【2024年】「認知心理学」のおすすめ 本 133選!人気ランキング
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本文二色刷にカラー口絵付。豊富な図表,読書案内,練習問題,最新トピック紹介等により,高い学習効果を備えた決定版テキスト。 最新の研究知見を取り入れつつ,基本的な考え方,用語,概念の理解を目指し,豊富な図表と厚みのある解説を施した本格テキスト。第一線の研究者による最新トピック紹介,本文2色刷とカラー口絵,読書案内,練習問題などにより,高い学習効果を備えた決定版! 第Ⅰ部 認知心理学の基礎:感性・注意・記憶 第1章 認知心理学の歴史とテーマ/第2章 視覚認知/第3章 感性認知/第4章 注意/第5章 ワーキングメモリ/第6章 長期記憶/第7章 日常認知/第8章 カテゴリー化 第Ⅱ部 高次の認知心理学:言語・思考・感情 第9章 知識の表象と構造/第10章 言語理解/第11章 問題解決と推論/第12章 判断と意思決定/第13章 認知と感情 第Ⅲ部 認知心理学の展開:進化・社会・文化 第14章 認知進化と脳/第15章 認知発達/第16章 社会的認知/第17章 文化と認知/第18章 メディア情報と社会認識
人間はどのように世界を認識しているか? 「情報」という共通言語のもとに研究を進める認知科学が明らかにしてきた,知性の意外なまでの脆さ・儚さと,それを補って余りある環境との相互作用を,記憶・思考を中心に身近なテーマからわかりやすく紹介. 【円城塔氏(作家)推薦の辞】 「この本を読むと,人間は自分で思っているよりも,いい加減なものだとわかる.いい加減な人が読むべきなのはもちろんだが,自分はしっかりしていると思っている人こそ,読むべきである.」 【長谷川寿一氏(東京大学教授)】 「知性とは何か? この問いに挑む認知科学は諸科学が交わるホットスポットだ. 東大駒場の名物講義を是非あなたにも.」 第1章 認知的に人を見る 認知科学とは 知的システム しくみ、はたらき、なりたち 学際科学としての認知科学 情報——分野をつなぐもの 生物学的シフト 認知科学を取り巻く常識? 第2章 認知科学のフレームワーク 表象と計算という考え方 さまざまな表象 知識の表象のしかた 認知プロセスにおける表象の役割 第3章 記憶のベーシックス 記憶の流れ 記憶と意図 一瞬だけの記憶——感覚記憶 人の記憶はRAMか——短期記憶とチャンク ワーキングメモリ——保持と処理のための記憶 知識のありか——長期記憶 情報を加工する——短期記憶から長期記憶へ 思い出しやすさ——符号化特定性原理 思い出していないのに思い出す——潜在記憶とプライミング まとめ 第4章 生み出す知性——表象とその生成 はかない知覚表象 言葉と表象 作り出される記憶 記憶の書き換え 仮想的な知識——アナロジー まとめ——表象とは何なのか 第5章 思考のベーシックス 新たな情報を生み出す——推論 目標を達成する——問題解決 選ぶ——意思決定 人間の思考のクセ まとめ 第6章 ゆらぎつつ進化する知性 四枚カード問題、アゲイン データに基づき考える 思考の発達におけるゆらぎ ひらめきはいつ訪れるのか まとめ——多様なリソースのゆらぎと思考の変化 第7章 知性の姿のこれから 表象の生成性 身体化されたプロセスとしての表象 世界への表象の投射 思考のゆらぎと冗長性 世界というリソース おわりに 引用文献 索引
自律的な学習者を目指すために重要なキーワードとなる「メタ認知」。第1部ではその概念について,第2部ではよりよい学習法や教授法における科学的根拠について,読み切り形式で平易に解説。生涯学習が求められる現代において,単なるノウハウではなく,臨機応変に活用できる学習方略をあらゆる学習者に提供する。 もくじ はじめに 第1部 メタ認知を理解するための20のトピック Topic 1 認知とは何か,メタとはどういう意味か Topic 2 メタ認知とは何か Topic 3 メタ認知的知識とは何か Topic 4 メタ認知的活動とは何か Topic 5 メタ認知という言葉が使われるようになった背景 Topic 6 記憶についてのメタ認知(メタ記憶)の発達 Topic 7 理解についてのメタ認知(メタ理解)の発達 Topic 8 「視点取得」とメタ認知 Topic 9 「心の理論」とメタ認知 Topic 10 学習に困難を抱える子どもの支援とメタ認知 Topic 11 協同学習における他者とのやりとりとメタ認知 Topic 12 学習における加齢の影響とメタ認知 Topic 13 メタ認知が働かなくなる場合 Topic 14 「不明確な問題」が要求するメタ認知 Topic 15 メタ認知を司る脳の部位 Topic 16 自己調整学習とメタ認知 Topic 17 頭のよさ(知能)とメタ認知 Topic 18 意欲(動機づけ)とメタ認知 Topic 19 感情とメタ認知 Topic 20 メタ認知の問題点・留意点 第2部 メタ認知的知識を学習と教育に活かす Section 1 意識・注意・知覚編 〇睡眠をとることが頭の働きをよくする 〇睡眠中にも学習は進む 〇意識せずに学習できることがある 〇学習やテストに適した緊張感(覚醒レベル)がある 〇カフェインの覚醒効果を濫用することは危険 〇音楽で覚醒レベルをコントロールできる 〇注意を向けなければ,見れども見えず聞けども聞こえず 〇頭を休めている間に解決策がひらめく 〇努力せずに長時間,没頭できる状態がある 〇ノートの情報をグループ化しておくとすばやく関連づけられる 〇アンダーラインの活用で重要な点が一目でわかる Section 2 知識獲得・理解編 〇一度に記憶できる範囲は限られている 〇最初と最後に学習したことは忘れにくい 〇情報を目立たせると記憶に残りやすくなる 〇知識はネットワークの形で蓄えられている 〇覚えたい内容に対して深いレベルの処理をすると忘れにくい 〇自分に関連づけると覚えやすい(精緻化1) 〇自分で考えたことや自分で選んだことは覚えやすい(精緻化2) 〇テキストの内容をイラストで表すと覚えやすい(精緻化3) 〇語呂合わせをすると数字を覚えやすい(精緻化4) 〇バラバラの記号や単語などはストーリーにすると覚えやすい(精緻化5) 〇環境手がかりを利用すると覚えたことを思い出しやすい 〇視覚情報を言語化すると記憶が歪む場合がある 〇コンセプトマップを描くことが理解・記憶を促す 〇これから学ぶ内容のテーマや要約を先に見ておくと理解しやすくなる 〇テキスト学習には,「SQ3R法」を取り入れると理解・記憶を促す 〇テキストを読みながら聞かされると理解・記憶が妨げられる場合がある 〇習熟度が低い場合には,パフォーマンスの自己評価はあてにならない 〇テストは記憶の定着を促す Section 3 思考・判断・問題解決編 〇思い込みが創造的問題解決を妨げる 〇習熟による「慣れ」がよりよい問題解決を妨げることがある ○命題論理では「真か偽か」の判断をまちがえやすい 〇三段論法では結論のもっともらしさに惑わされる 〇事例の思い出しやすさに惑わされる 〇最初に目に飛び込んだ数字に惑わされる 〇「偶然」には気づきにくい 〇仮説は修正されにくい 〇カバーストーリーに惑わされると問題の本質が見えなくなる 〇質問の仕方が答を誘導する 〇代表値の用い方で判断が変わってくる 〇因果推理は短絡的になりやすい 〇アイデアの量と質とは比例する 〇「創造性は特殊な才能」という考えが創造的思考を邪魔する 〇粘り強く考えると,よいアイデアが出る 〇アイデアをどんどん外化することが発想を促す Section 4 意欲・感情編 〇「この学習は自分に役立つ」ととらえることが意欲を高める 〇「自分にはできる」と考えると,やる気が出る 〇難しすぎず易しすぎない課題には最もやる気が出る 〇外発から内発へと,意欲(動機づけ)には段階がある 〇がんばってもうまくいかないことを何度も経験するとやる気を失う 〇好きで学習していることにご褒美を出されると,逆にやる気がなくなる 〇学習の成果は自分次第であると考えると学習意欲が高まる 〇自分で選べるという感覚がやる気を高める 〇評価ばかりを気にすると学習における新たな挑戦意欲が低下する 〇過度にがんばりすぎると,その後しばらく自制心が働かなくなる 〇自分が学習の主体だと感じれば学習者は能動的になる 〇多少苦手な科目も頻繁に接していると親しみが湧く 〇気分がよいと発想が豊かになる 〇テスト不安はテスト成績を低下させる ○楽観的な気持ちで臨むと学習もうまくいく 〇ネガティブな感情は書き出すことで和らぐ Section 5 他者との協働・コミュニケーション編 〇他者に教える(説明する)ことは理解を促進する 〇他者との自由なやりとりは創造的思考を促す 〇あいづちとうなずきがアイデアを引き出す 〇他者の考えに触れることが発想力を高める 〇頻繁な発話交替が問題解決のアイデアを出しやすくする 〇個人思考と協同思考をうまく使い分けることが大切 〇討論は複眼的なものの見方を助ける 〇討論でものごとを決める場合,思慮が浅くなることがある 〇討論では同調圧力が生じることがある 〇グループワークで社会的手抜きが生じることがある Section 6 行動・環境・時間管理編 〇自分で自分を条件づけて学習行動を引き出すことができる 〇他の人が学ぶ様子を見ることは学習行動を促す 〇大変そうな学習も少しずつに分ければ楽にできる 〇とりあえず学習を始めれば,そのまま続けられる 〇作業机や周辺が散らかっていると作業効率が落ちる 〇物理的な学習環境が学習効率を左右する 〇学習計画がうまくいくためには,すべきことと所要時間の可視化が必要 〇環境を変えれば学習行動が変わる 引用文献 索引
人間の認識のしくみとその「不思議さ」に迫る認知心理学の魅力が満載の,考えながら体感しながら学べる新しいタイプの入門テキスト。 私たちは本当に自分自身を正しく認識しているだろうか。毎日目にしていても思い出せないことがあるのはなぜか。記憶や感覚,思考といった認識のしくみの科学であり,「人間の賢さと愚かさ」に迫る認知心理学の魅力を発見しながら考えながら学べる体験型入門テキスト。 第1章 「誤り」から見る認知心理学 第2章 感じる─感覚 第3章 捉える─知覚 第4章 覚える─記憶の基礎 第5章 忘れる─記憶の展開 第6章 わかる─知識の成り立ち 第7章 考える─問題解決と推論 第8章 決める─判断と意思決定 第9章 気づかない─潜在認知 第10章 認知心理学の歩み
心理学の定番入門書がそのままのコンパクトさで生まれ変わりました。「心理学の仕事」「研究法」「研究倫理」などのトピックが加わりいっそう社会に生きる心理学を感じられる内容に。ブックガイドも充実した心理学の必携書。公認心理師を目指す方にも。 序 章 心理学ってなんだ?──心理学の仕事とテーマ 第Ⅰ部 身近に感じる心理学 第1章 心理に関する支援を行う──臨床心理学 第2章 性格は変えられるか──性格と個人差の心理学 第Ⅱ部 心理学で日常生活を読み解く 第3章 身近な人や社会との関係──社会的行動の心理学 第4章 人が生まれてから死ぬまで──発達心理学 第5章 心を測る──心理学的アセスメント 第Ⅲ部 心理学のコアな原理 第6章 世界をどうとらえるか──知覚・認知・記憶の心理学 第7章 あなたはなぜそのように行動するのか──行動と学習の心理学 第Ⅳ部 心理学の歴史と方法 第8章 心はどう探究されてきたか──心理学の歴史 第9章 データから心を探る──心理学の研究法
洗剤選びから政治的立場の決定まで、人の選択には無自覚に方向性を決める「癖」がある。選択結果を誘導する認知的環境や選択肢の設計はいかなるものか。誘導技術は善用できないのか。人の情報処理の仕組みを解明し、さらなる考察へと誘う入門書。 選択と誘導の認知科学 目次 まえがき 1章 物理的環境と選択の関係を考える ――選択に働きかける 1 街中の看板と貼り紙によるメッセージ ファストフード店での滞在時間を決めるもの 電車のシートへの座り方 公園のベンチは誰が使うのか 街中の花壇の役目 なぜ看板や貼り紙がうまくいかないのか Box 心理的リアクタンス なぜ物理的環境がうまくいくのか 看板・貼り紙vs.物理的環境 まとめ――認知的環境と選択 Box 対応バイアス 2章 デフォルトの効果――選択に働きかける 2 「選択」に働きかける デフォルト① 「質問」でのの有無は何を生むか 「オプトイン」と「オプトアウト」 デフォルト② 受診手続きと受診率 デフォルト③ 自動車保険を選ぶ デフォルト④ エネルギーを選ぶ デフォルト⑤ 臓器を提供するかしないか デフォルト⑥ お金を運用する なぜデフォルトの選択肢は選択されやすいのか 不幸になりたい人などいない 「選択アーキテクチャ」という考え方 原因と対処 自動システムと熟慮システム 興味や関心を刺激する働きかけと比較する ミシュランのグルメガイドブックの起源は? フォルクスワーゲンの「ファン・セオリー」 興味や関心を刺激する働きかけとの違い まとめ 3章 選択肢を分割する効果――選択に働きかける 3 オバマ政権は支持されていたか 分割の効果① 自動車が動かない原因を考える 分割の効果② デート相手を選ぶ 分割の効果③ ホテルを選ぶ 分割の効果④ ワインを選ぶ 分割の効果⑤ 防衛政策を判断する 選択肢の操作で世論は変わるか まとめ 4章 よい働きかけとはどういうものか ――選択に働きかける 4 選択アーキテクチャにはさまざまな問題がある 「する」と「しない」は同じか 「する」が満足に与える効果 「する」と「しない」から行為者の意図を読み取る 「する」は心理的な関与を高める デフォルトは規範を変える 選択と自律 一般人の反応 まとめ 5章 「理由」は選択を正しくあらわしているか ――選択を説明する 1 選択とそのための理由 経路実験――どうやって「経路」を選ぶか ストッキング実験――置く位置か品 「理由」はあてにならない 条件づけ――良いものと一緒にされると好きになる 単純接触効果――見るほどに好きになる サブリミナル効果――見えない刺激の力 働きかけに抵抗する人もいる 洗剤実験――選択の根拠は効能か反復か まとめ 6章 「差別していない」は本音か言い訳か ――選択を説明する 2 「オートコンプリートの真実」 「母親 無職」と「父親 無職」に続くのは? 性別役割分担意識 ドクター・スミス課題 性別役割分担意識とステレオタイプ 職業と性差別 客観性の幻想 差別と曖昧さ まとめ 7章 無理に理由を考えるとどうなるか ――選択を説明する 3 絵画実験――「2つの絵画について答えてください」 好かれも嫌われもする作品 好悪の理由を分析するのは難しい 難しくても,無理に理由を分析すると何が起こるか 「不自然な理由」が作り出される 目隠しテストで芸能人を格付けチェック テイスティング方法と評価の関係は? 「ペプシ・パラドクス」現象 「ペプシ・パラドクス」を考え直す ペプシ・コーラとコカ・コーラの味の「違い」とは 「ペプシ・パラドクス実験」もう一度 「ペプシ・パラドクス実験」のまとめ まとめ――「もっともらしい理由」を作って決める判断とは あとがき 文献一覧 索引 装幀=荒川伸生 イラスト=大橋慶子
理論と実践の双方向から「行動分析学」を体系的に解説。幅広い内容をコンパクトに収めた決定版。各種ツールも充実。 「行動分析学」を初めて学ぶ方に向けた概説テキスト。行動の分析を一つの軸に,基礎理論と臨床・日常場面への応用をリンクさせる一冊です。演習問題や事例紹介など,充実のツールで学びをサポート。医療福祉の現場に立つ方にもおすすめ。 第1章 心とは何か──行動分析学から接近する 第2章 観察法と実験法──行動を科学するために 第3章 生得性行動──経験によらない個体の行動とは 第4章 レスポンデント──環境の機能を変える方法を知る 第5章 オペラント──行動やその出現機会を作り出す方法を知る 第6章 強化随伴性──行動変容のための諸変数と規則 第7章 刺激性制御──はじめての環境に個体が出会うとき 第8章 反応遮断化理論と選択行動──強化と価値を考える 第9章 言語行動と文化随伴性──行動分析学から展望する
理解を促し楽しく学べる工夫が満載。基礎から応用まで心理学の世界の考え方・理論のエッセンスをコンパクトに解説。 誰もがもつ素朴な疑問から読み進められる構成で,WHITEBOARDやPOINTツール等,読んで・見て・考えながら学べる工夫が満載。基礎~応用まで広い心理学の世界を概観でき,それぞれの考え方・理論のエッセンスがつまったコンパクトな入門テキスト。 序 章 心は目に見えない─計量心理学 第1部 さまざまな心のとらえ方 第1章 目は心の一部である─知覚心理学 第2章 心は見えないが行動は見える ─学習心理学 第3章 ヒトの心の特徴 ─進化心理学 第4章 心は脳のどこにあるのか ─神経心理学 第5章 それぞれの人にそれぞれの心 ─個人差心理学 第2部 さまざまな心のメカニズム 第6章 心は機械で置き換えられるのか ─認知心理学 第7章 ヒトは白紙で生まれてくるのか ─発達心理学 第8章 感情はどのような役割を果たしているのか─感情心理学 第9章 いい人? 悪い人?─社会心理学 第3部 心の問題のとらえ方 第10章 なんだかいやな気持ち─ストレスと心の病気 第11章 発達の偏りと多様性─発達障害 第12章 心の問題へのアプローチ ─アセスメントと支援
中高生のほとんどは,心理学とはどういうものかを知らないが,いろんなイメージはもっている。高校の教室で行った大学教授の授業から,現代の心理学の姿を描く。「総合学習で学ぶ心のしくみとはたらき」と題した付録冊子付き。 日本では心理学が学校の教科になっていない。そのために,多くの中高生は心理学がどういうものかを知らずに,さまざまなイメージをえがいているのが現状だ。本書では,高校1年生のクラスで行なった大学教授の授業という形式で,現代の心理学の全体像とその姿をえがいていく。心理学の本当のおもしろさにふれられます。 1章 心理学で人の心が読める? 操れる? 1 心理学ってすごい? こわい? 2 人の心を読むことはできる? ウソ発見器はウソを見破れるか 心理カウンセラーの仕事 心理学の法則は統計的なもの 3 人の心を変えることはできる? 悪徳商法とカルト教団の手口 人間の心理的傾向がうまく利用されている 人が説得されやすいとき 4 質問の時間 2章 心理学ってうさんくさい? 1 心理学は占いのようなもの? 2 知能検査というもの ビネーの知能検査 知能検査のその後 知能検査の思い出 知能検査は信頼できるか――代表性と再現性 知能検査は役に立つか――診断力と予測力 3 性格検査というもの 類型論と特性論 質問紙による性格検査の作り方 投影法と作業検査法による性格検査 性格検査の有効性 4 質問の時間 3章 心理学は常識的なことばかり? 1 心のことなんて,もう知ってる? 2 心理学は何を研究するの? 意識と内観 心理実験――錯視を例に 心に代わって「行動」を研究する 無意識の存在と防衛機制 3 心理学の理論と方法って? 意識だけでは心のしくみはわからない 心理学では理論とデータが大切 学習意欲の出なくなったM君をどう理解するか 4 質問の時間 4章 心理学を学びたい人に 1 心理学にはどんな分野があるの? 2 心理学を学ぶには(1)――本を読む 3 心理学を学ぶには(2)――大学に行く 4 心理学を生かせる仕事は?
「認識」について,実験の醍醐味に触れながら,基礎的な内容から新しい知見までをカバーした,コンパクトで読みやすい入門書。 人間は世界をどのように認識しているのか。当たり前になしえている「認識」の背後にからみ合う複雑な営みを,1つ1つ解き明かしていく実証的・科学的手法の醍醐味を堪能してほしい。初版刊行後の新しい知見も盛り込んだ,コンパクトで読みやすい入門書。 第1章 認知心理学の誕生と変貌――情報工学から機能的生物学へ=道又 爾 第2章 知覚の基礎――環境とのファーストコンタクト=北〓崎充晃 第3章 高次の知覚――見ることから理解することへ=道又 爾 第4章 注 意――情報の選択と資源の集中=大久保街亜・道又 爾 第5章 表 象――こころの中身,その形式=大久保街亜 第6章 記 憶――過去・現在・未来の自己をつなぐ=今井久登 第7章 言 語――成長する心の辞書システム=山川恵子 第8章 問題解決と推論――普遍性と領域固有性の間で=黒沢 学
世界を理解し、概念知識を構築するうえで身体的経験が必須だという見方は、哲学者、認知科学者、ロボット工学者たちに広く共有されてきている。心理学的研究と身体化された認知という考え方における位置づけを体系的に、初学者にもわかりやすく解説。
◆「認知科学のススメ」シリーズの刊行にあたって 人間や動物は、どのように外界の情報を処理し、適切に反応しているのでしょうか?認知科学は、このような関心から。動物も含めた人間の知能や、人工知能システムなどの知的システムの性質や処理メカニズムを理解しようとする学問です。人間や動物のさまざまな現象にかかわるため、認知科学は、心理学、進化学、情報科学(とくに人工知能)、ロボティクス、言語学、文化人類学、神経科学・脳科学、身体運動科学、哲学などの幅広い分野の研究者が集まって作られました。そのため認知科学は、これらの諸分野を横断する学際的な学問分野となっていて、数学、物理、歴史などの伝統的な分野と比べて、体系化することは容易ではありません。そのためもあってか、私たち自身について知るための基本的な学問であるにもかかわらず、これまで中学校や高校の教育の中で教えられることはありませんでした。しかし学問の存在を知らなければ、その道へ進もうと志す人もなかなか現れません。 第1巻では、認知科学の基本や多彩な取り組み全体をクイズやコラムを交えて紹介します。 はじめての認知科学 目次 まえがき 序章 ヒトはどんなふうにものを考えるか? パズルで試す「ヒトの考え方」 直感と論理の差がある 確率的なものをどう捉えるか? 常識的ってなんだろう? 序章の読書案内 1 章 出発点 こころを問うひとびと こころの研究を「科学」にする 条件反射から行動主義心理学へ こころの中の「認知地図」 こころの中にあるもの 表象という「なにか」 情報科学がもたらしたもの Box アラン・チューリング /ジョン・フォン・ノイマン ノーバート・ウィーナー /クロード・シャノン Column こころを持った機械への夢とチューリング・テスト 双子の学問の誕生 情報科学からこころを追うと……定理証明プログラム モデルという理解の仕方 問題を解く「こころ」とコンピュータ・プログラム 境界を越えて Column 日本に認知科学がやってきたとき 1章の読書案内 2 章 こころをわかるために章 ――記号,表象,計算,意味,理解 こころの働きを情報処理になぞらえる 大きな枠組で理解する 情動を伝える2つのルート 形式的に扱う=計算論的扱い 計算主義・記号主義とレイヤー ことばのないネコ,知性と言語 ヒトのこころとことば 文を作る能力は生得的か? ヒトに固有な言語活動 ことばを獲得するとき ことばの意味がわかる,とは 記号接地問題 使いやすいヒューリスティックな思考 Column もう1 つの計算主義 ニューラルネットワーク 2章の読書案内 3 章 こころと身体と言語 表情も身体だ 身体を動かしたほうがクリエイティブ 身体とミラーニューロン Box 「共感」と「心の理論」――他者に共鳴する能力 Column 神経科学のあゆみ 問題解決に役立つ心内シミュレーション 記号だけに頼れない? 身体とアフォーダンス 身体と触れ合う世界 ことばを持つ「意味」とヒトの能力 Column 身体を持ったロボットは知性を持つのか 3 章の読書案内 4 章 動物らしさvs. ヒトらしさ あなどれない動物の認知システム イルカの「音」の世界 オオカミからイヌへ キツネの家畜化からわかるもの 動物とヒトはどう違うのか 数字の短期記憶実験 推移的推論はできるか 対称性についての奇妙な結果 ヒトの認知システムの基本を探る 推論の基本 ヒトの知性をがっちり支える道具=アブダクション 発達とは学び続けること Column 脳をのぞく――画像撮影装置の発展 4 章の読書案内 間奏曲 認知科学対話 I 根っこから外れる節操の無さ 役に立つか 人とモノの間で II がんばれ東ロボくん! 会話プログラムと川柳 文脈と忘却 III どんな状況にも対応できるヒトのこころ ボトムからもトップからも考えるヒト 情動を超えて 生き残る仕事はなにか見極めるために 5 章 認知科学のここまで,そしてこれから 認知科学は何をやってきたのか 1995 年から2012 年の日本の認知科学 認知科学は社会とつながる 情報社会を認知科学すると これからの問題は Column 認知科学を学ぶには あとがき 文献一覧 索引 装幀=荒川伸生 イラスト=大橋慶子
フッサールから現代の身体性認知科学へ――現象学という思想的潮流は心の科学とどう結びついて展開してきたのか。歴史と展望を示す。 フッサールから現代の身体性認知科学へ――現象学という思想的潮流は心の科学とどう結びついて展開してきたのか。歴史と展望を示す。 独特の専門用語や論述の難解さで知られる現象学を、英語圏の哲学に特徴的な明晰な論述スタイルで解説。現象学の中心的なテーマは今日の身体性認知科学にこそ最も鮮明に受け継がれている、という独自の観点から、心理学や認知科学との関係に重点を置いて現象学の歴史と現代の展開を描き、その魅力と可能性をわかりやすく生き生きと示す。 謝辞 序 第1章 カントとヴント──18世紀と19世紀の背景 1.1 カントの批判哲学 1.2 ヴィルヘルム・ヴントと科学的心理学の興隆 第2章 エトムント・フッサールと超越論的現象学 2.1 超越論的現象学 2.2 ブレンターノ 2.3 論理学と心理学のあいだ 2.4 イデーン 2.5 時間意識の現象学 第3章 マルティン・ハイデガーと実存的現象学 3.1 日常的世界の理解可能性 3.2 デカルトと事物存在性 3.3 世界内存在 3.4 他者との共存在と世人 3.5 実存的な自己の概念 3.6 死、責め、本来性 第4章 ゲシュタルト心理学 4.1 ゲシュタルト学派による原子論的心理学への批判 4.2 知覚と環境 4.3 ゲシュタルト心理学の影響 第5章 モーリス・メルロ=ポンティ──身体と知覚 5.1 『知覚の現象学』 5.2 現象学、心理学、現象野 5.3 生きられた身体 5.4 知覚の恒常性と自然的対象 第6章 ジャン=ポール・サルトル──現象学的実存主義 6.1 サルトルによる自己の存在論 6.2 不安、前反省的自己、自己欺瞞 6.3 身体と知覚にかんするサルトルの見解 6.4 その他の現象学──ボーヴォワール、ヤング、アルコフ 第7章 ジェームズ・J・ギブソンと生態心理学 7.1 ウィリアム・ジェームズ、機能主義、根本的経験論 7.2 ギブソンの初期の仕事──二つの例 7.3 生態学的アプローチ 7.4 生態学的存在論 7.5 アフォーダンスとインビテーション 第8章 ヒューバート・ドレイファスと認知主義への現象学的批判 8.1 認知革命と認知科学 8.2 「錬金術と人工知能」 8.3 『コンピュータには何ができないか』 8.4 ハイデガー的人工知能 第9章 現象学的認知科学 9.1 フレーム問題 9.2 急進的身体性認知科学 9.3 ダイナミカルシステム理論 9.4 ハイデガー的認知科学 9.5 エナクティヴィズム 9.6 感覚運動アプローチ 9.7 科学的現象学の将来 参考文献 訳者解説[田中彰吾・宮原克典] 索引
ヒトは未完成な状態として生まれ「学習」に依って「人」となる。このようにヒトが人となるために必要な学習機能についてまとめる。育児や保育ならびに学校での教育実践(教育領域),適応的行動の形成や不適応行動の改善(臨床領域),学習機能に障害を持つ人々のサポート(障害領域)に資する基礎的研究や実践的研究を解説。 ◆◆◆おもな目次◆◆◆ 第1章 学習心理学へのいざない 第2章 学習の基礎研究:動物を使って学習の仕組みを探る 第3章 記憶のプロセスの研究:知識獲得のメカニズム 第4章 メタ認知:知識による行動の制御 第5章 学習意欲の研究とその応用 ◎現場の声1 学ぶ意欲をはぐくむ学級経営と授業 ◎現場の声2 定時制高校ではぐくむ学ぶ意欲 第6章 心理臨床と学習心理学 ◎現場の声3 病気の子どもと家族を支える ◎現場の声4 産業領域に活きる学習心理学の理解 第7章 学習指導と学習心理学 ◎現場の声5 授業はカレー。理論がルウで,実践知が具。煮込むほど美味しくなる ◎現場の声6 小学校5年生,勉強に悩みはじめる ◎現場の声7 小学校3年生,算数の考え方を説明し,次に生かす 第8章 一人ひとりの特性に応じた指導と学習心理学 ◎現場の声8 通級指導教室での子どもに応じた指導 ◎現場の声9 「学習に困難」がある子どもたちがおかれている現状 ◆◆◆シリーズ心理学と仕事 全20巻 ラインナップ紹介◆◆◆ 1感覚・知覚心理学/2神経・生理心理学/3認知心理学/4学習心理学/ 5発達心理学/6高齢者心理学/7教育・学校心理学/8臨床心理学/ 9知能・性格心理学/10社会心理学/11産業・組織心理学/12健康心理学/ 13スポーツ心理学/14福祉心理学/15障害者心理学/16司法・犯罪心理学/ 17環境心理学/18交通心理学/19音響・音楽心理学/20ICT・情報行動心理学 心理学を活かした仕事を目指す高校生・大学生・社会人,そして, 進路指導や心理学教育に携わる教育関係者に向けて,多彩な心理学ワールドを紹介。 実際に働く人々の「現場の声」も交えながら,シリーズ総勢 300名以上の執筆陣が, 心理学の今を伝える。 心理学って面白そう! どんな仕事で活かされている? 国家資格として「公認心理師」が定められ, 心理学と仕事とのつながりに関心が高まる中,シリーズ[全20巻]刊行! 監修のことば はじめに 第1章 学習心理学へのいざない 1節 学習心理学とは 2節 学習心理学の展望と本書の構成 第2章 学習の基礎研究:動物を使って学習の仕組みを探る 1節 はじめに 2節 学習を効率的に行う訓練法(1):古典的条件づけ 3節 学習を効率的に行う訓練法(2):オペラント条件づけ 4節 条件づけでは説明のできない動物の行動変化 5節 最後に 第3章 記憶のプロセスの研究:知識獲得のメカニズム 1節 知識獲得(学習)のメカニズム 2節 知識の構造と記憶の区分 3節 記憶の過程 第4章 メタ認知:知識による行動の制御 1節 知識による行動の制御のメカニズム 2節 メタ認知の仕組み 3節 メタ認知の指導 第5章 学習意欲の研究とその応用 1節 学習意欲のとらえ方 2節 学習意欲の測定法:学習理由と有能感ではかる 3節 自律的な学習意欲の育て方 ◎現場の声1 学ぶ意欲をはぐくむ学級経営と授業 ◎現場の声2 定時制高校ではぐくむ学ぶ意欲 第6章 心理臨床と学習心理学 1節 心理臨床の実際 2節 心理臨床に生かす「学習心理学」の理論 3節 学習心理学に基づく認知行動療法の技法 4節 心理臨床における「学習心理学」のさらなる応用 ◎現場の声3 病気の子どもと家族を支える ◎現場の声4 産業領域に活きる学習心理学の理解 第7章 学習指導と学習心理学 1節 長期記憶にするための学習方法 2節 学ぶ-振り返る-生かす 3節 アクティブ・ラーニング 4節 学習の評価 ◎現場の声5 授業はカレー。理論がルウで,実践知が具。煮込むほど美味しくなる ◎現場の声6 小学校5年生,勉強に悩みはじめる ◎現場の声7 小学校3年生,算数の考え方を説明し,次に生かす 第8章 一人ひとりの特性に応じた指導と学習心理学 1節 学習障害とは 2節 学習障害と社会参加 3節 学びを保障する特別支援教育 4節 特別支援教育と学習心理学 ◎現場の声8 通級指導教室での子どもに応じた指導 ◎現場の声9 「学習に困難」がある子どもたちがおかれている現状 付録 さらに勉強するための推薦図書 文献 人名索引 事項索引
パスカルから現在までの様々な理論を整理し,生物学的基盤/機能/進化/認知/発達/言語/病理/健康という切り口から読み解く 感情は人間考察の主題である。パスカルの時代から現在までの様々な理論を整理し直し,生物学的基盤と機能を明らかにし,さらに進化/認知/発達/言語/病理/健康という切り口から感情を読み解く。感情心理学の全体像をわかりやすくコンパクトにまとめた入門書。 序 章 感情心理学事始め(大平英樹) 第1章 感情の理論(大平英樹) 第2章 感情の生物学的基盤(大平英樹) 第3章 感情の機能(余語真夫) 第4章 感情と進化(河野和明) 第5章 感情と認知(大平英樹) 第6章 感情と発達(中村真) 第7章 感情と言語(湯川進太郎) 第8章 感情と病理(佐藤健二) 第9章 感情と健康(大竹恵子) 終 章 感情心理学の課題と展望(大平英樹)
心と体の生涯発達への心理学的アプローチの方法から,乳幼児期の認知・自己・感情・言語・社会性・人間関係の発達の詳細,学童期〜高齢期の発達の概要,発達障害への対応まで,子どもにかかわるすべての人に必要な発達心理学の基礎が身に付くようガイドする.幼稚園教諭・保育士養成課程にも対応. はじめに(開) I 発達のとらえ方 1 発達心理学とは(齋藤) 2 遺伝と環境(佐々木掌子) 3 生涯発達の視点(齋藤) II 乳幼児期の発達をくわしく知る 4 胎児期・周産期(新屋裕太・今福理博) 5 感覚・運動の発達(伊村知子・白井 述・島谷康司) 6 愛着の発達(蒲谷槙介) 7 自己と感情の発達(森口佑介) 8 認知の発達(旦 直子) 9 言語の発達(小林哲生) 10 社会性・道徳性の発達(奥村優子・鹿子木康弘) 11 遊び・仲間関係(野嵜茉莉) III 発達を支える 12 学習の理論(後藤和宏) 13 障害と支援(浅田晃佑) 14 心と行動の問題および児童虐待(出野美那子) IV 学童期以降の発達を概観する 15 学童期〜青年期(林 創・松島公望) 16 成人期〜老年期(久保南海子) コラム1 女に育てたから女になるのか? コラム2 虐待の要因を探る サルの里子実験 コラム3 早産児の認知発達 コラム4 妊娠中の母親の食事と胎児の味覚的嗜好 コラム5 風船を持たせることによる乳幼児の歩行支援 コラム6 各愛着タイプのその後 コラム7 空想の友達 コラム8 赤ちゃんも計算ができる? コラム9 統語的手がかりを用いた動詞学習 コラム10 ヒトの視線のパワー コラム11 乳幼児の道徳性の発達 コラム12 きょうだい関係の役割 コラム13 生活習慣の獲得 コラム14 神経多様性 コラム15 遊びに現れる子どもの心 コラム16 子どもの嘘への対応 コラム17 日本人の宗教性とアイデンティティ コラム18 サルのサクセスフルエイジング? おばあちゃんザルの知恵 Introduction to Development Psychology Kazuo HIRAKI and Atsuko SAITO, Editors
現代感情研究の潮流 表情 感情と認知 感情の発達 感情と健康 感情と脳・自律反応 感情と文化 アレキシサイミア 攻撃性 罪悪感と羞恥心 感情とパーソナリティ
相互に影響しながらも独自の特徴を持つ知覚と感性を実験心理学の立場から総合的に考察する。多感覚統合,感性の脳内基盤,知覚と感性の発達,芸術,言語,身体知といった多彩なテーマを取り上げつつ,心理物理学的測定法や感性評価などそれらに迫るための方法論も詳しく説明し,この研究領域の全体像を浮き彫りにする。 まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 感性認知―アイステーシスの実証科学として― 1節 はじめに 2節 アイステーシス 3節 アイステーシスとしての知覚特性 4節 「感性」の定義と背景 5節 感性の位置づけ 6節 アイステーシスへの接近――知覚と感性をともに考える研究テーマ 7節 おわりに 文献 第2章 多感覚統合と感性 1節 はじめに 2節 共感覚 3節 多感覚情報の時空間統合 4節 日常経験する事象における多感覚統合 5節 触覚と身体の感性 6節 五感による食経験 7節 五感と感情へのアプローチ 8節 嗅覚とマルチモダリティ 9節 まとめ 文献 第3章 感性の基本次元と脳内基盤 1節 はじめに 2節 SD法からわかる感性特性 3節 感性次元の感覚関連性 4節 感性次元と脳活動の対応関係 5節 おわりに 文献 第4章 知覚と感性の発達 1節 はじめに 2節 色の知覚の発達 3節 形の知覚の発達 4節 動きによって促進される感性――形と空間の知覚 5節 おわりに 文献 第5章 感性研究の方法論 1節 はじめに 2節 感性の測定 3節 さまざまな測定方法 4節 SD法に基づく印象形成過程の検討 5節 感性心理学研究の展開 文献 第2部 展開と実践 第6章 絵画と仮想 1節 はじめに 2節 絵画時間の仮想 3節 画家の時間と鑑賞者の空間 4節 仮想の反転 文献 第7章 感性言語―擬音語・擬態語と脳― 1節 はじめに 2節 感覚尺度としての擬音語・擬態語 3節 感覚・知覚と擬音語・擬態語 4節 五感と共感覚 5節 感性語 6節 擬音語・擬態語の脳内表現――fMRIによる実験 7節 擬音・擬態語の構造と機能 8節 まとめ 文献 第8章 音響感性情報としての「間」 1節 はじめに 2節 「間」の感性 3節 「間」を科学する――音楽・朗読の「間」 4節 意図の表現と理解に関わる「間」 5節 会話の「間」 6節 コミュニケーションの基盤としての「間」 7節 音響情報の感性 文献 第9章 身体知―習熟と伝承― 1節 はじめに 2節 身体知を身につける 3節 身体知を学習する 4節 「場」から学習する 5節 まとめ 文献 第10章 好みの形成―単純接触効果と広告― 1節 はじめに 2節 単純接触効果の分類 3節 単純接触効果の理論 4節 単純接触効果と広告効果 5節 まとめ 文献 第11章 情報のデザイン 1節 はじめに 2節 情報のデザイン 3節 情報デザインの事例 4節 おわりに 文献
社会科学を学ぶ人や一般的な統計ユーザーのための統計法テキスト。種々の分析法の基本的考え方や分析法が元々もつ問題点や分析された結果を解釈する際の留意点を重視して解説。一人で読んで十分に理解できる画期的な本。 統計の分析法の意味や考え方を感覚的に理解できるように, 図や表を多数使用しながら解説! 社会科学を学ぶ人たちや一般的な統計ユーザーのための「統計法」のテキスト。種々の分析法の基本的考え方やそれらの分析法がもともともっている問題点(いわば,統計の限界)および分析された結果を解釈する際の留意点を重視して解説した。ひとりで読んで十分に理解できる画期的な本。 まえがき 序章 統計について学ぶにあたって 1節 統計とは何か,そして,統計はなぜ必要か? 2節 変数とデータ 3節 Σの記号の意味 序章のまとめ 1章 1つひとつの変数についての分析1:図表を用いた度数分布のまとめ 1節 度数分布とは 2節 量的変数における度数分布の表し方 3節 質的変数における度数分布の表し方 2章 1つひとつの変数についての分析2:度数分布の特徴の数値要約 1節 量的変数に関するデータの数値要約 2節 質的変数に関するデータの数値要約 2章のまとめ 3章 2つの変数の関係についての分析1:量的変数どうしの場合 1節 相関図の作成 2節 相関係数による数値要約 3節 一方の変数の値によって分けた群間での他方の変数の代表値の比較 3章のまとめ 4章 2つの変数の関係についての分析2:質的変数どうしの場合 1節 クロス表の作成 2節 連関係数による数値要約 4章のまとめ 5章 変数の変換 1節 線形変換 2節 非線形変換 5章のまとめ 6章 統計的検定の基礎 1節 記述統計と推測統計 2節 無作為標本抽出 3節 推測統計の分類 4節 統計的検定の意義 5節 統計的検定の基本的考え方 6節 統計的検定に関する基本用語と統計的検定の一般的手続き 6章のまとめ 7章 適切な検定の選択 1節 基本用語 2節 適切な検定を選択する際の主な観点 7章のまとめ 8章 統計的検定の実際 1節 対応のない場合のt検定 2節 対応のある場合のt検定 3節 U検定 4節 対応のない1要因の分散分析 5節 2重クロス表についてのχ2検定 6節 ともに対応のない2要因の分散分析 7節 ピアソンの相関係数の有意性検定 8章のまとめ 9章 統計的検定の問題点・適用上の留意点 1節 問題点 2節 適用上の留意点 9章のまとめ 終章 統計に関する知識と日常の思考との関わり 引用文献 索引 別表 練習問題の解答
実証的知見を踏まえつつ, 教育的介入を意図した実践的研究の紹介に力点を置く。 言語力や推論能力,動機づけなど学習にかかわる主要な認知活動とその発達に関する基礎理論,実証的知見を踏まえつつ,学校での教科の学習を中心に教育的介入を意図した実践的研究の紹介に力点を置く。メタ認知や学習観の形成,文章理解,数学的問題解決,科学的概念の獲得など,具体的な教育実践に多大な示唆を与える。 ◆執筆者一覧(執筆順) 秋田喜代美 東京大学大学院教育学研究科 第1章 針生悦子 東京大学大学院教育学研究科 第2章 藤村宣之 東京大学大学院教育学研究科 第3章 山 祐嗣 大阪市立大学大学院文学研究科 第4章 村山 航 University of Munich 第5章 遠藤利彦 東京大学大学院教育学研究科 第6章 植阪友理 東京大学教育学研究科学校教育高度化センター 第7章 犬塚美輪 大正大学人間学部 第8章 瀬尾美紀子 日本女子大学人間社会学部 第9章 湯澤正通 広島大学大学院教育学研究科 第10章 今井むつみ 慶應義塾大学環境情報学部 第11章 佐治伸郎 日本学術振興会/慶應義塾大学 第11章 市川伸一 編者 第12章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 認知心理学は学習・教育の実践と研究に何をもたらしたか 1節 はじめに 2節 学習観の転換と理解過程や知識への注目 3節 社会文化的なコミュニティへの参加による学びあう過程の解明 4節 まとめにかえて 文献 第2章 言語力の発達 1節 はじめに 2節 話しことばの発達 3節 書きことばへの移行 文献 第3章 数量概念の獲得過程 1節 はじめに 2節 数量概念獲得の現状 3節 手続き的知識とスキルの発達 4節 概念的理解の発達 5節 数量概念獲得の微視的プロセス 6節 数量概念獲得の促進可能性 7節 数量概念獲得に関わる社会的要因 文献 第4章 推論能力の発達 1節 はじめに 2節 演繹推論の発達 3節 帰納推論の発達 4節 領域固有性対領域普遍性 5節 まとめ 文献 第5章 認知と動機づけ 1節 はじめに 2節 動機論 3節 認知論 4節 動機づけ研究における認知論とは 5節 認知と動機づけに関する研究――認知論を超えて 6節 おわりに 文献 第6章 感情と情意理解の発達 1節 はじめに 2節 認知的評価の視座から見る感情の発達 3節 情意理解の礎としての社会的感性 4節 視線と表情の理解が拓く発達的可能性 5節 「心の理論」と情意理解の深化 6節 結びとして 文献 第2部 展開と実践 第7章 メタ認知・学習観・学習方略 1節 はじめに 2節 メタ認知・学習観・学習方略とは 3節 メタ認知・学習観・学習方略を支援する試み 4節 結びにかえて――今後の課題 文献 第8章 文章の理解と産出 1節 はじめに 2節 文章の理解 3節 文章の産出 4節 文章理解と産出の教育に関する新しい課題 5節 まとめ 文献 第9章 数学的問題解決とその教育 1節 はじめに 2節 数学的問題解決の認知過程 3節 数学的問題解決を説明する要因 4節 数学的問題解決の学習と指導――認知心理学から教育実践への提案 5節 おわりに――今後の課題 文献 第10章 科学的概念の発達と教育 1節 はじめに 2節 3タイプの科学のイメージ 3節 論理的推論としての科学的思考・概念の発達 4節 理論の変化としての科学的概念の発達 5節 科学的概念の発達と適用を支える文脈 文献 第11章 外国語学習研究への認知心理学の貢献―語意と語彙の学習の本質をめぐって― 1節 はじめに 2節 語彙学習の重要性 3節 言語のカテゴリーと認識の関係――色名の多様性を例に 4節 語と語の関係を理解することの重要性 5節 基本的な動作の名前のつけかたの違い 6節 学習者は複雑な意味領域の意味地図をどのように学習するのか 7節 本章のまとめと結論 文献 第12章 認知心理学は教育実践にどう関わるか 1節 はじめに 2節 認知心理学が提供する人間観・学習観 3節 児童・生徒の現実に関わる 4節 教育関係者との関わり 5節 認知心理学の転換期――状況論,PDP,そして認知神経科学 6節 認知心理学を生かした授業と評価 7節 認知心理学のどこをどう教育に生かすのか 文献 人名索引 事項索引
思い込み、見逃し、なぜやってしまったのかわからない行動。そんな「認知バイアス」を心理学の視点から、身近な事例を挙げて解説。 「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、いつもならするはずのない判断や行動。それはなぜ起こるのか。このようなふつうの行動に現れる心の働きの偏り、歪みのようなものである「認知バイアス」について、わかりやすい事例を挙げて解説します。 認知バイアスという言葉は、一般的にも時々使われるようになってきて、なんだかよくわからないけど間違ってしまった、おかしなことをしてしまった、というときに認知バイアスという言葉で片付けようとする安易な解決も見られがちですが、著者は、「知」を身体、社会、感情、環境なども取り込んでトータルな人間の理解を深めようとする認知科学に基づき、理論的に分析しています。また、なぜ誤るのか、そして誤ることには意義があるのか、それは何なのかを解き明かします。 認知メカニズムは、ある状況では賢い判断をするように働き、ある状況では愚かな判断を生み出す。つまり人間は賢いようで愚かで、愚かなようで賢いものであるということがわかる1冊。 第1章 注意と記憶のバイアス:チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶 第2章 リスク認知に潜むバイアス:利用可能性ヒューリスティック 第3章 概念に潜むバイアス:代表性ヒューリスティック 第4章 思考に潜むバイアス:確証バイアス 第5章 自己決定というバイアス 第6章 言語がもたらすバイアス 第7章 創造(について)のバイアス 第8章 共同に関わるバイアス 第9章「認知バイアス」というバイアス 第1章 注意と記憶のバイアス 第2章 リスク認知に潜むバイアス 第3章 概念に潜むバイアス 第4章 思考に潜むバイアス 第5章 自己決定というバイアス 第6章 言語がもたらすバイアス 第7章 創造(について)のバイアス 第8章 共同に関わるバイアス 第9章「認知バイアス」というバイアス
最近「認知バイアス」という言葉が注目を集めています。認知バイアスとは,私たちの誰もがもつ「思考の偏り」や,「考え方のクセ」のことです。私たちの毎日の行動は,無意識のうちに認知バイアスの影響を受けています。 たとえば,限定品と書かれると,それまで欲しくなかった商品もつい買いたくなってしまいませんか? これは「希少性バイアス」という認知バイアスの一種です。また,災害で危険がせまっているのに「まだ大丈夫」と思いこんでしまうのも,「正常性バイアス」というものです。私たちは,さまざまな心のクセによって,合理的でない判断や行動をしているのです。 本書では,さまざまな認知バイアスについて,生徒と先生の対話を通してやさしく解説します。認知バイアスについて知れば,思いこみや偏見のない判断ができ,日々の生活や人間関係の役に立つにちがいありません! 認知バイアスの世界をお楽しみください! 1時間目:誰の心にもひそむ考え方のクセ STEP1. 知覚と認識のバイアス 認知バイアスって何? 脳がつくりだす「見えている」世界 人は「目の前の変化」を見落とす A型の人が几帳面に見えるのはなぜ? 単純なのにまちがえる「2-4-6課題」 占いの結果は誰にでもあてはまる? 「成功から学ぶ」だけでは見落としがある STEP2. さまざまな問題につながる認知のゆがみ 悪いことがおきた人は「悪い人」なのか 自分の不幸は「社会のせい」ではない? 他人の失敗は実力のせい? 人は無意識に自分を正当化する 慣習や知識が「ちがう使い方」を見えなくする 2時間目:思わぬ危機をまねく思いこみや先入観 STEP1. 悪い状況なのに変えたくない心理 「まだそれほど危険じゃない」には要注意 ! 損切りできない「サンクコスト効果」 失敗を恐れ挑戦を避ける「現状維持バイアス」 聞き方次第で答えが変わる「フレーミング効果」 STEP2. 想像以上に変化しやすい私たちの記憶 「後出し」で記憶を修正する 記憶は言葉一つで,簡単に変わってしまう 後からつくられる「過誤記憶」の恐ろしさ 人は「中断されたこと」をより覚えている 3時間目:知っておきたい判断と行動のバイアス STEP1. 言葉や情報に影響される「判断」 「○○について考えるな」と言われると……? 「協力」より「競争」と考えるのはなぜか レアものや限定品がほしくなるワケ 具体的な数字を示されると,それが基準になる STEP2. 「好き」と思う意外な理由 ドキドキするのは「つり橋が揺れる」から? 「何度も見る」と好きになるのはなぜ? 誤った情報でも,くりかえし接すると……? STEP3. 思いこみやイメージで変わる「行動」 人は「イメージ」で評価しがち 確率が低いのに「もっともらしい」ほうを選ぶ理由 期待されると,成績はほんとうに上がる? 手間ひまかけると「同じモノ」でも価値が上がる 偽薬でも症状が改善する「プラセボ効果」 4時間目:無意識が影響する集団と人間関係 STEP1. 正しいと思っているのは自分だけ? 認識をゆがめる「固定概念」 他人は思ったより「あなた」に興味がない? あなたの気持ち,意外と見抜かれていないかも 自分だけは「偏向報道」の影響を受けていない? 思いだしやすいものが「実際に多い」とは限らない STEP2. 要注意! 対人関係が悪化する論法 相手が攻撃しているのは「わら人形」かもしれない 人格攻撃にも利用される「お前だって論法」 同じことをいっているだけなのに,なぜか説得される 白か黒かだけではない「二分法の誤謬」 STEP3. 「集団」が生みだすさまざまな心理 自分が属さない集団の人は,みな同じに見える 自国チームの勝利は実力,相手チームの勝利は運? 他者の行動に合わせたくなるのはなぜか 集団の意見に合わせてしまう理由 少数でも「一貫した人」には合わせることがある STEP4. 集団ならではの「便乗」と「無責任」 勝ち馬に乗って,自分も勝者になりたい ! 権威のある人には無条件にしたがってしまう!? 人がたくさんいると「傍観者」になる? 集団だと極端な結論がみちびかれやすい なぜ誰も望んでいない旅行に出かけたのか 5時間目:数字にまつわる思いこみや勘ちがい STEP1. 直感とことなる「確率」や「統計」 5回連続で黒が出たら,次は赤の確率が高い? 選択を変えたほうが確率が上がる!? 「精度99%の検査で陽性」のほんとうの意味とは ビールが売れると水難事故が増える? 「全体」と「部分」でことなる結論になる
基礎的な内容から新しい知見まで,認知心理学の全体像を理解するための106のキーワードを見開き2ページで解説する。 基礎的な内容から新しい知見まで,認知心理学の全体像を理解するための105のキーワードを厳選し,それぞれのキーワードを見開き2ページで解説する。わかりにくい用語も巻末の用語解説で丁寧に解説。認知心理学の広がりと面白さを体感できる最適の入門書。 第1章 認知心理学の成立と展開 第2章 知覚と注意 第3章 記憶と忘却 第4章 知識と表象 第5章 概念と言語 第6章 問題解決と推論 第7章 学習と認知発達 第8章 認知心理学の研究の広がりと応用 ◎用語解説
現代の社会的認知研究をベースに 社会的場面での認知の問題,認知と感情の関係性を検討。 現代の社会的認知研究をベースに,社会的場面における認知の問題,認知と相互に影響し合う感情の問題を検討する。適応的行動を生み出すメカニズム,自動的過程と意識的過程の役割,感情情報処理と認知情報処理との関係性などの視点を軸に,現実の幅広い現象を取り上げながら社会的認知の本質に多面的に迫る。 ◆執筆者一覧(執筆順) 森 津太子 放送大学教養学部 第1章 尾崎由佳 東海大学チャレンジセンター 第2章 榊 美知子 University of Southern California 第3章 藤島喜嗣 昭和女子大学大学院生活機構研究科 第4章 田中知恵 明治学院大学心理学部 第5章 村田光二 編者 第6章 工藤恵理子 東京女子大学現代教養学部 第7章 北村英哉 東洋大学社会学部 第8章 唐沢かおり 東京大学大学院人文社会系研究科 第9章 遠藤由美 関西大学社会学部 第10章 唐沢 穣 名古屋大学大学院環境学研究科 第11章 沼崎 誠 首都大学東京大学院人文科学研究科 第12章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 社会的認知過程のモデル 1節 はじめに 2節 社会的認知とは 3節 社会的認知過程モデルにおける人間観の変遷 4節 古典的モデルと社会的認知過程モデル――印象形成の二過程モデル 5節 現代の社会的認知過程モデル 文献 第2章 社会的判断と行動の自動性 1節 はじめに 2節 自動性現象とそのメカニズム 3節 自動的過程の機能 4節 自動性と意識 文献 第3章 自己知識とそのはたらき 1節 はじめに 2節 自己知識の構造と機能――抽象度による分類 3節 自己知識の構造と機能――知識の内容による分類 4節 自己知識の限界 5節 おわりに 文献 第4章 自尊感情と自己関連動機に基づく推論の歪み 1節 はじめに 2節 自尊感情 3節 自己関連動機に基づく推論の歪み 4節 おわりに――今後の展望 文献 第5章 感情とその制御 1節 はじめに 2節 感情の役割 3節 感情制御 4節 感情価と感情制御 5節 おわりに 文献 第6章 感情予測 1節 はじめに 2節 感情予測の正確さと誤り 3節 感情予測のインパクトバイアス 4節 感情予測が果たす役割 文献 第2部 展開と実践 第7章 他者の心的状態の推論のメカニズム 1節 はじめに 2節 自分の心的状態の利用 3節 他者の心的状態の推論の特別なケース――行為者によるメタ推論 4節 他者の心的状態の推論に用いられる(自分の心的状態以外の)道具 5節 他者の心的状態の推論における自己の主観的経験の特別視・例外視 6節 正確さをめざした場合の帰結 文献 第8章 認知と感情のダイナミズム 1節 はじめに 2節 認知・感情システムと適応 3節 感情と認知――感情の認知への影響 4節 認知的感情理論 5節 感情とコミュニケーション 6節 おわりに 文献 第9章 援助場面での社会的認知過程 1節 はじめに 2節 傍観者効果と援助行動研究 3節 援助を動機づける認知――原因帰属 4節 援助を受ける側の心的過程と援助をめぐる相互作用 5節 おわりに 文献 第10章 関係性と適応 1節 はじめに 2節 社会的動物としての人間 3節 関係性認知――こころのなかの他者像・関係像 4節 関係性の脅威・阻害――関係の糸が結べない時 5節 実在人物以外との関係 6節 親密二者関係のダイナミズム 7節 まとめと将来の課題 文献 第11章 認知の社会的共有とコミュニケーション 1節 はじめに 2節 社会的認知の共有過程 3節 集団表象の共有 4節 社会的認知と言語表現 5節 認知と言語の文化的基盤 6節 おわりに 文献 第12章 ステレオタイプと社会システムの維持 1節 はじめに 2節 ステレオタイプの機能 3節 社会システムとステレオタイプの内容 4節 システム正当化 5節 展望――ステレオタイプと社会 文献 人名索引 事項索引
考え方・基本理論の理解から実践につなげることを目指した入門書。公認心理師カリキュラム・出題基準に対応。 健康・医療心理学をはじめて学ぶ人,医療現場で働く心理職を目指す人に向けて,考え方・基本理論の理解から実践につなげることまでを意識した入門書。最新の統計データ・学説を盛り込み,公認心理師カリキュラムにも対応。 第1部 健康・医療心理学とは何か 第1章 健康とウェルビーイング 第2章 健康リスクへのアプローチ 第3章 健康心理学と臨床心理学 第2部 ウェルビーイングの心理学 第4章 ストレスとウェルビーイング 第5章 食生活とウェルビーイング 第6章 身体活動と睡眠とウェルビーイング 第3部 健康リスクと支援の心理学 第7章 感情と健康リスク 第8章 行動と健康リスク 第9章 発達・加齢に伴う健康リスクと支援 第10章 働く人の健康リスクと支援 第4部 健康・医療心理学の課題 第11章 医療における行動と心理 第12章 健康・医療心理学の臨床的展開 第13章 医療におけるコミュニケーションと課題 第14章 災害による健康リスクと支援 第15章 医療制度と心理職の社会的役割
内面のドラマともいうべき、無意識的な心の変遷過程をたどる。ユング思想の全体を浮かびあがらせる絶好の入門書。 集合的無意識の概念を紹介し、個性化過程の考えを打ちだし、ユング心理学の基礎を築き上げた初期代表作。内面のドラマともいうべき、無意識的な心の変遷過程を個々の例を挙げながら分りやすく説くという点で、ユング思想の全体像を浮かびあがらせる入門書。 第一部 意識におよぼす無意識の諸作用 第一章 個人的無意識と集合的無意識 第二章 無意識の同化作用のおこす後続現象 第三章 集合的心の一部としてのペルソナ 第四章 集合的心からの個性解放の試み A ペルソナの退行的復元 B 集合的心との同一化 第二部 個性化 第一章 無意識の機能 第二章 アニマとアニムス 第三章 自我と無意識の諸形象とを区別する技術 第四章 マナ=人格 訳者解説 無意識とユング
一般知能や情動,進化,遺伝,脳内機構といった 基礎的テーマを軸に研究の現在を一望。 教育や医療,産業など現実の多様な場面でその知見が求められている認知の個人差研究の現在を一望する。一般知能や情動的知性,認知の個人差にかかわる進化的・遺伝的基盤や脳内機構といった基礎的テーマを手厚く論じながら,社会的認知能力,認知のエイジングなどの応用的テーマ,認知の個人差の測定法まで幅広く取り上げる。 ◆執筆者一覧(執筆順) 箱田裕司 編者 第1章 小松佐穂子 徳山大学福祉情報学部 第1章 第2章翻訳 Gerald Matthews University of Cincinnati 第2章 菱谷晋介 北海道大学名誉教授 第3章 平石 界 慶應義塾大学文学部 第4章 安藤寿康 慶應義塾大学文学部 第5章 八田武志 関西福祉科学大学健康福祉学部 第6章 大橋智樹 宮城学院女子大学学芸学部 第7章 若林明雄 千葉大学文学部 第8章 権藤恭之 大阪大学大学院人間科学研究科 第9章 石岡良子 東京都健康長寿医療センター研究所 第9章 中村知靖 九州大学大学院人間環境学研究院 第10章 光藤崇子 Ecole de psychologie Universite Laval 第10章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 認知の個人差の理論 1節 はじめに 2節 メンタルスピードの個人差と知能――IT 論争 3節 情動の個人差の理論――IQとEQ 4節 認知スタイルと大域情報処理・局所情報処理 5節 まとめと展望 文献 第2章 情動的知性と知能 1節 はじめに 2節 情動的知性の背景 3節 情動的知性の定義および概念 4節 情動的知性の評価 5節 情動的知性の理論と研究 6節 おわりに 文献 第3章 イメージ能力の個人差 1節 はじめに 2節 なぜ個人差か 3節 個人差の測定 4節 理論・モデルに基づいた個人差の測定 5節 最後に 文献 第4章 認知の個人差の進化心理学的意味 1節 はじめに 2節 進化的人間行動研究――進化心理学と人間行動生態学 3節 自然淘汰理論 4節 個人差への進化的視点 5節 実証研究の解釈――一般認知能力の個人差 6節 最後に 文献 第5章 認知の個人差と遺伝 1節 はじめに 2節 遺伝学の基礎――メンデル遺伝学と分子遺伝学 3節 行動遺伝学の理論と方法 4節 認知能力の遺伝と環境 5節 最後に 文献 第6章 認知の個人差の脳内機構 1節 はじめに 2節 認知の性差の特徴とその範囲 3節 認知の性差の規模と特性 4節 認知の性差をもたらすもの――性ホルモン 5節 性ホルモン――閉経の影響と月経周期の影響からの検証 6節 認知の個人差の分散と規模 7節 認知の個人差をもたらす脳内機構――神経心理学的説明 8節 おわりに 文献 第2部 発展と実践 第7章 視覚認知特性の個人差測定に基づく事故予防 1節 はじめに 2節 適性とは何か 3節 産業における適性検査の実践事例 4節 適性検査の要素 5節 事故予防のための個人差測定の展望 文献 第8章 社会的認知能力の個人差 ―自閉症スペクトラムから認知スタイル・モデルへ― 1節 はじめに 2節 心の理論と自閉性障害 3節 自閉症傾向の個人差から認知的傾向の個人差へ 4節 E-S理論と認知スタイル 5節 認知的特徴の個人差を生み出す神経生理学的基盤 6節 結論 文献 第9章 高齢者の生活環境,ライフスタイルと認知機能 1節 はじめに 2節 認知のエイジングとライフスタイル研究 3節 環境やライフスタイルが認知機能に影響するメカニズム 4節 認知機能維持のための介入研究 5節 今後の研究の方向性 6節 最後に 文献 第10章 項目反応理論から見た認知の個人差 1節 はじめに 2節 項目反応理論 3節 認知心理学における項目反応理論の応用例 4節 まとめと展望 文献 人名索引 事項索引
認知心理学の核をなすような形で発展してきた記憶研究の到達点を概観し,今後の方向性を展望する。ワーキングメモリ,長期記憶,意識,記憶の脳内メカニズム,記憶の生涯発達などの重要テーマを網羅する一方で,今後さらなる解明が期待される日常場面や臨床場面における記憶のはたらきについて詳細に論じる。 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 記憶研究の歴史と現状 1節 はじめに 2節 科学的研究のはじまり 3節 認知心理学の誕生と発展 4節 今日の研究状況 文献 第2章 ワーキングメモリ 1節 はじめに 2節 ワーキングメモリの成立 3節 ワーキングメモリの個人差 4節 ワーキングメモリの脳内機構 5節 ワーキングメモリの個人差とその脳内機構 文献 第3章 長期記憶Ⅰ―エピソード記憶と展望記憶― 1節 はじめに 2節 エピソード記憶 3節 展望記憶 文献 第4章 長期記憶Ⅱ―知識としての記憶― 1節 はじめに 2節 知識の記憶研究の概観 3節 知識の記憶に関する最近の研究動向 4節 おわりに 文献 第5章 記憶と意識 1節 はじめに 2節 潜在記憶 3節 想起意識と処理の二重性 4節 記憶の再体験と想起意識 5節 まとめ 文献 第6章 記憶の脳内メカニズム 1節 はじめに 2節 シナプス可塑性 3節 記憶に関わる脳領域 4節 まとめ 文献 第7章 記憶の数理モデル 1節 はじめに 2節 時系列規則の記憶――潜在学習 3節 エピソード記憶 4節 意味的知識の記憶 5節 記憶の再生と再認のモデル 参考 ニューロン特性と学習アルゴリズム 文献 第2部 展開と実践 第8章 自己と記憶 1節 はじめに 2節 実験室的な記憶・学習課題と自己 3節 自伝的記憶 4節 自己・他者・私たちと記憶 5節 研究を展開するうえでの留意点 文献 第9章 日常記憶 1節 はじめに 2節 実験室的研究と日常記憶研究 3節 日常記憶研究をめぐるトピックス 4節 日常記憶研究の課題と今後の方向性 文献 第10章 記憶の変容 1節 はじめに 2節 出来事の記憶は言葉で変わる 3節 記憶は他者からの情報で変わる――記憶への社会的影響 4節 まとめ 文献 第11章 記憶の生涯発達 1節 はじめに 2節 記憶の生涯発達に関する研究動向と視点 3節 年齢区分別に見た記憶機能の特徴 4節 今後の研究課題 文献 第12章 臨床と記憶 1節 はじめに 2節 臨床的問題における記憶を論じる前提 3節 トラウマの記憶 4節 強迫性障害(確認症状)と記憶 5節 統合失調症と記憶 6節 解離性同一性障害と記憶 7節 うつ病と自伝的記憶の抽象性 8節 記憶の制御と臨床的問題 9節 治療過程における記憶の問題 10節 まとめ――各障害の特徴が記憶にも現れる 文献
自己,身体,脳,認知,発達,進化,文化,人間関係等のテーマ毎に編集された章を通して読者に明確なパースペクティブを与える。 感情に纏わる様々な研究を渉猟し現時点の到達点を示す。個人内過程,個人間の差異,さらに社会との関わり,という観点から内容を構成。自己,身体,脳,認知,発達,進化,文化,人間関係,コミュニケーション等のテーマ毎に編集された章を通して読者に明確なパースペクティブを与える。感情心理学を学ぶ者にとっての必読書。 はじめに 第1部 感情とは何か 1 章 感情の定義と理論 1 節 はじめに 1.感情と情動の操作的定義とモジュール仮説 2.ニューロンとモジュール機能 3.情動・感情の個体差 2 節 感情概念のパースペクティブ 1.いとぐち 2.用語の問題 3.感情を表す語の変遷 4.感情の構造 5.道徳感情 6.感情研究の多様性と重要性 3 節 感情の理論 1.古典的な二大感情理論 2.二大感情理論の論争と共通背景 3.論点1:感情経験の起源 4.論点2:感情の適応的意義・現代的機能 2 章 進化と感情 1 節 はじめに 2 節 進化心理学の基礎 1.至近要因と究極要因による説明 2.ヒトの社会性に関わる進化の理論 3.適応論的説明に対する誤解 3 節 感情と適応的行動 1.適応的行動と感情 2.なぜ認知ではなく感情なのか? 3.感情の非適応的側面 4 節 表情と進化 1.表情は適応か? 2.シグナルの進化 3.表情はシグナルなのか? 5 節 まとめ 3 章 文化と感情:文化的自己観,文化比較研究からみた感情 1 節 感情の「普遍性」 2 節 感情表出と認知における多様性 3 節 感情の意味づけ 4 節 文化的自己観 5 節 感情概念の多様性 6 節 まとめ 4 章 自己と感情 1 節 中核自己感 1.身体的自己感 2.行為主体としての自己の感覚 2 節 意識の主観性,経験の一人称性 3 節 他者との関わりの中の自己の感覚 1.意図の間主観的制作 2.他者という鏡 3.自己意識の社会性 4 節 おわりに 5 章 感情心理学の潮流 1 節 感情研究に対する関心の高まり 2 節 感情の捉え方 3 節 感情研究の展開 1.進化論的立場 2.身体学的立場 3.神経学的立場 4.認知的評価の立場 4 節 感情心理学における課題 5 節 国際感情学会の創立と日本感情心理学会の創立 1.国際感情学会の創設 2.日本感情心理学会の創設 第2部 感情の基本要素 6 章 感情の評価・知識・経験 1 節 現代の感情理論における感情の基本要素 2 節 評価要素と主観的情感要素の定義 1.評価要素 2.主観的情感要素 3 節 現代の感情理論における評価要素と主観的情感要素 4 節 評価理論の「風味」 5 節 コンポーネント・プロセス・モデルにおける感情の評価・知識・経験 1.評価:刺激評価チェックと構成要素パターニング 2.経験:主観的情感と最頻的感情 3.知識:主観的情感のカテゴリー化と言語化 4.CPM の実証的展開 6 節 心理学的構成主義における感情の評価・知識・経験 1.経験と知識:アフェクトと感情概念 2.構成感情理論における感情概念の発達と個人差 7 節 評価理論と心理学的構成主義の対立をいかに考えるか 1.感情と言語・文化 2.Scherer とBarrett の主張の重なりとずれ 3.感情理論の風味検出・次元化・階層化 8 節 補足とまとめ 7 章 感情のコミュニケーション:表情, 声, 身体接触, 言語, 文化差 1 節 表情 2 節 声 3 節 身体接触 4 節 言語(感情語) 5 節 文化差 8 章 感情の身体的変化 1 節 自律神経系の解剖学的構造と機能 1.神経系の分類 2.交感神経系と副交感神経系 3.自律神経系活動の指標と測定方法 2 節 感情理論における身体的変化 1.末梢起源説と中枢起源説 2.ソマティック・マーカー仮説 3.脳内における感情の身体化 4.心理学的構成理論における身体的変化 3 節 感情と自律神経系反応 1.防衛反応としての自律神経系活動 2.自律神経系活動による感情の分類 3.心拍変動による感情制御能力の個人差 9 章 感情の脳科学 1 節 はじめに:感情への神経科学的アプローチ 2 節 感情を生み出す脳 1.恐れることを失った脳 2.多様な感情を支える脳 3.感情に関わる神経伝達物質 3 節 感情と認知の相互作用 1.認知機能を調節する感情の神経基盤 2.認知機能による感情の制御 4 節 社会性と感情 1.社会的感情 2.道徳感情の神経基盤 3.神経科学からみる共感 5 節 感情の個人差とライフスパン 1.感情の個人差を生じさせる神経遺伝機序 2.感情の神経基盤の変化:発達と加齢 6 節 おわりに:今後の感情と脳科学の方向性 10 章 感情科学の展開:内受容感覚の予測的符号化と感情経験の創発 1 節 はじめに 2 節 心理学的構成主義における感情の構造 1.内受容感覚によりコア・アフェクトが形成される 2.なぜ内受容感覚が重要なのか 3 節 内受容感覚の予測的符号化 1.運動と知覚 2.予測的符号化と自由エネルギー原理 3.予測的符号化の解剖学的基盤 4.内受容感覚への拡張 5.予測的符号化における感情 4 節 実証的研究と計算論モデル 1.予測的符号化の脳機能に関する実証的知見 2.内受容感覚の計算論モデル 3.予測誤差の変化により感情が創発される 4.内受容感覚の病理 5 節 結語:今後の研究における課題 1.内受容感覚は領域一般的か領域特異的か 2.内受容感覚の予測的符号化過程の実証的検討 3.カテゴリー化過程の理論的・実証的検討 4.疾患や健康への応用 第3部 感情と社会生活 11 章 感情の発達 1 節 感情の初期発達 1.感情の発達モデル 2.基本感情の発達 3.自己意識的な感情の芽生え 4.初期の感情発達に必要なこと 2 節 感情制御の発達 1.感情制御に課題を抱える子どもの問題 2.安心・安全による制御の発達:愛着と感情制御 3.感情と言葉がつながることによる制御の発達:感情の社会化 4.感情制御の発達不全の問題 5.「発達障害」と感情制御の発達不全の問題 3 節 感情認知の発達 1.感情認知の萌芽 2.基本感情の弁別としての感情認知 3.行為あるいは状況の解釈としての感情認知 4.感情表出動機の認知 12 章 人間関係における感情 1 節 親密な関係における感情 1.はじめに 2.親密な関係における感情 3.親密な関係特有の感情 4.親密な関係における感情の働き 5.親密な関係が規定する感情経験 2 節 他者との関係性で生じる感情 3 節 道徳や法と感情 4 節 集団間感情 1.集団間感情理論 2.集団間感情が導く集団間行動 3.集団間感情の視点からの集団間紛争解決 13 章 感情と認知 1 節 社会的認知と感情 1.感情ネットワークモデル 2.記銘時の気分と想起時の気分の効果 3.感情導入の方法 4.他の認知機能への影響 5.ポジティブ・ネガティブ・非対称 6.社会的判断への影響 7.感情情報説 8.感情調整説 9.感情混入モデル 10.文化およびマインドセットへのさらなる展開 2 節 感情認知の神経基盤 1.はじめに 2.知覚過程 3.シミュレーション過程 4.状況評価過程 5.統合過程 6.まとめ 第4部 感情の個人差 14 章 感情特性 1 節 気質とパーソナリティ 1.気質とは 2.気質の連続性 3.気質からパーソナリティへ 4.幼少期以降の発達に及ぼす気質の影響 2 節 愛着の内的作業モデル 1.「愛着」とは 2.内的作業モデル 3.IWM の形成と安定 4.IWM の影響 5.IWM の測定 6.IWM の自動性 3 節 情動知能(EI) 1.成績や知能テストで測れないもの 2.情動に関する知能 3.EI の与える影響 4.測定方法への指摘 5.新たな解釈 4 節 感情の「感じやすさ」 1.感情体験のしやすさ 2.さまざまな感情特性の例 3.感情特性の測定方法に関する指摘 15 章 幼児期・児童期の感情障害 1 節 うつ病障害 1.うつ病/大うつ病性障害のおもな診断基準と症状 2.有病率と疫学 3.要因と治療,支援 2 節 双極性障害 1.双極性障害のおもな診断基準と症状 2.有病率と疫学 3.要因と治療,支援 3 節 不安障害 1.不安障害のおもな診断基準と症状 2.有病率と疫学 3.要因と治療,支援 4 節 強迫性障害 1.強迫性障害のおもな診断基準と症状 2.有病率と疫学 3.要因と治療,支援 16 章 青年期・成人期の感情障害 1 節 はじめに 2 節 感情障害に含まれる各疾患の特徴 1.悲しみの経験によって特徴づけられる疾患 2.ポジティブ感情の経験によって特徴づけられる疾患 3.不安・恐怖の経験によって特徴づけられる疾患 3 節 DSM-IV-TR からDSM-5 にかけての推移 4 節 各疾患の有病率と併存 5 節 感情障害の規定因 1.遺伝と環境 2.ストレスフルな出来事 3.反すうと反復性思考 4.心的イメージ 5.回避行動 6.衝動性 6 節 おわりに 17 章 感情とウェルビーイング 1 節 はじめに 2 節 ポジティブ感情とは 3 節 ポジティブ感情の理論:拡張-形成理論 1.ポジティブ感情の拡張機能 2.ポジティブ感情の形成機能 3.ポジティブ感情からウェルビーイングへ 4 節 ウェルビーイングとは 5 節 主観的ウェルビーイングの考え方1:ヘドニズム 6 節 主観的ウェルビーイングの考え方2:エウダイモニズム 7 節 主観的ウェルビーイングの考え方における統合と展開 18 章 感情制御:基本理論と個人差研究 1 節 感情制御とは? 2 節 Gross のプロセスモデル 1.モデルの概要 2.各段階におけるさまざまな感情制御方略 3 節 感情制御の個人差 1.個人差を捉える視点:頻度と成功 2.感情制御の個人差を規定するもの 4 節 感情制御の個人差研究の展望 1.感情制御の柔軟性 2.感情制御アフォーダンス 3.拡張版プロセスモデル 19 章 感情制御と心理学的介入 1 節 精神疾患と感情制御 2 節 認知行動療法による感情制御の改善 3 節 マインドフルネスに基づく介入による感情制御の改善 文献 人名索引 事項索引 あとがき ●トピックス 01 笑いと涙 02 犯罪不安 03 コンパッションの文化差 04 屈辱感 05 感情は複雑だからこそ研究は拡がる 06 顔表情データベースの活用 07 日本における抑うつと反すうの関連 08 羞恥感情と健康行動 09 養育者による情動的な映し出し 10 幸福感の含意と協調的幸福感 11 文化的自己観尺度について 12 ベジタリアンと嫌悪 13 顕在的・潜在的自尊感情の不一致がもたらすもの 14 化粧行動の発達 15 食科学が熱い 16 地域への愛着 17 少年院とマインドフルネストレーニング 18 若者の攻撃的衝動と音楽 19 悲しみのパラドックス 20 行動免疫と感情の心理学 21 熱き血潮にふれもみで―異性に対する接触回避と恋愛感情― 22 ストレスと循環する脳-身体 23 他者の感情を正確に判断できるのか 24 ステレオタイプ内容モデル 25 感情を偽る―感謝の嘘が獲得される背景― 26 微笑み・笑うタイミング―対話者どうしの微表情の時系列的変化― 27 グループワークにおける感情の変化 28 感情研究と教育モデルの構築 29 情動多様性と適応―加齢との関わり― 30 加齢とポジティビティ効果 31 上を向いて歩こう―姿勢と感情― 32 畏怖,または喝 33 トラウマの筆記開示が心身の機能に及ぼす影響 34 持たざる者の悪意 35 スマイルは0 円でも―職業場面における感情管理への注目― 36 高齢者と若年者の感情認知 37 認知症介護ストレスによるバーンアウトと感情労働 38 音楽における感情体験とは? 39 感動研究の動向 40 深さの怖れ 41 感情と言葉 42 武の術と心
モデルに基づくアプローチを重点的に取り上げ, 基礎研究と応用研究の最新動向を解説! 概念モデルや計算モデルなどのモデルに基づくアプローチを重点的に取り上げ,思考と言語に関する認知心理学の基礎研究・応用研究の最新動向を解説する。推論,問題解決,概念などの基本的テーマから,意思決定と行動経済学,批判的思考と高次リテラシー,比喩理解と身体化認知などの発展的テーマまで,研究の最前線へ誘う。 ◆執筆者一覧(執筆順) 服部雅史 立命館大学文学部 第1章 鈴木宏昭 青山学院大学教育人間科学部 第2章 坂本康昭 Stevens Institute of Technology 第3章 都築誉史 立教大学現代心理学部 第4章 山岸侯彦 東京工業大学大学院社会理工学研究科 第5章 楠見 孝 編者 第6章 岡田 猛 東京大学大学院教育学研究科 第7章 横地早和子 東京未来大学こども心理学部 第7章 小島隆次 滋賀医科大学医学部 第8章 岸 学 東京学芸大学教育学部 第9章 平 知宏 大阪市立大学・大学教育研究センター 第10章 米田英嗣 京都大学白眉センター 第11章 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 演繹推論と帰納推論 1節 はじめに 2節 規則とシンボル操作 3節 スキーマ,モジュール,認識論的効用 4節 確率的アプローチ 5節 カテゴリ帰納 6節 因果帰納 7節 まとめ 文献 第2章 問題解決 1節 はじめに 2節 問題解決の定義 3節 ヒューリスティクスによる問題解決 4節 スキーマによる問題解決 5節 類推による問題解決 6節 身体,外的資源と問題解決 7節 創造的問題解決 8節 まとめと今後の課題 文献 第3章 概念とカテゴリ化 1節 はじめに 2節 カテゴリ化学習と概念の獲得 3節 規則ベースの理論 4節 類似性ベースの理論 5節 まとめ 文献 第4章 言語と思考に関するコネクショニストモデル 1節 はじめに 2節 コネクショニストモデルの概要 3節 言語理解のモデル 4節 思考のモデル 5節 まとめと今後の展望 文献 第2部 展開と実践 第5章 意思決定と行動経済学 1節 はじめに 2節 行動経済学と心理学 3節 意思決定心理学の分類 4節 確率判断の非合理性 5節 処方的決定理論 6節 近年の動向 7節 おわりに――初学者の誤解 文献 第6章 批判的思考と高次リテラシー 1節 はじめに 2節 批判的思考の定義 3節 批判的思考のプロセス 4節 高次リテラシーと批判的思考 5節 批判的思考の教育と測定 6節 まとめ 文献 第7章 科学と芸術における創造 1節 はじめに 2節 創造性の心理学的研究の流れ 3節 科学と芸術の創造をとらえる枠組み 4節 科学における創造 5節 美術における創造 6節 結論 文献 第8章 空間表現理解と実践的応用 1節 はじめに 2節 空間表現理解研究における基本事項 3節 空間表現の分類 4節 空間表現理解に関わる幾何的・視覚的要因 5節 対象に関する知識や状況がもたらす空間表現理解への影響 6節 空間表現理解研究の実践的応用のためのモデル 7節 空間表現理解に関わるさまざまな問題点と今後の展望 文献 第9章 説明文・マニュアルの理解と表現 1節 はじめに 2節 宣言的説明文の理解と表現 3節 手続き的説明文・マニュアルの理解と表現 4節 非連続型テキストを含む説明文(文書)の理解 5節 おわりに――これからの展開と応用 文献 第10章 比喩理解と身体化認知 1節 はじめに 2節 比喩理解の過程 3節 比喩の理解の効果 4節 概念の比喩性と身体化認知 5節 まとめ 文献 第11章 物語理解と社会認知神経科学 1節 はじめに 2節 近年の物語理解研究 3節 社会認知神経科学の一分野としての物語研究 4節 今後の課題 5節 おわりに 文献 人名索引 事項索引
現代の「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。人の頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から読み解く。 永遠にかみ合わない議論、罵(ののし)り合う人と人。 その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。 動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から読み解きます。 具体的言説と抽象的言説のズレを新進気鋭の漫画家・一秒さんの四コマ漫画で表現しています。 序 章 抽象化なくして生きられない 第1章 数と言葉 人間の頭はどこがすごいのか 第2章 デフォルメ すぐれた物まねや似顔絵とは 第3章 精神世界と物理世界 言葉には二つずつ意味がある 第4章 法則とパターン認識 一を聞いて十を知る 第5章 関係性と構造 図解の目的は何か 第6章 往復運動 たとえ話の成否は何で決まるか 第7章 相対的 「おにぎり」は具体か抽象か 第8章 本質 議論がかみ合わないのはなぜか 第9章 自由度 「原作」を読むか「映画」で見るか 第10章 価値観 「上流」と「下流」は世界が違う 第11章 量と質 「分厚い資料」か「一枚の絵」か 第12章 二者択一と二項対立 そういうことを言ってるんじゃない? 第13章 ベクトル 哲学、理念、コンセプトの役割とは 第14章 アナロジー 「パクリ」と「アイデア」の違い 第15章 階層 かいつまんで話せるのはなぜか 第16章 バイアス 「本末転倒」が起こるメカニズム 第17章 理想と現実 実行に必要なのは何か 第18章 マジックミラー 「下」からは「上」は見えない 第19章 一方通行 一度手にしたら放せない 第20章 共通と相違 抽象化を妨げるものは何か 終 章 抽象化だけでは生きにくい
生涯にわたる発達において,ワーキングメモリはどのような役割を果たすのか。 成功(専門知識の獲得)や失敗(嗜癖行動,不適切な意思決定)との関係を明らかにし, 日常生活に与える影響を示す。トレーニングの利点も言及。 ワーキングメモリ――情報の意識的な処理――は,知性における最も重要なものの一つとしてますます認識されてきている。・・・ 本書では,一流の心理学者たちがワーキングメモリに関する最新の研究をレビューし,ワーキングメモリが人の発達や生涯においてどのような役割をしているかについて考察している。豊かなワーキングメモリがどのように成功(学術的に,そして専門知識の獲得に)と関係し,乏しいワーキングメモリが失敗(嗜癖行動や不適切な意思決定)と関係しているのかが明らかにされているのである。寄稿論文はまた,ワーキングメモリが私たちの認知的な進化においてどのような役割を果たしているか,そして日常生活の諸事,例えば何を食べ,どのくらい眠るかといったことがワーキングメモリの機能にどのように影響するかといったことを示している。最後に,ワーキングメモリトレーニングの利点に関するエビデンスについて探求している。(「認知心理学のフロンティア・シリーズ」紹介文より引用) ◇目次 第I部 ワーキングメモリ:新しい知性 第1章 ワーキングメモリ:序論 第2章 ワーキングメモリと知能:展望 第3章 ワーキングメモリの進化 第II部 生涯にわたるワーキングメモリ 第4章 発達におけるワーキングメモリ 第5章 ワーキングメモリの階層モデルと健康な高齢者のその変化 第III部 ワーキングメモリと専門知識 第6章 熟達者のワーキングメモリ:伝統的なワーキングメモリ概念との質的な相違 第7章 ワーキングメモリ容量と音楽の技能 第IV部 ワーキングメモリと身体 第8章 ワーキングメモリと食習慣 第9章 断眠とパフォーマンス:ワーキングメモリの役割 第10章 ワーキングメモリと嗜癖行動 第V部 ワーキングメモリと意思決定 第11章 ワーキングメモリと不安:個人差と発達の相互作用を探る 第12章 情動と認知的制御の統合 第13章 ワーキングメモリと瞑想 第VI部 ワーキングメモリの将来:トレーニング 第14章 ワーキングメモリをトレーニングする 第15章 ワーキングメモリトレーニング:神経イメージングからの洞察 第Ⅰ部 ワーキングメモリ:新しい知性 第1章 ワーキングメモリ:序論 第2章 ワーキングメモリと知能:展望 第3章 ワーキングメモリの進化 第Ⅱ部 生涯にわたるワーキングメモリ 第4章 発達におけるワーキングメモリ 第5章 ワーキングメモリの階層モデルと健康な高齢者のその変化 第Ⅲ部 ワーキングメモリと専門知識 第6章 熟達者のワーキングメモリ:伝統的なワーキングメモリ概念との質的な相違 第7章 ワーキングメモリ容量と音楽の技能 第Ⅳ部 ワーキングメモリと身体 第8章 ワーキングメモリと食習慣 第9章 断眠とパフォーマンス:ワーキングメモリの役割 第10章 ワーキングメモリと嗜癖行動 第Ⅴ部 ワーキングメモリと意思決定 第11章 ワーキングメモリと不安:個人差と発達の相互作用を探る 第12章 情動と認知的制御の統合 第13章 ワーキングメモリと瞑想 第Ⅵ部 ワーキングメモリの将来:トレーニング 第14章 ワーキングメモリをトレーニングする 第15章 ワーキングメモリトレーニング:神経イメージングからの洞察
注意が認知機能において果たす基礎的な役割から,高齢化やヒューマンエラーとの関係,産業・医療領域における研究まで幅広く紹介。 注意が認知機能において果たす役割から, 産業・医療領域における研究まで幅広く紹介。 「注意」は,記憶や意思決定といった認知機能とは違い,人間の認知機能全体を明らかにする可能性を秘めた研究領域と言える。本書は,「注意」が果たす基礎的な役割から,脳科学やワーキングメモリ,高齢化やヒューマンエラーとの関係,さらには,産業・医療領域における応用研究まで幅広く紹介。注意研究の現在を一望する。 『現代の認知心理学』刊行にあたって まえがき 第1部 基礎と理論 第1章 注意の理論とその歴史(岩崎祥一) 1節 はじめに 2節 注意の古典的研究 3節 初期選択説と後期選択説 4節 近代的注意研究 5節 注意制御の仕組み 6節 まとめ 文献 第2章 注意と脳科学(熊田孝恒) 1節 はじめに 2節 注意の神経科学的基盤 3節 ヒトの注意機能の脳機能イメージング 4節 実践研究への展開 5節 最後に 文献 第3章 注意とワーキングメモリ(齊藤 智) 1節 はじめに 2節 ワーキングメモリの概念と測定 3節 日常的な逸脱現象とワーキングメモリ 4節 注意課題の成績とワーキングメモリ機能の関係 5節 注意制御におけるワーキングメモリの役割 6節 まとめと今後の課題 文献 第4章 注意と行動・眼球運動(木村貴彦・三浦利章) 1節 はじめに 2節 実験室実験からの諸知見 3節 行動的実験からの諸知見 4節 まとめ 文献 第5章 注意と発達(板倉昭二) 1節 はじめに 2節 注意と乳児の認知――視覚的注意の4つの機能 3節 物理的注意 4節 社会的注意 5節 注意と実行機能の発達 6節 今後の展望 文献 第2部 展開と実践 第6章 注意・制御と高齢化(原田悦子・須藤 智) 1節 はじめに 2節 注意の実験的研究に見る高齢化の効果 3節 認知的高齢化に関するモデル 4節 日常的文脈での活動に見られる注意・制御・高齢化 5節 まとめ――注意の高齢化研究に必要な要件 文献 第7章 注意・安全とメンタルワークロード(芳賀 繁) 1節 はじめに 2節 メンタルワークロードとは何か 3節 メンタルワークロードの評価指標 4節 メンタルワークロードと注意の関係 5節 メンタルワークロードと技術開発 文献 第8章 注意とヒューマンエラー―交通安全と注意問題を中心として―(篠原一光) 1節 はじめに 2節 ヒューマンエラーに関連する注意概念 3節 焦点的注意とヒューマンエラー 4節 分割注意とヒューマンエラー 5節 エラー分類と注意の関係 6節 まとめ 文献 第9章 産業安全におけるヒューマンエラーと違反(臼井伸之介) 1節 はじめに 2節 労働場面での事故の統計的現状 3節 ヒューマンエラーの発生メカニズム 4節 違反とリスクテイキング 5節 これからの安全に求められるもの 文献 第10章 医療安全と認知(松尾太加志) 1節 はじめに 2節 専門的リスクによる事故 3節 作業リスクによる事故 4節 患者自身による事故とリスク認知 5節 事故防止 文献 第11章 複雑な人間-機械系における状況認識と安全・注意(高橋 誠) 1節 はじめに 2節 自動化システムにおける認知機能の役割 3節 状況認識の定義とモデル 4節 状況認識アプローチの重要性 5節 状況認識概念の有効性と課題 文献 追補 注意の神経心理学(熊田孝恒) 人名索引 事項索引