての感情 2.ネガティブ感情と自己コントロールの(明らかな)限界 3節 討論 1.感情の現象学,コントロールの主観的価値,および自己調整 2.葛藤に対する神経感情的反応の役割 4節 結語と将来の方向性 第12章 努力を要するコントロールにおける老廃物処理問題 1節 認知コントロールによって産出される毒性老廃物とは何か 2節 認知コントロールに関するどのような神経系が老廃物を生み出すのか 3節 認知コントロールは老廃物の蓄積をどのように加速するのか 1.青斑核,細胞代謝,そして学習 2.前帯状皮質,青斑核,そして神経活動の同期性 4節 未解決の部分 5節 結論 第III部 認知的動機づけにおける年齢に関連した変化 第13章 十代の脳:誘惑抵抗における「発育停止」 1節 はじめに 2節 青年期とは何か 3節 青年期の神経生物学的モデル 4節 認知コントロールの発達 5節 動機づけプロセスの発達 6節 認知プロセスと動機づけプロセスの相互作用 7節 青年の利益のために脳と行動の変化をどのように利用するか 8節 結論 第14章 適応的な神経認知的表象の生涯発達:認知と動機づけの互恵的相互作用 1節 はじめに 2節 前頭-線条体-海馬システムのドーパミン調節を介した認知-動機づけの互恵的相互作用 3節 ドーパミン調節の成熟と老化 4節 遂行モニタリングメカニズムの生涯発達 1.フィードバック関連処理の心理生理学的指標における年齢差 5節 注意と記憶の動機づけ調整の生涯発達 1.記憶の報酬調節における生涯にわたる差異 2.注意の報酬調節における生涯にわたる差異 6節 習慣的・方略的な目標指向的学習と意思決定の生涯発達 1.習慣的プロセスと目標指向的プロセス 2.モデルフリー学習と意思決定における生涯発達的差異 3.モデルベース学習と意思決定における生涯発達的差異 4.習慣的・方略的な目標指向的学習と意思決定の相互作用の生涯発達 7節 展望と結語 第15章 健常加齢における動機づけ-学習の3要因理論に向けて 1節 はじめに 2節 本章の構成 3節 動機づけとは何か,どのように定義されるか? 4節 動機づけの全体的側面と局所的側面 5節 分離可能な学習システムと課題指向的動機づけ 1.意思決定 6節 意思決定における動機づけ-学習インターフェイスに関する実証的検証 7節 健常加齢における動機づけ-学習インターフェイス 1.健常加齢における学習システムと課題指向的動機づけ 8節 実証研究1:健常加齢における課題指向的動機づけと意思決定 9節 実証研究2:健常加齢における全体的回避動機づけ(圧力)と状態に基づく意思決定 10節 総合考察 11節 今後の方向性 12節 結論 第16章 認知的関与,動機づけ,および行動におけるコストの加齢変化の関係 1節 高齢期における認知資源の選択的関与 1.加齢と認知的関与のコスト 2.認知的関与における選択性効果 3.加齢,コスト,動機づけ,および関与の関係 2節 結論と含意 1.日常生活における能力と課題遂行との関係 2.高齢期における認知的健康 3.関与閾への影響 第17章 動機づけの加齢変化:成人期と高齢期にわたる動機づけの加齢変化は情動経験に影響するのか 1節 加齢における動機づけの変化に関する社会情動的視点 2節 私たちの研究室でのポジティブ性効果の実証的検証:視覚的注意の場合 3節 調整方略の年齢差は基盤となる動機づけの変化を反映する 4節 認知プロセスと感情の結果を結びつけるための理論的枠組み 5節 社会情動的加齢に関する補足的な動機づけ以外の説明 6節 結語 文献 邦訳文献 索引 訳者あとがき
判断や意思決定過程と理論における歴史的基礎,認知的一貫性と非一貫性,神経経済学と神経生物学など6つの分野に焦点を当て詳説。 判断や意思決定過程とその理論探求は,経済的な影響のみならず,人の幸福と関連する重要課題として学際的な広がりを見せている。本書ではその歴史的基礎,認知的一貫性と非一貫性,ヒューリスティクスとバイアス,神経経済学と神経生物学,発達段階における差異と個人差,意思決定の改善の6つの分野に焦点を当て詳説する。 【主な目次】 序章 ●第I部 歴史的基盤 第1章 熟達者による意思決定:5人のキーとなる心理学者の影響 ●第II部 認知的一貫性と非一貫性 第2章 認知的一貫性:認知的・動機づけ的観点 第3章 感情予想に関する矛盾をはらんだ乖離についてのファジートレース理論による説明 ●第III部 ヒューリスティクスとバイアス 第4章 ファジートレース理論における直観,干渉,抑制,そして個人差の問題 第5章 意思決定前にみられる情報の歪曲 第6章 精密性効果:精密な数値表現が日常的判断にどのような影響を及ぼすか ●第IV部 神経経済学と神経生物学 第7章 フレーミング効果の行動的・神経科学的分析による意思決定過程の検討 第8章 “熱い”認知と二重システム:導入・批判・展望 第9章 慈善的寄付の基盤となる神経経済学と二重過程モデル ●第V部 発達と個人差 第10章 発達におけるリスク志向性:決定方略,感情,制御の変化 第11章 意思決定能力の生涯発達 ●第VI部 よりよい決定のために 第12章 リスクのある意思決定の予測因子:フィッシング攻撃の実例に基づく,判断と意思決定の向上 第13章 シミュレーション結果の経験による判断と意思決定の改善 序章 第Ⅰ部 歴史的基盤 第1章 熟達者による意思決定:5人のキーとなる心理学者の影響 1節 James McKeen Cattell 2節 Wilhelm Wundt 3節 Edward Titchener 4節 Edwin G. Boring 5節 一般化された普通の成人の心 6節 計量心理分析を用いた伝統的な意思決定研究 7節 線形モデルを用いた伝統的な意思決定研究 8節 情報の利用に関する仮説 9節 ヒューリスティクスとバイアスによる伝統的な意思決定研究 10節 Wilhelm Wundt とWard Edwards 第Ⅱ部 認知的一貫性と非一貫性 第2章 認知的一貫性:認知的・動機づけ的観点 1節 認知的一貫性に関する諸理論 1.認知的一貫性の潮流/2.自己理論の潮流/3.意味管理の潮流/4.個人差の潮流 2節 統合的枠組み 1.既存の枠組み/2.枠組みを拡張する 3節 実験結果 4節 結論 第3章 感情予想に関する矛盾をはらんだ乖離についてのファジートレース理論による説明 1節 ファジートレース理論 2節 主旨と発達,熟達化 3節 リスクの知覚とリスクテイキング 4節 少数の特性から高い正確性を得る 5節 ファジートレース理論と感情の記憶 6節 幸福度と主観的ウェルビーイングのアセスメント 7節 主旨に基づいた感情価の判断 8節 逐語的詳細に基づいた正確な判断 9節 主旨情報に基づく全般的予測 10節 結論 第Ⅲ部 ヒューリスティクスとバイアス 第4章 ファジートレース理論における直観,干渉,抑制,そして個人差の問題 1節 判断,意思決定における干渉 1.干渉の処理 2節 主旨に基づいた意思決定 3節 個人差と抑制 4節 衝動性と直観:異なる概念 5節 認知的能力の高さがよい判断・意思決定につながらない場合 6節 結論 第5章 意思決定前にみられる情報の歪曲 1節 経験的証拠 2節 情報の歪曲は測定方法によるアーティファクトなのか 3節 情報の歪曲は取り除くことができるのか 4節 情報の歪曲を示さない人は存在するのだろうか 5節 情報の歪曲は何によって引き起こされるのか 6節 インプリケーション 1.初頭効果による解釈 7節 情報の歪曲の合理性とベイズ推定 8節 ヘッドスタートの影響 9節 出現した選好に対する関与 10節 判断と意思決定の研究パラダイム 11節 エピローグ 1.情報の歪曲に関する研究の歴史/2.実験パラダイム間の対立 第6章 精密性効果:精密な数値表現が日常的判断にどのような影響を及ぼすか 1節 不一致帰属仮説 2節 計算容易性効果 1.不一致帰属の役割/2.素朴理論の役割 3節 精密性効果 1.不一致帰属の役割/2.素朴理論の役割 4節 精密性と信用可能性 1.文脈的手がかりの役割 5節 精密性と希少性 1.文脈的手がかりの役割 6節 精密性と信頼区間 7節 残された課題 1.神経科学の役割 8節 結論 第Ⅳ部 神経経済学と神経生物学 第7章 フレーミング効果の行動的・神経科学的分析による意思決定過程の検討 1節 序論 1.課題 2節 フレーミングタスク 3節 個人差について 4節 二重過程理論 5節 情動過程とフレーミング効果 6節 フレーミング効果とそれ以外の効果における脳代謝レベルでの効果 7節 意思決定の新しい理論を検証するための新しい方法 8節 特殊な集団におけるフレーミング効果 9節 生涯にわたる意思決定 10節 高齢の意思決定者におけるフレーミングと課題に関連した違い 11節 まとめ,結論と将来の研究 第8章 “熱い”認知と二重システム:導入・批判・展望 1節 温度隠喩 2節 “熱”から自律神経反応と誘因顕著性へ 3節 二重過程と二重システムモデル 4節 展望:さらに優れた疑問の問いかけ 5節 R3:熟考の再処理と強化モデル 第9章 慈善的寄付の基盤となる神経経済学と二重過程モデル 1節 二重過程の枠組み 2節 慈善的寄付における,情動と認知の役割について 3節 命の評価における行動的な偏見 4節 心理物理的な無感覚 5節 規模の感受性の鈍麻 6節 同定可能性 7節 疑似無効力とプロポーション優越性 8節 慈善的寄付の神経経済学的視点 9節 まとめ 第Ⅴ部 発達と個人差 第10章 発達におけるリスク志向性:決定方略,感情,制御の変化 1節 決定方略 1.統合的な方略とヒューリスティック/2.統合的な決定方略とヒューリスティックの発達プロセス/3.意思決定の神経科学 2節 感情と制御:二重過程モデルによる説明 1.文脈/2.個人差/3.感情と制御:よい意思決定を学習する 3節 結論 第11章 意思決定能力の生涯発達 1節 意思決定能力の定義 1.規範的理論:人はどのように意思決定を行うべきか?/2.記述的研究:人はどのようなときに規範的な基準に反する意思決定を行うのか? 2節 意思決定能力の生涯発達 1.青年期と成人期の意思決定能力に関する比較/2.高齢者と若い成人の意思決定能力についての比較 3節 意思決定能力の総合的な尺度の開発とその妥当性の検討 1.個人差を反映した妥当性のある意思決定能力の尺度の必要性/2.個人差を反映した意思決定能力の尺度の開発と妥当性の検討/3.意思決定能力の要因と結果を考察する枠組み 4節 今後の展望 第Ⅵ部 よりよい決定のために 第12章 リスクのある意思決定の予測因子:フィッシング攻撃の実例に基づく,判断と意思決定の向上 1節 実証的に支持される知見 2節 考察 第13章 シミュレーション結果の経験による判断と意思決定の改善 1節 人の認知処理の長所と短所 2節 判断課題の構造 3節 人と課題とのマッチング:その含意 4節 シミュレーションの経験の検討:研究プログラムの概要 1.確率判断課題/2.投資/3.競争的行動 5節 考察 文献 人名索引 事項索引 監訳者あとがき
人間はどのように世界を認識しているか? 「情報」という共通言語のもとに研究を進める認知科学が明らかにしてきた,知性の意外なまでの脆さ・儚さと,それを補って余りある環境との相互作用を,記憶・思考を中心に身近なテーマからわかりやすく紹介. 【円城塔氏(作家)推薦の辞】 「この本を読むと,人間は自分で思っているよりも,いい加減なものだとわかる.いい加減な人が読むべきなのはもちろんだが,自分はしっかりしていると思っている人こそ,読むべきである.」 【長谷川寿一氏(東京大学教授)】 「知性とは何か? この問いに挑む認知科学は諸科学が交わるホットスポットだ. 東大駒場の名物講義を是非あなたにも.」 第1章 認知的に人を見る 認知科学とは 知的システム しくみ、はたらき、なりたち 学際科学としての認知科学 情報——分野をつなぐもの 生物学的シフト 認知科学を取り巻く常識? 第2章 認知科学のフレームワーク 表象と計算という考え方 さまざまな表象 知識の表象のしかた 認知プロセスにおける表象の役割 第3章 記憶のベーシックス 記憶の流れ 記憶と意図 一瞬だけの記憶——感覚記憶 人の記憶はRAMか——短期記憶とチャンク ワーキングメモリ——保持と処理のための記憶 知識のありか——長期記憶 情報を加工する——短期記憶から長期記憶へ 思い出しやすさ——符号化特定性原理 思い出していないのに思い出す——潜在記憶とプライミング まとめ 第4章 生み出す知性——表象とその生成 はかない知覚表象 言葉と表象 作り出される記憶 記憶の書き換え 仮想的な知識——アナロジー まとめ——表象とは何なのか 第5章 思考のベーシックス 新たな情報を生み出す——推論 目標を達成する——問題解決 選ぶ——意思決定 人間の思考のクセ まとめ 第6章 ゆらぎつつ進化する知性 四枚カード問題、アゲイン データに基づき考える 思考の発達におけるゆらぎ ひらめきはいつ訪れるのか まとめ——多様なリソースのゆらぎと思考の変化 第7章 知性の姿のこれから 表象の生成性 身体化されたプロセスとしての表象 世界への表象の投射 思考のゆらぎと冗長性 世界というリソース おわりに 引用文献 索引